今までいろんなコンサルタントを見ていますが、コンサルタントには2種類います。
1.口が達者でアドリブが聞くコンサルタント
2.口下手で質問に即答できないコンサルタント
多くの方のイメージは前者で、仕事ができそうなのも前者だと思います。
口が達者という時点で胡散臭そうというイメージも拭えませんが。
一方、後者のコンサルタントはどうですかね?
質問に即答できないということは、経験も薄くて頼りなさそうな感じがしますよね。
実は、そういった基準で選んでしまうとかなり高い確率で失敗します。
これは、人を選ぶときも同様のことが言えます.
即答する人は本質を知らない
人間、知らないことについては喋れません。
聖徳太子は、何人もの人の話を同時に聞き理解できたと言われていますが、これは超絶な耳や脳を持っていたのではなく、半端ない知識量があったからだと思います。
想像してみてください。
すでに知っていることであれば、何人かが同時に喋っていたとしても聞き取れるし理解できますよね。
が、知らないことに関してはたった1人が喋べることすら理解できません。
なので、聖徳太子には、同時に何にもの人の話を聞き取り理解するためのハンパない知識量があったということです。
あくまで僕の自論ですが、、、。
口が達者でアドリブが利く人というのは、やはり、知識が豊富な人なんですね。
「じゃぁ、コンサルタントとして最適だね」
と思うかも知れませんが、実はそういうわけではないんですね。
コンサルティングする上で最も重要なのは
「何が問題か?」
であって、いろんな解決策を垂れ流すことではありません。
なので、
「●●に困っているんですがどうすればいいですか?」
という質問に対して
「あなたは▲▲なので、■■をしてください」
と即答できるのはおかしいことなんです。
質問内容というのは、あくまで「現象」であってその対義語でもある「本質」ではありません。
問題の本質がわかっていればとっくに自分で解決できているハズなので。
身体にできた湿疹にクスリをいくら塗っても治らない。
しかたがないので医者に行って診てもらったらその原因が内蔵疾患にあることが判明しそこを治療したらすぐに湿疹が出なくなった。
、、、というのが現象と本質の違いです。
しかし、現実は、クスリの種類はやたら知っていて、あれを塗れ、これを塗れと言っているような本質を知らないコンサルタントが大半なんです。
口が上手い人が思考停止する理由
どれだけ人生経験が豊富でも、コンサルティングの経験が豊富であっても、「こういう場合はこうすれば100%上手くいく」というものはありません。
その人や背景によって状況は変わるわけです。
にもかかわらず、質問に対して即答できるというのはおかしいのです。
質問に対して、
「いや、それにはすぐにお答えできません。その前に、●●について教えてくれませんか?」
と、質問を返してくるコンサルタントこそが、優秀なコンサルタントなんです。
口達者でアドリブが得意なコンサルタントは頭は切れますし、頭の回転が早いのも確かです。
とうことは、逆に、少しくらいの危機的な状況であれば、口の上手さで乗り切ることができてしまうんです。
そうなると、人に指摘をされることがないし、反省をすることもないので、成長する機会を逃す傾向にあるということです。
口八丁で乗り切る思考は鍛えられても、新たに何かを学んだりそれについて考えるということがなくなるので、それは「裸の王様」という思考停止に陥るわけです。
しかも、そういう人は、自分の考えに賛同する人ばかりを集めるので、指摘してもらう機会すらすでに失っているんですね。
あんたの指導者は背景を見ているか?
「練習でできんことは試合でできんのよ~」
昔、辰吉丈一郎さんが練習生を指導するときに言っていた言葉です。
まぁ、人間の潜在能力は計り知れないので、何かのきっかけで実力以上の力が発揮されることはあるでしょう。
「火事場のクソ力」というやつですね。
しかし、これは自分でコントロールできないので不確実性の高い能力と言えます。
つまり、口達者でアドリブが上手い人は、すでに知っていることを喋っているだけなんです。
あなたの質問に対してすぐに答えてくれる人はあなたの背景を深く知ろうとしてくれていますか?
あなたのために、新たに情報を仕入れようとしてくれていますか?
今まで、現象だけを見てアドバイスをしてくる人に上手く言いくるめられてきた人は、人を見る価値観を変えてみてはどうですか?