こんにちは、服部(@FACTDEAL)です。
不登校YouTuberのゆたぼんが炎上&あちこちに飛び火していますが、僕は最初からこの子を叩くつもりはさらさら無くて。
多くの人がそうだったと思うんですが、僕が気になったのは、やはりこのどうしようもない親、この親の「マーケティングの酷さ」ですね。
かわいそうに、低評価と批判コメントの嵐で、賛同コメントを見つけるのが困難な状態で。
まぁ、賛同コメントを入れると自分も巻き込まれて叩かれると思ってコメントできない人も多いんでしょうけど。
僕が彼に言いたいことはこれくらいで。
ゴールデンウィーク明けましたね。
不登校YouTuber、学校行けよ!
人を救いたいなら、学校に行ってまずは一番近くで悩んでる子の問題解決してあげなよ。
自分以外の子をロボットと言い放って放置して、自分は毎日自己中に生きててどうするよ。
早く親に操作されるロボットから卒業しろよ!
— 服部慎也 (@FACTDEAL) 2019年5月7日
ということで、なぜこうなっちゃったのかをマーケティング目線で少しお話ししますね。
結論から言うと、冒頭でもお伝えしたように親のマーケティングが酷すぎるに尽きるんですが、お子さんがいる方は「こういった考え方もあるんだな」程度に「親と子のマーケティング」について頭の片隅に入れておいていただければなと。
やっぱり賢い人は「不登校について」は論点にしていないんですね。
その生き方を貫いていっても極力リスクが無いように、知識や選択肢を与えて、ちゃんと自分のことをマーケティングしていけるように親身になってアドバイスしています。
逞珂くん初めまして。好きなように生きれば良いと思います。宿題をしないのも、無責任に良い顔をする大人に煽てられて生きるのも、自由です。ただし、子どもであっても自由には必ず責任が伴います。優しい言葉をかけてくれた人たちが、人生の責任を取ってくれる事はありません。 https://t.co/g0p7iXtfPM
— 春名風花 official (@harukazechan) 2019年5月9日
新しい価値観が叩かれる2つの理由
新しい価値観が出てくると「とりあえず叩かれる」のはYouTubeやTwitter界隈では当然の流れですし、今に始まったことではありません。
で、叩かれる理由というのは主にこの2つ。
①時代がついてきていない
②多くの人を不快にしている
最先端の価値観すぎてまだ時代がついてきていないというパターンがあるわけですが、これは、人は「理解できないものは拒否する」という傾向があるからですね。
なぜ気に入らないのか、なぜ忌み嫌ってしまうのかを論理的に考えようとせずに、脊髄反射的に拒否してしまうと。
なので、ゆたぼんの考え方や価値観、学校との向き合い方が将来的にスタンダードになる可能性が無いとは言えませんし、スタンダードにならなかったとしても、この活動によって教育体制が変わるかもしれません。
将来のことは誰にもわからないですからね。
この点に関しては無条件に批判する必要も無いかなというのが動画を観ての率直な感想です。
もちろん、ツッコミを入れようと思えばいくらでも入れることはできますが、マーケティングの話からはずれていきますし、そもそもどこまでが親の戦略的な価値観、主張で、どこからがゆたぼん自身の素直な価値観、主張なのかは判断できないので、議論してもしょうがないかなと。
上記のような将来性をわずかながら感じつつも、現状として目を背けてはいけないのが「圧倒的に多くの人を不快にしている」ということですね。
批判コメントや低評価の比率からもわかるように、数字はウソをつきませんから。
教育者と親はどう感じるか?
なぜ人を不快にさせているかということですが、これがまずマーケティングの失敗の1つめ。
・教師
・親
という子どもに関わる人たちの賛同や共感を得られていないがために、どんなに著名人やインフルエンサーが持ち上げても評価がひっくり返らないんですね。
少なくとも現状はそうです。
で、なぜ賛同や共感が得られていないのかと言うと、どの動画も「自分さえ良ければそれでいい」という主張でしかないからです。
革命家というのは指導者でもあり、指導者というのは「現場で、現物に触れて、現実を見て」世界を変えていく人のことであって、「オレは好きなように生きるからみんなオレの真似をしろ」というのは違うわけです。
指導者は「学校に行きたくないなら行かなくてもいい」ではなく、
・なぜ学校に行きたくないのか
・行かないことでどんなメリットがあるのか
・行くことでどんなメリットがあるのか
・行きたくない学校の改善点は何なのか
・登校か不登校以外の選択肢は無いのか
といった、様々な視点で、教育側と就学側の両面ですり合わせをしていかなければならないわけです。
にも関わらず「行きたくなければ行かなくてもいい」だけでは、コミュニケーションを分断された教師は成長することはなく、教育へのモチベーションも下がっていきますよね。
また、「うちの子がこの動画を観て、学校に行きたくないと言い出したらどうしよう」と危惧する親が反感を持つのも容易に想像できます。
想像力の欠如によって、共感ポイントがあまりにも少なくなってしまったということが、この「不登校は不幸じゃないマーケティング」の最大の問題点ですね。
完全にマーケティングの重要な要素である「ブランディング」の失敗です。
ちなみに、うちも妻と教育の話は毎日のようにしていて、僕はどちらかというと「子どもが学校に行きたくないと言ったら行かなくてもいい」派なんですが、そんな僕の話を聞いている妻でさえ、動画を観て「この子みたいになってしまうの?」とめちゃくちゃ心配しだす始末で。
まぁ、学校は理不尽なことを学ぶ練習の場だと思っているので、理不尽に潰されるくらいなら行かなくてもいいという意味で、自己中が通らないからといったくだらない理由でリタイヤさせるつもりはありませんけどね。
見事に逆効果になったキャラ設定
2つ目のマーケティングの失敗は、やはり「誰得でもないキャラ設定」でしょう。
子どもって、「子どもなのに子どもらしくないことをする」だけで簡単に個性をつくることができるんで、ある意味得なんですよね、
その流れで、芸能界でよくある、子役が大人びた(おっさんみたいな)ことを言うのがウケるみたいなところを狙ったと思うんですが、これが大失敗で。
これって、実際に、子どもなのにすごい演技をしているから、「こんな凄い演技をするんだから、思考や発言が早熟していても不思議ではないな」と説得力が付いてくるわけです。
が、彼の場合は親に言わされているだけじゃないですか。
インフルエンサーやブロガーのワナビークラスタが言っている薄っぺらいことを、ただ単に子どもが言っただけなので、大人よりも人生経験が少なく何の実績も残せていない分、価値が生まれるどころか説得力が大幅に低下しました。
それがYouTubeやTwitterの低評価の嵐となって如実に表れていますよね。
お金を稼げないが「人生はお金じゃない!」と言っている大人がいますが、言ってしまえばそれと同じようなものだということです。
本来、組み合わせというのはコンセプトメイクにおいて非常に有効なテクニックなんですが、逆効果を発揮する典型的なパターンになってしまったんですね。
マーケティングの重要な要素である「ポジショニング」の失敗です。
後日、別の少年が真逆の意見を動画をあげていましたが、組み合わせで刺さるコンセプトになるのはこのパターンですね。
俺が学校に行った方が良いと思う理由 pic.twitter.com/zsbvteFftn
— 研究家 [公式] (@UiJ7UbrEEjV3cDx) 2019年5月6日
インフルエンサー界隈が持ち上げている人物や価値観に、大人ではなく「少年が切り込みを入れる」という組み合わせです。
子どもだから子どもらしくあれという話ではなく、大人ほど比較や競争に巻き込まれておらず、差別化が難しい子どもだからこそ「中身(自分の言葉)」が大事だと知らしめた良い例ですね。
親自身のマーケティング
極め付きは親自身のマーケティングの酷さですね。
子どものマーケティングをこれだけミスっているわけなので、当然と言えば当然なんですが、親自身のマーケティングが酷すぎます。
印象の悪いプロフィール画像から始まり、過去の悪事や武勇伝自慢など、「この子の親ってどんな人?」「あぁ、やっぱり…」という言葉以外が見つからないくらい、悪い意味でわかりやすいですね。
交友関係やお金の稼ぎ方などにも色々と問題があるようですが、ここでは触れません。
何より、子どもを全面に押し出して、しかも親の存在も露出させるのであれば、子どものマイナスになるようなブランディングをするなよという話です。
で、発信している内容が、本当に子どもの意思や価値観(であるように見せたい)のであれば、親は出てきてはいけないです。
子どもの人生や人格をイチバン尊重しなくてはいけない親が、「こうではない、ああではない」「茂木さんに評価されているんだこの子は」とか言ってしまうのは悪手すぎます。
子どものことを信じているのであれば、なおさら首を突っ込んだらダメなんですよ。
信じてるなら、信じてるからこそ親は口だしたらアカンのちゃうかな。
子どもがホンマに自分の意思で言葉を発して行動してるなら、どうしようもなくなるまで親は黙って見守っとくもんやと思うわ。 https://t.co/x0aBLX0Rc9
— 服部慎也 (@FACTDEAL) 2019年5月7日
子どものフォローをするのであれば、著名人やインフルエンサーの名前を使うんじゃなくて、1人の親として勝負しないと。
子どもを親の金稼ぎのダシに使うために洗脳するのは反対ですが、子どもの個性を生かして若い頃から世界に発信していく、その手伝いを親がするというのは大賛成です。
ただ、その際は
・これをやるとどうなるのか?
・これをやるとどんな人が応援してくれるのか?
・これをやるとどんな人を不快にするのか?
といった鋭いマーケティング目線が必要になるので、これから親として「子どもの未来を輝かしいものにしてあげたい」と思っている方は参考にしてみてください。
僕も親として、自分の子どもの未来だけではなく、教育者や親、他の子どもも未来がよくなるようにしっかり考えてがんばっていきます。
①マーケティング
👉相手の気持ちや良い未来を考えること②ブランディング
👉①を続けた結果、好きになってもらうこと③ポジショニング
👉①、②を、踏まえて「〇〇といえば△△さんしかいない」と思ってもらうこと別に難しいことではないんだな。フリーランスも会社員も恋愛も結婚も一緒やん。
— 服部慎也 (@FACTDEAL) 2019年4月29日