どうも、服部(ハットリって誰?)です。
少し前まで「こういうサービスがあったらいいな」と思った時に僕らがやることは、だいたい決まっていました。
検索して、いくつか比較して、無料プランで試し、良さそうなら課金する。
で、しばらく使っているうちに欲しい機能が足りなくなったり、料金が上がったり、運営会社の方針が変わったりしたら、また乗り換え先を探します。
欲しいサービスを探す
候補を見つけて比較する
無料で試す
課金して使う
合わなくなったら乗り換える
別に、この流れがすべて悪いわけではありません。
完成されたサービスを使った方が早くて安全なことも多いし、自分で作るより月額料金を払った方が安いことも普通にあります。
ただ、これからは、その活動チェーンへ「まずAIで自分用に作ってみる」という選択肢が入るんですよね。
今までなら、欲しいものが見つからなければ諦めるか、近いサービスへ自分の仕事を無理やり合わせるしかありませんでしたが、今はAIと会話しながら、自分に必要な小さなアプリやツールを作れるようになったからです。
しかも、自分で使ってみて、いい感じなら直し、同じことで困っている人がいるのであれば、商品として販売するところまでつなげられます。
欲しいものを探すだけの人と、欲しいものを作って試せる人では、これから仕事の進み方も商売の作り方もかなり変わります。
欲しいものは誰かが作るまで待つしかなかった
これまでサービスを使う側は、誰かが決めた機能、料金、保存容量、利用回数、更新頻度へ、自分の仕事を合わせてきました。
たとえば、機能の8割は必要ないのに、欲しい一つの機能を使うためだけに上位プランへ入り、毎月お金を払い続けることがあります。
反対に、ほぼ理想どおりなのに、自分にとって一番重要な部分だけが足りず、「次のアップデートで追加されないかな」と待ち続けることもあるでしょう。
で、ようやく追加されたと思ったら、今度は画面が大きく変わり、慣れていた機能が消え、料金まで上がる、みたいな
まぁ、他人が運営しているサービスなので当たり前なんですけど、自分のために作られているわけではないですからね。
それでも以前は、自分で作るハードルが高すぎました。
簡単な業務ツールであっても、要件を整理して、開発会社を探し、見積もりを取り、画面や機能を説明し、数十万円や数百万円をかけて作ってもらう必要がありました。
欲しいものが小さければ小さいほど、依頼する手間と費用が見合わないので、結局は既存サービスを探して我慢して使う方が現実的だったわけです。
AIでアプリを自作することが現実的になった
今は、プログラミングを仕事にしていない人でも、AIへ「何に困っているのか」「誰が使うのか」「どんな順番で動けばいいのか」を伝えれば、動くものを作れるようになりました。
ChatGPT AtrasやFable5.1が出て、さらに精度はエグいことになっています。
もちろん、何も分からないままテキトーなプロンプトで頼めば、安全で完璧なアプリが完成するという話ではありません。
AIが書いたコードには間違いもあるし、直したはずの場所が別の場所を壊すこともあり、ログイン、個人情報、決済などが関わるのであれば、設計と確認はかなり慎重にやる必要があります。
ただ、自分だけが使う小さな道具や、業務の一部分を楽にする試作品まで、最初から開発会社へ依頼する必要はなくなりました。
僕も、家族だけが使う「会話型遺書」のようなAIアプリを作っています。
僕が死んだ後、家族が仕事や契約、残してほしいものなどで迷わないようにし、疲れた時には少しだけ会話できるようにするアプリなんですが、本人そっくりのアバターを動かし、ずっと会話させるような故人AIにはしたくありません。
本人らしく見せることより、家族が必要な情報へたどり着き、自分たちで決めて現実の生活へ戻れることの方が重要だからです。
市販のサービスを探して、近いものへ家族を合わせるのではなく、必要な機能と、絶対に入れたくない機能を決めるというのは、自分で作るからこそ、この線引きを守れるんですね。
このアプリを作った理由と設計の基準は、別の記事へ詳しく書きました。
欲しいものが特殊だから自分で作るという話だけではなく、むしろ、他人から見ればしょうもないほど小さな不便を、自分用に直せることの方が大きいです。
毎回同じ情報を転記する、複数のファイルから必要な数字を拾う、決まった形式へ文章を整える、過去の記録から関連するものを探すといった作業は、万人向けのサービスにすると機能が増えすぎますが、自分用なら必要な流れだけを作ればいいですからね。
自分用なら最初から完璧でなくていい
既存サービスを探す時、人は完成度を見ます。
デザインは使いやすいか、スマホでも動くか、他のサービスと連携できるか、料金に見合うか、サポートはあるかなど、比較する項目が増えていきます。
一方、自分用のアプリは、最初から全部できる必要がありません。
昨日まで手作業で一時間かかっていたことが、ボタン一つで十分になれば、それだけで使う価値があるし、見た目が多少ダサくても、自分しか使わないのであれば誰にも怒られません。
ここを最初から販売用サービスの基準で作ろうとすると、利用規約、決済、問い合わせ対応、複数人のアカウント管理、分かりやすい操作説明まで必要になり、欲しかった小さな道具が急に大きな開発案件になります。
まず自分が使えるところまで作り、実際に使って詰まった場所を直せばいいし、使わなくなったのであれば、なぜ使わなかったのかを見て、必要がなければ捨てればいいんです。
AIを使えば、作る、試す、直す、捨てるという流れを何度でも回せるので、完成品を買う前に、自分が本当に欲しかったものを確認できます。
AIでアプリを自作する一番の価値は、開発費を安くすることではなく、自分の不便を、自分で何度でも検証できることです。
自分で使ってよかったものは販売できる
自分用に作ったものを毎日使い、同じ不便を持つ人にも役立つのであれば、そのまま商品になる可能性があります。
以前なら、サービスを販売できる形まで作る前に大きな開発費がかかるため、需要があるかどうかを確認するにも覚悟が必要でした。
今は、まず自分用に作り、身近な人へ試してもらい、使われる機能と使われない機能を見てから、販売するかどうかを決められます。
売れなければ、また自分用へ戻せばいいし、別の用途へ作り替えてもいいんですよね。
最初から大きな市場を狙い、立派なサービス名とロゴを作り、誰も使っていないのに料金プランだけ3つ並べる必要はありません。
サービスを作ることと、商売になることは別なので、AIで動くものができただけでは商品になりません。
他人へ販売するのであれば、初めて使う人でも迷わないか、データを安全に扱えるか、問題が起きた時に対応できるか、料金を払ってまで解決したい不便なのかを確認する必要があります。
ただ、自分自身が最初の利用者になれば、「こんなものがあったら売れそう」という妄想から始めるより、少なくとも一人分の具体的な問題と利用履歴が残ります。
自分のために作ったものが、同じところで詰まっている人へ届き、その対価をもらうというのは、誰かのサービスを紹介して手数料をもらうだけではなく、自分の仕事のやり方そのものを商品にできるということです。
何でも自作すればいいわけではない
こういう話をすると、「じゃぁ、サブスクは全部やめて、何でも自分で作ればいいのか」となるんでしょうけど、そんなわけありません。
会計、決済、パスワード管理、メール配信など、正確さ、安全性、法対応、継続的な更新が重要なものは、実績のある既存サービスを使った方がいいです。
自分で作れることと、自分で保守し続けられることは別ですし、月額数千円を惜しんだ結果、不具合対応に何日も使っているのであれば、安くしたつもりで自分の時間を一番高く買っていることになるわけですからね。
以前、AIへの課金について書いた記事でも、高いプランへ入ればいいのではなく、自分の仕事で明確なボトルネックになってから課金すればいいと書きました。
自作と課金も同じで、思想でどちらかへ決めるものではありません。
※ AIで自作しやすいもの
自分や少人数だけが使う
必要な機能が狭く、仕事の流れが分かっている
失敗してもすぐ戻せる
既存サービスでは余計な機能が多い、または肝心な機能が足りない
使いながら何度も変更したい
※ 既存サービスを使った方がいいもの
決済や個人情報など、高い安全性が必要
止まると仕事やお客さんへ大きな影響が出る
法改正や外部サービスの変更へ継続対応する必要がある
月額料金より、自分で保守する時間の方が高い
すでに十分な機能とデータ移行手段が用意されている
作るか、買うか、借りるかは、料金だけではなく、失敗した時の影響、保守に使う時間、データを取り戻せるか、自分で判断できる範囲かで決めます。
自作できる時代になったからこそ、作らない方がいいものも、自分で決めなければならないということです。
最初に作るのは大きなサービスではなく一つの面倒
AIで何か作ろうとした時に、いきなり「新しい事業になるアプリを作りたい」と考えると、ほぼ確実に話が大きくなります。
誰が使うのかも分からないまま、会員登録、決済、通知、管理画面、スマホ対応を入れ始め、肝心の「何が楽になるのか」が見えなくなるんですね。
最初に探すべきなのは、事業アイデアではなく、自分が何度も繰り返している面倒です。
毎週同じ手順で作っている資料、何度も探している情報、コピーして貼り直している文章、確認漏れが起きる作業など、すでに自分が時間を払っている場所なら、作る意味を説明できます。
その作業について、AIへ次の順番で伝えれば、必要なものを整理しやすくなります。
今は何を、どんな順番でやっているのか
どこが面倒で、どんなミスが起きるのか
最低限、何ができれば使えるのか
入力する情報と、出てきてほしい結果は何か
絶対に外へ出してはいけない情報は何か
最初から完璧な指示書を書く必要はありません。
実際の作業をAIへ見せたり、音声入力で順番を説明したりしながら、まず一回動くものを作り、違うところを直せばいいんです。
ホームページも同じで、AIだけですべてを作るのではなく、長く使う土台はWordPressへ置き、必要な部分をAIで作るという選択もできます。
ゼロかヒャクかで「AIに作らせる」「プロへ任せる」と分けるのではなく、自分で判断できる範囲だけAIへ渡し、責任を持てない部分は既存サービスや専門家へ任せればいいんですよね。
サービスを探す前に、自分で作れるかを考える
これからも、便利なサービスは増えるし、僕も必要なものには普通に課金します。
良いサービスへお金を払うことが時代遅れなのではなく、欲しいものが見つかるまで検索し、無料プランを渡り歩き、値上げされるたびに文句を言い、また似たサービスへ乗り換えることしか選択肢がないと思っている状態が、もう古いんですね。
探す時間があるのであれば、その前に一度、「自分用ならAIで作れないか」と考え、小さく作り、実際に使い、合わなければ捨て、必要なら直します。
自分以外にも同じ不便を持つ人がいるのであれば、そこで初めて販売できる形へ育てればいいんです。
誰かが作った完成品へ自分を合わせ続けるのではなく、自分の仕事や生活に合わせて道具を作り、その道具から新しい商売まで生み出せるとか、最高じゃないですか。
AIによって変わったのは、開発の速さだけではなく、サービスを選ぶ側にしかなれなかった人が、必要なものを作る側へ回れるようになったことです
この転換を使えるかどうかが、これからかなり大きな差になるんです。






















