こんにちは、服部(@FACTDEAL)です。
いつの時代も情報発信スタイルというのは様々で、「これからはブログだ!」とか「これからは動画だ!」とか「音声がきてるぞ!」といったポジショントークが繰り返されています。
ただね、自分が今まで可愛がって育ててきたコンテンツやツールを、ポジショントークでお客さんを誘導して自分の利益に増やすために、簡単に「〇〇はオワコンだ!」とか言ってしまうのはあまりに愛がないなと思うわけです。
今まで必要としてくれてきたお客さんに対しても、今までつくり上げてきたコンテンツに対しても、今まで使わせてもらってきたツールに対しても。
確かに、流行り廃りやトレンドの振り子はあるので、僕らは臨機応変に対応していかなければならない部分はあるんですが、それだけに流されるのはあまりに安易だなと。
じゃぁ、流行りやトレンドを踏襲しつつ、実際にどんな発信スタイルやコンテンツ形式(動画、音声、テキスト)を重視すべきなのかというと、これは結論は決まっていて、
「お客さんが求めているスタイルで発信しろ」
なんですね。
自分でビジネスをやっている以上、マーケティングのためにアンテナを張り、トレンドに敏感に反応する必要はありますが、あなたが何にチャレンジしたいとか、「若者は動画しか観ないからYouTubeをやろう」とかはお客さんからすればどうでも良いということです。
あなたがエンターテインメント業界で働いていて、これから何かコンテンツを考えなかればと思っている場合、で、ターゲットが女子高生などの若年層であればYouTubeやTikTokに力を入れるのが良いかもしれません。
が、それがビジネスコンテンツとなるとまた変わってきますし、ターゲットによっても変わってきます。
なぜこれだけ動画だ動画だと言われている時代に、トークショーやインタビューの内容をわざわざ「文字起こし」してまでテキストコンテンツで発信し、またそれを必要とする人がいるのかということです。
ビジネスコンテンツは学習効率が重要
カンの良い人はもう気づいているかもしれませんが、ビジネスコンテンツの場合は受け入れられやすさだけではなく「学習効率」も重要になるんですね。
例えば、自己啓発大好きの意識高い系サラリーマンや起業初心者人にとってYouTubeなどの動画は頭を使わず受動的にインプットができるので超楽チンです。
かなり受け入れられやすいです。
で、著名人やインフルエンサーなどの動画を一回観てモチベーションを上げたり、興奮したり、気持ち良くなったりすることが目的なので繰り返して観ることはほぼ無いですよね。
一度、目を通したら終わりです。
一方で、成果を出すために学びたい人は「復習のしやすさ」を重視するので、ブログ(テキストベースのコンテンツ)など、自分のペースで何度も何度も繰り返し学習できるスタイルを好むわけです。
動画は早送りや一時停止などはできるものの、大事な部分などをピンポイントで引っ張り出してチェックしたりするのは困難なので、学習目的の人にとってはそれができるテキストベースのコンテンツで学べる方がありがたいんですね。
もっと言うと、仕事上、出張など移動が激しい人やインプットに慣れている人などは「ながら学習」ができる音声コンテンツが良かったりします。
といったように、コンテンツのリッチ感は
動画 > 音声 > テキスト
ですが、学習効率や復習効率においては
テキスト > 音声 >動画
だったりするわけですね。
要は、あなたのお客さんが誰で、多くの人はどんなライフスタイルを送っていて、その中でどんな学習スタイルを欲しているのかということを理解した上で、自分の情報発信スタイルやコンテンツの方向性を固めなければならないということです。
ブログなのかYouTubeなのか、あるいはTwitterなのかVoicyなのか。
ということで、「〇〇はオワコン!」みたいな自己中ポジトークに流されないように、各コンテンツ形式のメリットやデメリットを僕が愛を持ってお伝えしていくので、あなたのお客さんにとって何が一番ベストな学習スタイルなのかを考えてみてください。
そこにあなたの得意な発信スタイルを重ねられるとさらに良いですよね。
まぁ、最初は視野を広く持って、動画も音声もテキストも一通り全てやってみることをオススメします。
その上で、僕のようにコンテンツ提供のフェーズごとに動画、音声、テキスト、と臨機応変に形式を変えても良いですし。
基本の発信はブログ(テキスト)、プロモーションでは動画、有料コンテンツやリピーター向けには音声コンテンツといった感じで変えていっても良いということです。
動画コンテンツのメリットとデメリット
動画コンテンツのメリットは次の3つです。
①リッチ感を与えやすい
②腹落ちさせやすい
③出演スタイルを選べる
①リッチ感を与えやすい
動画コンテンツは、視覚と聴覚の両方にアプローチできるということもあって、3つのコンテンツ形式の中では最も高級感を与えやすいです。
また、ブログなどのテキストコンテンツと比べて圧倒的に装飾(BGM、エフェクト、テロップなど)も施せるので、観ている人の満足度も高くなる傾向にあります。
②腹落ちさせやすい
テキストコンテンツでは、視聴者によってイントネーションや言葉の響きを決められてしまうので感情が伝わりにくいのに対し、動画や音声ではかなり細かいニュアンスまで伝えることができるので、視聴者は得た情報を腹落ちさせやすくなります。
よく言えば親近感、少しダークな言い方をするとマインドコントロールの効果が高いということですね。
③出演スタイルを選べる
YouTubeでは姿顔出しをしてセミナー形式で語るような動画が多いですが、必ずしも姿顔出しをしなければならないかというとそういうわけでもなく。
ビジネスコンテンツの主役は基本的に人物ではなく情報なので、情報をわかりやすく正しく伝えることができれば良いので、PowerPointやKeynoteのようなスライドを事前に作成して、そこに解説の音声を載せる紙芝居形式でも全然OKです。
続いて、動画コンテンツのデメリットについて。
①撮影環境の気遣い
②アップデートが困難
③ロイヤリティの消失
①撮影環境の気遣い
スライド形式であれば、動画に現れるのはテキスト画像なので撮影環境を気にすることもありませんし、映像、音声共に編集もかなり容易です。
が、セミナー形式の場合は姿だけではなく背景や雑音も映り込んでしまうわけので、普段「稼いでます!」といっている人が薄暗い四畳半の部屋で生活感の無い服を来て喋っていたら、、、ということですね。
②アップデートの難易度
一度アップしてしまった動画は直接編集ができません。
ブログなどのテキスト形式であればリライトが容易ですが、動画の場合は編集し直して再アップしなければならないのでかなり面倒ですし、これをしないと古い情報は古いまま放置となってしまい信用を失う原因にもなります。
僕も過去に400本ほど動画を公開していたのですが、アップデートの多いビジネス系の情報発信においてはこれはデメリットにしかならないなと思ってやめ、今は特定の人へ向けての限定公開のみにしています。
③ロイヤリティの消失
ある程度影響力が付いてくると、読者や見込み客は「人物に会う」こと自体に価値を見出してくれるようになるんですね。
もちろん、学ぶ目的もあるんですが、実際に生で会ってみたいという欲求を満たすために、お金を払ってセミナーやトークショーに参加するという人も多いのが実情で。
なので、情報だけではなく対面にも価値を発生させたい人は、「喋っている(動いている)姿」を出すことでそういったロイヤリティのコントロールができなくなるので、事前にロイヤリティの維持の仕方は考えておいた方が良いですね。
音声コンテンツのメリットとデメリット
音声コンテンツのメリットは次の3つです。
①細かいニュアンスが伝わる
②作成の難易度が最も低い
③学習場所を選ばない
①細かいニュアンスが伝わる
音声情報は活字よりもニュアンスを伝えやすいですし、画面に張り付く必要も無いので動画コンテンツよりもインプットの機会を増やしやすいです。
また、あなたが普段ブログなどを書いている場合、音声コンテンツによって話口調を知ってもらうことで、読者は記事を読んでいる時にあなたの声や口調で脳内再生するようになり、親近感や納得感持ってもらいやすくなったりします。
②作成の難易度が最も低い
喋ることがある程度得意であれば、動画に比べて音声は圧倒的に作成しやすいというメリットがあります。
視覚情報がないので、雑音が多い場所でなければ、ICレコーダーやスマホのボイレコアプリで旅行先でもどこでも「録音する→アップロードする」でコンテンツをつくることができますからね。
③学習場所を選ばない
動画コンテンツに比べるとリッチ感は劣りますが、音声コンテンツは学習効率に関しては高い傾向にあります。
動画もスマホなどで見れますが、さすがに歩きスマホで学ぶのは危険ですし効率も悪いですが、移動しながらでも聞ける音声は効率は良いということですね。
続いて、音声コンテンツのデメリットについて。
①生理的にシャットアウトされる
②取り消すことができない
③ブログがバカらしくなる
①生理的にシャットアウトされる
これはVoicyが出始めた頃に実際にあった話なんですが、「〇〇さんの声が気持ち悪くて聴いてられない」と、ある人物がけっこう批判されていたんですね。
良い声である必要は無いんですが、動画と違って音声のみの場合は、視聴者は聴覚だけに集中するわけなので、かなりシビアに声質を判断されます。
で、気持ち悪い声(や喋り方)という印象が付いてしまったら、ブログを読まれるときも漏れなくその声で脳内再生されることになるので、1つの音声コンテンツがきっかけで多くのものを失う可能性もあるということは事前に理解しておいた方が良いです。
②取り消すことができない
何か致命的な間違ったことを発信した場合、音声は基本的にはごまかしようがありません。
もちろん、ブログやTwitterでも魚拓を取られるので基本的なリスクはあまり変わりませんが、画像は改ざんが容易なので嫌がらせの場合もありますからね。
③ブログがバカらしくなる
音声コンテンツの作成に慣れてしまうと、楽すぎてYouTubeやブログをコツコツ作成することがバカらしくなることがあります。
まぁ、YoutbeやブログはSEO対策など配信する目的がまた違うのでやめることは無いとは思いますが、楽に慣れすぎてYoutubやブログの配信が億劫にならないように注意しなければなりません。
テキストコンテンツ
テキストコンテンツのメリットは次の3つです。
①チェックがしやすい
②アップデートが容易
③プリントアウトが可能
①チェックがしやすい
テキストコンテンツの最大のメリットは学習する側のチェックのしやすさですね。
例えば、3分の動画コンテンツや音声コンテンツをテキストに書き起こすと1分もあれば読めるわけですが、このように動画や音声で学ぶよりインプットのスピードを上げられるのは大きいです。
必要な部分だけを抜き出してチェックする場合もテキストは楽ですよね。
②アップデートが容易
音声や動画と逆で、1文字単位でいつでも修正が可能ですよね。
余計なものは削ることができますし、読者から「ここがわかりにくい」「もっと詳しく知りたい」と要望があったものはすぐに追加することができます。
また、それがPDFコンテンツだとしてもWordなどの元データを修正して再度PDFに変換すれば完了するので、情報やノウハウのアップデートがかなり容易です。
プリントアウトが可能
時代はペーパーレスですが、紙の書籍と電子書籍を分けて読んでいる人も多いように、やはりじっくりインプットしたりチェックしたいものは一旦紙ベースにする人は多いです。
これは、一度観たら(聴いたら)終了になってしまう可能性の高い動画コンテンツや音声コンテンツには無いメリットと言えます。
①理解度にムラが出る
②露出の際のインパクトに欠ける
③低価格のイメージが強い
①理解度にムラが出る
物議を醸すようなオピニオン記事であれば良いんですが、しっかりと正しく伝えたいノウハウ記事の場合、説明の仕方にもよりますが、テキスト情報はインプットのペースやフォーカスするポイントが読者次第になってしまうので、理解にムラが出たり誤解やチェック漏れが起こりやすくなったりします。
なので、細かいニュアンスまでキッチリ伝えたい内容の場合は動画コンテンツを活用するのもありですね。
②露出の際のインパクトに欠ける
SNSの広告を見てみるとわかるように、動画コンテンツが多くよく目にも止まります。
テキストコンテンツの場合、よほどインパクトのあるコピーや画像でもないかぎり、なかなかクリックされることはありません。
そういったデメリットを解消するために、露出(広告)は動画コンテンツで行い、そこからブログやLPなどのテキストコンテンツに誘導するといったような施策も必要になってきます。
③低価格のイメージが強い
有料コンテンツとしてPDFなどのテキストベースで販売する場合、リッチ感に欠けるという部分においても価格を低く見積もられがちになります。
なので、学習効率の高さを理解してくれているリピーターには有効かもしれませんが、フロント商品としてnoteなどのテキストコンテンツを販売する場合はコンセプトやターゲッティングを熟考しましょう。
有料コンテンツの販売について
有料コンテンツについてもう少しだけ掘り下げておくと、ここまでの流れからもわかるように、コンテンツを販売をする際は動画コンテンツが最も引きが強いんですね。
音声コンテンツは「印象」の部分で動画コンテンツに劣りますが、リピーターに対するセールスにおいては、販売者の指導そのものに価値を感じてもらっていたりするので、印象よりも学習効率を優先するという選択肢も有効です。
学習効率を高めた方が、更なるリピートを期待できるので。
また、リピーターはインプットについても慣れているので、動画よりも音声やテキストの方がインプットしやすいと分かっている人も多いです。
なので、動画よりも音声やテキストの方が需要は高い場合もあるんですね。
リピーターではなく、新規のお客さんに売るフロント商品においては、動画コンテンツを充実させて満足度を高めるという施策も効果的です。
いずれにせよ、コンテンツに関しては、動画、音声、テキスト、全ての形式でつくれるようになっておくと良いと思います。
ターゲットやニーズ、新規、リピーターに合わせて迅速に対応できるようにするためにも。
ただ、動画コンテンツをつくろうとすると著しく時間がかかってしまったり、それによってセールス頻度や利益が損なわれるという状況になるのであれば、ひとまず音声とテキストに集中という選択はありです。
が、テキストコンテンツだけだとコンテンツとしてはどうしても弱くなってしまうので、単価を上げたいコンテンツに関しては、動画か音声のどちらかをメインにするようにしましょう。
同業者が弱い、コンテンツ販売がされていないという市場であれば、テキストコンテンツだけでもある程度の価格設定にすることはできますが、さらに頭一つ抜けたい人は3つ全ての形式にチャレンジしてみてください。
くれぐれもインフルエンサーや有名な情報発信者が言っているからといって、お客さんの学習効率を無視して情報発信スタイルを急変更しないように。
コンテンツメイク、マーケティング、プロモーション、セールスに付いてさらに詳しく学びたい人は『コンテンツメイクの教科書』もどうぞ。