こんにちは、服部(@FACTDEAL)です。
空港ってなんかワクワクしませんか?
仕事で出張が多い人などはそうでもないかもしれませんが、個人的にはほぼ“遊び”でしか訪れない場所なので、僕は空港に行くだけでワクワクします。
あの、「非日常に足を踏み入れる一歩手前」という感じがたまらないんですね。
好きな女の子と付き合えるという非日常的な出来事が起こる前に、勇気を振り絞って告白する時のドキドキワクワク感に似てるかもしれません。
まぁ、会社員時代も飛行機に乗っての出張もほとんどなく、幼い頃も飛行機に乗って旅行に行くという経験がなかったので、だからこそこの歳になっても「空港」という、何の変哲もない場所を楽しめるわけなんですが。
そういう理由もあって、旅行に行かないときでもたまにフラッと関空や神戸空港に行って、カフェなどでアイデア出しをしたりします。
お金持ちブランディングのために高級ホテルとかラウンジをそういう場所にしている人もいますが、「ワクワクする」など、そこを選ぶ明確な理由がなければお金も時間もムダですからね。
で、「空港」や「アイデア」というワードが出るたびに思い出すのが、おそらく多くの人が読んでいるであろう本、『仕事は楽しいかね?』です。
一般的には「成功本」や「自己啓発本」と捉えられていて、実際にその要素もあります。
まぁ、内容としてはそのホンワカした表紙からは想像もつかないようなキツめの成功法則が語られているので、一般的によくある「成功者をなぞる」ことに疑問を抱いている人にはオススメです。
あらゆる成功本や自己啓発本で「成功の秘訣」として書かれている「目標設定」や「スケジューリング」、「論理的思考」を全否定する内容でもあるので。
で、実はこの本というのは、マーケティングやコンサルティングをライバルと差別化する上でもかなり使える内容になっているんですね。
僕の知る限り、このメソッドを落とし込んで実践しているマーケターやコンサルタントはあまり見たことがありません。
なので、起業という段階を通り過ぎて、
「これからマーケティングをしっかりしていかなければ」
「コンサルティングビジネスを展開していきたい」
と思っている人は、この本の、特に後半部分は何度も読んで落とし込んだ方が良いです。
マジックテープ発明の経緯
せっかくなので、この本に書かれていることがマーケティングやコンサルティングにどう生かせるのかの一例を紹介しておきますね。
マジックテープの話がわかりやすかったのでその部分を抜粋しながらお伝えします。
日常的に使われているマジックテープ(ベルクロ)ですが、これが発明された経緯はわりと有名な話なので知っている人も多いと思います。
一応抜粋しておくとこんな内容です。
ジョルジュ・ド・マエストラルという男が家に向かって森を歩いていた。ついでだけど、これは1940年代にスイスであったことだ。家に着いた彼は、ウールのズボンの裾にオナモミの実がくっついているのに気がついた。払い落とそうとしても無駄なのはわかっている。それで一つひとつ手でむしり取ったが、ふと思った。オナモミは一体どんなふうにして、こんなにしっかりズボンにくっついているのか、とね。
顕微鏡でトゲトゲの実を見てみると、この実は小さな鉤の球だということがわかった。ウールのズボンの生地は糸の輪でできている。つまり実の鉤が、ズボンの糸の輪に引っかかっていたんだ。
ジョルジュ・ド・マエストラルは織物を使って、オナモミの構造の再現に取りかかった。実験には何年もかかったが、ついにオナモミと同じことができるようになった。彼はこの新製品の商標を「Velcro(ベルクロ)」にした。フランス語の二つの単語、“ベルベット”を表す「Velour」と“鉤”を表す「crochet」の第一音節をとってるけた名前だ。
さて、これを読んでどう思いましたか?
これを読んで「あ!そういうことか!」と思った人は、おそらくライバルと差別化できるアイデアを持っているか、もしくは、すでにそのアイデアを実践していて差別化できているんではないですかね。
問題と仲良くする
誰かの「困り事」を解決することによって成り立つのがビジネスであり、その「困り事」、つまり「ニーズ」にフォーカスして集客やプロモーションの仕組みをつくりあげていくのがマーケティングです。
コンサルタントも一般的には「問題解決業」なので、同じことが言えますね。
が、上記のマジックテープの話でいくと、「スボンの裾にくっつくオナモミ」という問題に対して「ズボンの裾にくっついたオナモミを簡単に取る」や「ズボンの裾にオナモミがくっつかないようにする」という解決をしていないんですね。
これがどういう意味かというと、
改善、修正、克服、潰滅といった方法で解決することだけが問題の対処法ではないということです。
問題を解決せずに「問題と仲良くなる」という対処法もあるということですね。
ストレスを与えているものがあったとしたら、それを潰すことだけを考えるのではなく、そのストレスの原因となっているものを活用できないかを考えようということです。
マジックテープの話でいくと、もしあなたが同じ時代に同じ場面に出くわした時に、「ウールのズボンを履かないようにする」で終わらせていたか、それとも「どういう仕組みでこんなにくっつくんだ」と興味を持っていたか、ですね。
あなたならどうしていたでしょうか?
ストレスをコンテンツに変える
現代の例でいくと、例えば、会社で上司に何かしらのストレスを感じているとしましょう。
解決方法はいろいろあります。
・会社を辞める
・上司に直談判する
・上司のさらに上司に相談する
・パワハラとして訴える
・自分のメンタルを強化する
などなどが一般的な対処法でしょう。
当然ですが、上司に対する感情と問題を混同して解決をしようとすると、まず上記のような対処法しか出てきません。
が、いったん感情を排除して、問題だけにフォーカスをすると、
なぜ上司にストレスを感じるのか?
↓
指示の出し方や伝え方にクセがある
↓
他の部下からも信頼を得られていない
↓
この上司が信頼を取り戻すためには?
といったように、感情的になっていた時とは違う視点で考えることができますよね。
そうなると、
「もしかしたら、この上司は部下から信頼を得たいけど舐められるのが怖くてエラそうにしているのかもしれない。であれば、舐められずに部下から愛される方法を教えてあげれば良いんではないか?」
と、発想の転換ができ、そういったコンテンツをつくったり、ブログを書いたりすることで多くの人の役に立ち、しかも、マネタイズにつながるかもしれないわけです。
結果的に、副業での収益が増え、退職でき、自身もストレスから解放されることになりますし、逆にもっとノウハウやコンテンツを増やすために職人根性が目覚め、上司とのやりとりが楽しくなるかもしれません。
儲かれば何でも良いというわけではないですが、自分が経験していることが誰かの役に立ったりお金に換わったりすることで、今までストレスだったものが研究材料に変わる人というのも一定数いますからね。
ほら、上司とのやりとりにストレスを感じていても、同僚や部下からの羨望やお客さんから感謝の声があればがんばれたりするじゃないですか。
少なくとも僕はそうでしたけどね。
勤めていた歴代の会社はなかなかのブラック企業でしたが、ブラックなのはあくまで上であって下やお客さんではないですから、常に「上司をどう利用してやろうか」と楽しんでました。
問題と仲良くできない人
こういった「問題と仲良くする」という視点や考え方を持っているコンサルタントは意外と少ないんですね。
だからこそ、たくさんいるマーケティングコンサルタントの中から僕を選んでいただける理由がそこにあったりするんですが。
もちろん、コンサルタントとして問題発見や問題解決には努めるんですが、その問題と仲良くすることで誰かの役に立ったりマネタイズにつながったりするのであれば、
「そこまでストレスじゃないのであれば、逆に上手く活用してみてはどうですか?」
と、あえて「問題を解決しない提案」をすることはザラです。
あくまで僕がコンサルタントとして活動する上で大事にしている視点であり考え方なので、問題に対する好奇心よりも「問題解決をしなければ」という責任感や「許せない」という感情がグイグイ前に出てしまう人には「問題と仲良くする」は向かないと思います。
ただ、ビジネスを進めていく上で、問題をクリエイティブに転換するという方法があるということは知っておいて損はないです。
その他のマーケティング、コンサルティングのアプローチに興味がある人は『仕事は楽しいかね?』を参考にしてみてください。
いろんな切り口が得られるので、自分のオリジナリティを持つきっかけになるかもしれませんよ。