マーケティング

マーケティング視点で見る「スマホ依存」と「収入不安」という少子化要素

こんにちは、服部(@marketing_factdeal)です。

こういった投稿をしたところ、少子化の理由として、スマホの普及や収入の問題といったコメントをしてくれた方がいたので、その辺りについて、(たまにはマジメな)マーケティング視点で話そうかなと。

投稿者: @marketing_factdeal
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ちなみに、僕の基本的なスタンスとしては、子どもにとって良い未来が用意されていてほしいとは思いますが、人口を増やすということに賛成も反対もありません。

地球の存続という観点で見れば、人口が減った方が良いに決まっていますしね(環境問題の活動家でもありませんw)
 

それは一旦置いておいて。

少子化問題は、日本や多くの先進国で深刻な課題とされているというのは紛れもない事実で、人口減少が経済に与える影響は計り知れませんし、少子化の原因と対策はさまざまな議論がなされているわけです。

なので、少子化の一因として考えられる「スマホや娯楽の普及」と「収入問題」に加え、それらに関わるマーケティングの視点も取り入れて考察していきます。

スマホの普及とデジタルエンターテインメン

まずは、コメントにもあったスマホ普及、デジタル社会化の問題から。

「時間消費型マーケティング」の進展

スマホの普及は、僕たちの生活を大きく変えただけでなく、マーケティングそのもののスタイルも根本的に変えました。

SNSをはじめ、動画配信サービス、ゲームアプリ、マッチングアプリなど、スマホを通じて個人の時間やお金、感情を効率的に消費させるモデルが定着していますよね。

この「時間消費型」マーケティングは、ユーザーの視聴時間やゲームプレイ時間を稼ぐために常にアップデートが施され、ユーザーが飽きずに、そしてゴールも存在しないまま利用し続けられるような工夫が凝らされているわけです。

出会いの価値観を変えたSNS

SNSをはじめとするスマホコンテンツが普及した結果、対面での人間関係における出会いの価値観も変わりつつありますよね。

これまでのように、日常で積極的に人と接する機会が少なくなる一方で、SNSでの「手軽な接触」が増加しました(コロナなどのパンデミックの原因も大いにあり)。

このため、恋愛や結婚を意識するよりも、自分だけで完結するデジタルエンターテインメントを楽しむ選択肢が多くなっているというのは言うまでもなく。

これは、マーケティングとしては、ユーザーの感情や関心を維持しつつ時間を奪うことで、リテンション(顧客維持)を図る構造が、少子化に影響を及ぼしていると考えられます。

収入問題と経済的不安

次に、収入問題と経済的不安について。

若年層向けの「低コスト生活マーケティング」の普及

収入の低迷や不安定な雇用環境が、少子化の要因として挙げる人は多いです。

国や企業に頼らず、自分自身の収入を上げれば問題ない話ではあるんですが、多くの人がそれができずに苦しんでいるという状況は否めません。

で、なぜ「収入を上げる」とう思考や行動にシフトできないのかと言うと、特に若年層に向けては、「低コスト生活」を実現できる商品やサービスが多く提供されるようになったからです。

たとえば、サブスクリプションサービスやシェアリングエコノミーの普及により、生活費を抑えつつ多くのサービスや商品にアクセスできる環境が整っていますよね。

「安心を提供するマーケティング」が少ない

しかし、収入に不安を抱える層に向けたサポートや、安心感を提供するマーケティングが不可欠にもかかわらず、家族を持つことや将来に対する安心感を与えるマーケティングは、あまり多くありません。

逆に、不安や恐怖を煽るマーケティングが増殖している傾向もあるわけですが、これは前述の流れから、商品やサービスが売れなくなっている企業や個人が増えてきているからです。

収入の不安定さから、将来の計画に慎重な若年層に向けた「ファミリー向け安心パッケージ」や、国や企業の「子育て支援」に関するアプローチが不足していて、これが結婚や出産の先送りにつながっています。

昨今では「産み控え」という、なんとも気持ち悪いキーワードも出ていましたよね。

スマホによる消費の変化と家族形成の価値観の変化

こういった流れというのは、家族形成や価値観にも大きな影響を与えていきます。

個人消費の拡大とマーケティングのターゲットシフト

スマホ普及がもたらした消費行動の変化により、特に独身層の個人消費が増えています。

マーケティングもこの傾向を捉え、ファッションやエンターテインメント、旅行といった「自分のためにお金を使う」商品のターゲティングにシフトしているのは、多くの人が肌感覚で感じていると思うんですね。

一方で、「家族や子どもと一緒に楽しむ」ための商品やサービスの訴求は減少傾向にあり、個人主義的なライフスタイルが支持されやすい構図となっています。

もっと言うと、高単価で収益性の高い、(貯金を貯め込んでいる)高齢者に向けた商品やサービスに目を向けている企業も多いですし、今後も増えていくでしょう。

「体験マーケティング」が促す自己投資志向

また、体験を重視するマーケティング手法が注目されています。

特に、個人の自己投資や自己成長を重視する若者に向けたマーケティングが盛んで、自己成長やスキルアップ、趣味への投資を後押しする広告が増えています。

これにより、限られた収入の中で自己投資に注力し、家族や子どもにお金や時間を割く価値が見えにくくなっている現状があります。

自己投資ならまだ良いものの、何もスキルを持たない者への起業の斡旋や、スピリチュアルや占い、宗教といったものに大金を支払ってしまう人も少なくありません。

不安マーケティングの蔓延は現代の闇ですね。

マーケティング視点から見た少子化対策の可能性

と、ここで終わってしまっては夢も希望もないので、対策というか僕の考えを少し。

新たなライフスタイルの提案と「家族志向マーケティング」

少子化対策の観点からは、収入問題の不安を和らげることに加えて、家族形成を前向きに考えられるような「家族志向」のマーケティングが求められます。

例えば、ファミリープランを充実させたサブスクリプション型の住宅支援、出産や育児にかかる費用を軽減するファイナンスプランの提供など、マーケティングの力で「家族を持つことの価値」を高める取り組みが必要かなと。

あるいは、家族だからこそ楽しめる場所や優遇される場所など、次の話もつながりますが、オンラインではなくオフラインで、そういった空間やイベントを増やしていくことも必要です。

デジタルデトックスの啓発とリアルな人間関係の価値

また、コメントにもあったように、デジタルの影響を抑えるため、リアルな人間関係の重要性を訴求するマーケティングも有効ですね。

特に若年層に向けて、スマホやSNSでの交流に依存しすぎず、リアルでの体験や人間関係を重視するライフスタイルの価値を啓発することで、「家族形成」という選択肢を増やすことが可能になっていくのではないかと。

結婚や子どもを持つことは自由

少子化の原因は、スマホ普及による娯楽の多様化や収入の不安が絡み合い、個人主義的な消費行動と自己投資の価値観が強まっていることにあります。

マーケティングの観点から見れば、個人消費を促進することが少子化を後押ししている一方で、家族を形成することの魅力や安心感を伝えるマーケティングが不足している現状です。

家族志向のサービスや支援策の充実、さらにはデジタルとリアルのバランスを取ったライフスタイルの提案が、今後の少子化対策において重要な役割を果たすと言えますね。
 

とまぁ、ここまで書いておいてなんですが、最初にも言った通り、僕は人口が増えようが減ろうがどっちでも良いです。

僕自身、結婚し、子どもを持ち、最高だと感じているので、個人としてはそれを推奨しますが、結婚に興味がない人、子どもが嫌いな人にそれを押し付ける気は毛頭ありません。
 

むしろ、中途半端な国からのサポートに期待し、軽い気持ちで結婚し、無計画に子どもを作り、収入やスマホの問題で家庭が荒み、子どもが虐待されたり、それ以上の酷い状況になる人が増えるのであれば、少子化で全然OKです。

デジタル依存し、マッチングアプリで出会い、お互いのことをよく知らないまま結婚すれば、そうなってしまう可能性が高まるのは目に見えているわけで。

投稿者: @marketing_factdeal
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結婚し、子どもを持つ以上、良い家族を形成する努力は個々で必要ですし、自然な出会いから恋愛、結婚、出産、子育てに至るまで、何の不安もなく進んでいける国であることを求めますし、マーケティングという観点でもそういったことを推進していきたいとな考えている次第です。

それは冒頭のThreadsに書いた通りですね。


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