セールスレター

コピーライティング

狭く深く刺さるセールスレターを書くための10のステップ

セールスレターの書き方について質問されることは多いですが、その中でも「あんなに長くガッツリ書けない」みたいなことを言われるんですね。

ただ、ジャンルやカテゴリーにもよるんですが、長ったらしいのはビジネス系の情報商材のレターくらいで、ものによってはA4用紙1枚くらいでも伝えるべきことが伝えられていれば長くなくても全く問題ありません。

とはいえ、セールスレターを書くこと自体が緻密なリサーチになるので、まずはガッツリ書いて、引き算していくという流れがベストです。

全部絞り出してから引き算していくという感じですね

今回は、セールスレターの基本的な流れと書き方を解説するので、まずはリサーチがてらガッツリ書き込み、その中から見込み客が特に知りたいことだけに絞り込んでいってください。

構成自体は物販にも使える内容でもありますが、基本的な書き方などはコンテンツなどの無形サービス向けだと思っていただければ。

STEP1:ヘッドコピー

ヘッドコピーというのは

ターゲットの提示
オファー

の2段階構成が定型になります。

どんなことで困っている人(ターゲットに)に、どんな解決策を提案するのか(オファー)ということですね。

で、オファーの部分はコンセプトの肝となる部分でもある「デメリットの排除 (プロセス)+ 目標の実現(目的地)」で構成します。

ベタにそのまま書くと

〇〇で悩んでいる人へ、△△をせずに□□になる方法を教えます!

みたいな感じですね。

これらを含んでいれば言い回しは変えてもOK、というかベタに走ると胡散臭くなるので、そうなってしまわないように、コンセプトや肝心な部分は外さないようにワードを変えたり順序を変えたりというふうに編集します。

例えば、「〇〇な人が□□になるのに△△は必要ありません」と少し入れ替えて言い回しを変えるだけでも印象はガラッと変わります。

STEP2:ベネフィットの箇条書き

具体的なベネフィットを7〜10項目程度の箇条書きで示します。

ここでやってしまいがちなのが、ベネフィットではなくサービスの特徴や商品の機能的なメリットばかりを伝えてしまうことです。

見込み客が「楽」や「得」と感じる、未来にそういったことが得られるというのがベネフィットになるので、それらを具体的に提示しなければなりません。

で、できるだけ次元が被らないようにしつつも、様々な切り口でベネフィットを提示するようにしましょう。

例えば、ダイエットによって得られるベネフィットとしては

A:仕事のパフォーマンスが上がる
B:異性にモテる
C:健康状態が良くなる

という大枠で考えつつ、例えばAの「仕事のパフォーマンスが上がる」ことによってどうなるかということまで掘り下げていきます。

A-1:信頼度が上がり昇給しやすくなる
A-2:副業に取り組む余裕ができる

といった感じで、よりイメージしやすいように掘り下げていくということですね。

STEP3:挨拶

レターの導入として、簡単な挨拶を入れるわけですが、自分語りやヒーローストーリーが過ぎるなど、あまりくどくならないようにします。

ここで軽く実績提示をしても良いんですが、マストではないですし、ボリュームが大きくなってしまう場合は別枠で箇条書きで書いてしまっても良いでしょう。

また、関係性がすでにできているお客さん、例えばリピーター、場合によってはリストに対して書く場合は、すでに見込み客が販売者のことを知っているので、ダラダラ書くことはせず、むしろ大事なポイント以外は省略する方がテンポを落とさずに読んでもらえます。

販売者や生産者の顔が重要になる場合は、あれこれ情報を詰め込むよりも、人となりがわかるような内容にすると良いです。

STEP4:問題提起

問題の解決、または目標の実現をジャマしている要因を提示するわけですが、これから案内する商品(サービス)は

その要因を克服できる
あなたの問題を解決できる
目標を実現させられる

ということを示す流れで、しかもそれを一般論として語ることで見込み客に了承してもらいやすくなります。

一般論として語るというのはどういうことかというと「これは特別なことではなく、誰しもがそうなので」というふうに、それを読んだ人が「だよね」「わかってるよ」と共感できるように伝えるということです。

ただ「問題はあなたの中にある」と言ってしまうと、それ以上でもそれ以下でもなくなってしまうので、ここでは矢印を内に向けず外に向けるようにします。

つまり、自己責任ではなくこの世の中に原因があるということを先に伝えるということですね。

まぁ、実際は起こっている問題のほとんどの原因はその人自身にあるんですが…。

STEP5:見込み客自身の問題化

一般論として問題点を理解してもらった後で、見込み客自身の問題として認識してもらうようにシフトしていきします。

そのためには、個別の具体的な事例に落とし込むようにします。

つまり、ターゲットの境遇に合わせて一般的な問題点をできるだけ複数の切り口で具体化し、その上で「その中でもこれに関しては、あなた自身に問題があることが考えられます」というふうに伝えるということですね。

国や社会のせい、あるいは会社や上司のせいにするなど、外的要因を敵に設定する方が共感は得やすいんですが、それだけで満足してしまうと行動する理由がなくなるので「ここだけはあなた自身ががんばらなければなりません」「ここさえがんばればあとは上手くいきます」ということをしっかり伝えましょう。

STEP6:問題の解決策

よく概要すらも隠してあるセールスレターがありますが、あれは論外で、可能な限り解決策とその方法を伝え切ってしまいます。

全部書いてしまうと売れないんじゃないかと考える人も多いと思いますが、それは杞憂で、書けることはできるだけ書いてしまった方が信用度は上がるので、結果的にコンバージョンの向上につながります。

セールスレターに書いてある内容自体が何かしらの役に立つ、勉強になるということが重要だということですね。

そうすることで、仮に今回のオファーで購入につながらなかったとしても「あの人のセールスレターは読むだけでも勉強になる」という印象を残せるので、次に案内したときも読んでくれますし、その際にニーズが合致すれば購入につながる可能性が高まります。

その上で

解決策として商品の提示
商品のベネフィット

というふうに、解決する方法を先に公開し、より具体的な実践手順や進め方は有料でお伝えしますというカタチを取るということですね。

つまり、この記事でも書いたようにノウハウの概要はレター内で全て明かしてしまい、売るのはあくまで細かいハウツー部分だということです。

STEP7:理想の未来像

ここまでもベネフィットに関しての話している通り、マーケティングの定説は「見込み客が欲しいものは商品ではなく、その商品を使った結果得られる状態」なので、レター上でも理想の未来像を示しておく必要があります。

当然、ここでも1つの未来ではなく、

Aという人はBになります
Cという人はDになります
Eという人はFになります

という感じで、できるだけ多くのパターンの現状と未来を提示するようにしましょう。

ちなみに、同じ「未来」を考えてもらうアプローチとして「最悪の未来像」を提示するという方法がありますが、いわゆる「恐怖煽り」になってしまう可能性が高いので、あまりオススメはしません。

取り扱いが難しく、場合によっては一気に信用を失ってしまう可能性があるので。

もし伝える場合は「このままで良いんですか?」「こうなってしまいますよ」といったような恐怖を植え付けるのではなく、例えば「これはあまりよろしくないので」「こうなるとちょっと困らないですか」くらいのライトな感じで伝えるのがベターです。

危機感のレベルに関しては見込み客自身に考えてもらえば良いので。

STEP8:商品内容

コンテンツであれば指導の範囲やカリキュラムの内容、また、コンサルなどであれば提供するサービスの内容(条件や契約期間なども含む)を提示します。

ここまで読んでもらっているということはかなり興味を持ってもらえているはずなので、ライバルの商品と比較してもそれほど凝った内容にする必要はありませんが、ベネフィットを複数伝えるという点は徹底するようにしましょう。

解決される問題点やどんなベネフィットを得られるのかをカリキュラムやサービスという形で伝えるということですね。

ちなみに、内容を全部説明するのが面倒臭いのか「…etc」と表現する人がいますが、見えない部分があると見込み客は不安になるので、サボらずに書けることは全て書くようにしてください。

また、場合によっては他社との比較表などがあった方が良い場合もありますが、これに関してはメリットとデメリットがあるので注意が必要です。

比較表を書くことでわかりやすくはなりますが、一方でこのアプローチはベネフィットではなくボリュームや価格で勝負を仕掛けることにもなるので、見込み客は「より充実した商品はないか」と新たに探し始めるんですね。

なので、そういった勝負を仕掛けても、商品やサービスの構成の網羅性においても金銭面においても勝てるという前提がない場合は、あくまでベネフィットや販売者の印象で勝負することをオススメします。

決め手が「この人から買いたい」に勝るものはないですからね。

STEP9:価格の提示

価格の提示を行う際は、目標利益から逆算することはもちろんですが「これくらい貰わなければやってられない」という価格をストレートに伝えるようにしましょう。

ただし、適当に価格を吊り上げても説得力がないので、それなりの価格に設定するのであればその根拠をしっかりと説明しなければなりませんし、その価格に見合うクオリティを追求していかなければなりません。

例えば「〇〇なので△△円という価格で提供させていただきます」という感じでちゃんと価格の妥当性や根拠を示すということですね。 

商品のコンセプトや提供内容がなかなか言語化できない場合は、価格を先に決めてから、そのために「どんなコンセプトにするか」「どんな内容にするか」と考えるのも全然ありですし、その方がスムーズな場合も多いです。

コンセプトが決まらないとセールスレターもなかなか書き進められないので、手が止まっている人は「いくら稼ぎたいのか」を一度起点にしてみてください。

STEP10:特典

ステップ9までで伝えるべきことは網羅できているので、ここからはプラスα、つまり「書くことができればなお良し」だと考えていただければ。

まず特典なんですが、特典を提示することで割安感を与えることができます。

が、本サービスやカリキュラムと関連性の低い特典やプレゼントをつけても意味がないということは理解しておきましょう。

例えば、セミナーという商品の特典として「セミナー後の懇親会で美味しいお肉をご馳走します」ならギリわかりますが「セミナーを受けにてくれた人にシャインマスカットをプレゼントします」となると意味がわからないですよね。

大げさに言いましたが、関連性の薄い特典をつけるというのはけっこうやってしまいがちなので注意しましょう。

また、特典の考え方として、特典のために新たに商品やサービスの内容を追加で考えるのではなく、メイン商品の中から切り出して特典にするようにしましょう。

あくまで特典なのに、そのために労力が増えて非効率にならないように。

ただ、ショボい商品から特典を切り取るのはかなりイケてないので、価格のステップでもお伝えしたように、商品のクオリティを「これくらい貰わなければやってられない」というレベルまで持っていき、あくまでそこから切り取るというとです、

STEP11:リスクリバーサル

人は常に「損したくない」と考えるものなので、購入するリスクがないということが分かれば購入に至りやすくなります。

わかりやすいリスクリバーサルは返金保証ですが、ターゲッティングによっては民度の低い客層ばかりを集めてしまうことになるので、返金保証の有無は慎重に検討するようにしてください。

多少、民度の低い客層が寄ってきても良いので返金保証をつけて数を売る戦略に出るのか、返金保証はつけずに民度の高い少数精鋭に売る戦略に出るのか、ですね。

最終の利益額が変わらないのであれば、他責マインド全開の前者を集めるより、何事も自己責任と考える後者の方が販売後もクレーム対応などが発生しにくいので、それ以降の展開もスムーズであることは言うまでもなく。

これは前項の特典に関しても同じで、本来の目的と違う部分のメリットを感じている層を取り込むと、後々面倒くさくなるので注意してください。

STEP12:人数の限定

これはリアル店舗のバーゲンセールと同じですね。

販売数の限定
販売期日の限定

をしっかりと提示します。

ただ、限定が煽りのように感じられ、嫌悪感を抱く人も多い(賢い人ほど扇動手法であることを見抜く)ので、ターゲットによっては軽めのアプローチに留めておくことも必要です。

結局、煽りに乗せられる人は理屈ではなくその場のノリや感情で買ってしまうので、後から「なぜこの商品を買ってしまったのだろう」となり、商品が良い悪い関係無く返金請求をしてくる可能性があるので、コンバージョンは明らかに下がりますが、あえて限定しないという選択肢もありだということですね。

STEP13:スクリーニング

関わりたくない属性や利用条件に満たしていない人に買わせないようにし、クレームやレベルの低い質問への対応コストを減らします。

流れの中で文章で伝えても良いですし、箇条書きやQ&Aで

こういう人は買わないでください
こういう人は成果を出せません
こういう人は他に行ってください

と書いてしまうという方法もあります。

ただ、あまりスクリーニングが強すぎると横柄な販売者だと思われてしまい、総スカンを食らって一気にコンバージョンは落ちるので、特に新規客を相手にセールスをする場合は慎重にいきましょう。

スクリーニングを強めたい場合は「なぜ〇〇人に買ってほしくないのか」という理由をしっかりと説明することを怠らないように。

そういった説明をしっかりすることで「いやそれでも自分にはこの商品を手に取る資格がある」というふうに、覚悟を持った人がけが購入してくれるようになります。

STEP14:申込みリンク

ここまでで一通りの情報やメッセージを全て伝えた後で、決済ページや決済フォームに飛ぶリンクを設置します。


画像効果やデザインで購入させるわけではないので、そこまでデザインに凝る必要はありませんが、リンクはわかりやすく、かつ目立つように設置
します。

また、リンクの直前には商品名や価格、簡単なサービス内容を記載しておくようにしましょう。

そうすることで、「あれ、どうだったっけ?」という見込み客が画面をスクロールする手間が省けますからね。

ちなみに、最初の方にもリンクやボタンを設置するパターンがほとんどが、あれは思考停止ですぐ購入させるためのものではなく、全て読み終えて最初に戻った際にもスムーズに購入できるように、というものです。

STEP15:Q&A

Q&Aというのは、単に寄せられた質問に答えるパートではありません。

事前に伝えておきたいことや確認事項を、客観的な視点も挟みながら知らせるステップであるということは理解しておきましょう。

スクリーニングや機械的な業務連絡の他にも、商品コンセプトの再アピールもできる場であるということですね。

こういう人には喜ばれています
こういう人は購入しても大丈夫です
こういう人はご遠慮ください

といったことをしっかりとした理由とともに伝えることで、コンセプトを理解してもらう切り口が増え、コンセプトや商品内容がさらにしっかりと伝わりますし、疑問や懸念が払拭され安心感も増すということです。

STEP16:追伸

記事のタイトルに「10のステップ」と買いておきながら9しかないやんとおもわえれたかもしれませんが、実はこれが10ステップ目なんです。

一般的にはマストではないんですが個人的にはこの追伸というステップはマストで、要するに最後に記載するダメ押しのメッセージですね。

基本的に「想い」を伝えることに終始してもらえれば良いんですが、ここまで読んでもらっても行動できない理由をピックアップして、それらを潰すメッセージを伝えることができればなお良しです。

単に売り込むための営業トークではなく、ここでもメッセージの中に具体的なノウハウを含めることで「なるほど、そういうことなら…」と販売者の実力の確かさも感じてもらえます。

難しい場合は、商品に込めたビジョンを語る形でもOKです。

最後の最後で煽りまくる人がいますが、その煽りで動かされる人は情報弱者だけなので、良いお客さんだけを集めて“狭くて深い”商売をしたいのであれば完全に逆効果ですね。

賢い人から見れば、ヨダレを垂らしている気持ち悪い人にしか見えないので。

STEP17:申込みリンク

レターの最後は必ず申し込みリンクで終わるようにします。

最後までレターを読んだあとにリンクがないと、どこか途中か最初に戻ってリンクを探さなければなりませんからね。

コンバージョンを下げる原因になるので、スムーズに決済に進めるよう追伸に続けて申し込みリンクを設置しておくようにしましょう。

商品が良いのは当たり前

ということで、あまり詰め込み過ぎてもと思って、大事な部分だけを解説しましたが、より詳しく知りたい部分に関してはTwitter(@FACTDEAL)で質問していただければ。

セールスレターの機能として必要なステップもありますが、ほとんどのステップが、お客さんのニーズや自分の商品を客観視し言語化するための重要な内容になっています。

つまり、リサーチの上で大事な要素になるということですね。

単純にセールスレターを書くという目的以外に、商品企画や商品設計、ビジネスモデルの確認という意識を持って一度書いてみると良いと思います。

マーケティングはあくまで実戦で学ぶものですが、座学でマーケティングの知識を学ぶ最も効率的な方法は、セールスレターを一つ書き切ることだと言っても過言ではありませんからね。

忘れてはいけないのは、何よりも大事なのは商品力であり、それを知ってもらうためのマーケティング活動やターゲットに対してのブランディングが上手くいっていれば、ぶっちゃけセールスレターなんて書かなくても売れてしまうということです。

セールスレターは、石ころをダイヤモンドに見せるためのものではなく、あくまで普段の情報発信で伝えきれていない商品の魅力を100%伝えるためのものだということですね。

商品企画や商品設計の具体的な方法に関してはこちらのコンテンツが役に立つので、セールスレターの作成と並行してコンテンツメイクにも取り組んでいってください。




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