去年の年末から運営を開始したYouTubeが伸びてきまして(本日時点ではまだ5本しかアップしていないんですが、初動としては悪くないかなと)。
で、もうちょっとペースを上げていきたいんで、これからメンバーとして手伝ってくれる動画編集者を先日Twitterで募集したんですね。
動画編集者を募集しております。
YouTubeの新チャンネルの調子が良いので、そのチャンネルの編集をまるっと任せたいなと。
そんな高いスキルは求めてない(編集スキルよりもむしろ笑いのスキルや人間性の方が重要w)けど、サムネも作れるとなお◎
我こそはという人はDMくださいな。#拡散希望
— ハットリシンヤ|狭くて深いマーケティング (@FACTDEAL) February 10, 2022
そうしたら、たくさんの人にリツートしていただいたおかげで、けっこうな数(30件くらい)の応募メッセージが来ました。
ただ、そのほとんどのメッセージが「もったいないな」というもので、悪く言えば「本気で仕事取る気あるのかな」という内容だったんですね。
ぶっちゃけ「この人にお願いしたいな」と印象が強く残ったのは2人だけでした。
動画編集者をターゲットにしたコンサルやコンテンツはよく見かけ見かけますし、その中に「営業ノウハウ」もあるみたいなんですが、ホンマにちゃんと教えてんのかなって思います。
ということで、せっかくなので僕(依頼者)がどんな視点で選考するのかというのを残しておこうかなと思います。
30人が応募し仕事を勝ち取るのは1〜2人なわけですが、採用される人と採用されない人、その違いは何なのかについて書き残しておくので、動画編集者に限らず何かしらの案件に応募して仕事を得ようと思っている人は参考にしていただければ。
やはり仕事が取れる人は、考えていることも見ている視点も次元が違うんですよね。
もちろん、僕の個人的な希望も含まれますが、応募者のマーケティング能力を含め、わりと厳しめに見ているので、ここを押さえておけば大体勝ち取れるようになると思います。
① 形式的な部分について
まずは当たり前の部分から、つまりこれは最低限というところからですが、ほとんどの人は「いや、そんなの当たり前だよね」と鼻で笑う内容だと思うので、ザーッと。
1.素性がはっきりしている
アカウントのアイコンが実物であり、アカウント名はニックネームであってもDMではちゃんと姓名を名乗れること。
最初の段階で離脱の確率を少しでも下げたいのであれば、アカウント名もニックネームではなく本名であることが理想ですね。
今回は、募集についての記事を書こうと思ったので全てのDMを開いて返信しましたが、普段は仕事依頼関係のDMでアイコンが実物ではないアカウントはまず開きもしません。
2.ビジネス情報が存在している
会社や個人事業主としての情報(住所、電話番号、メールアドレス)が明示されていること。
金銭が発生する関係で、ビジネス情報がなく連絡手段がDMのみというのはあり得ないので「DMでやりとりさせてください」とかはその時点でアウトですね。
Twitterでは、支払いもなく逃げられたとかブロックされたとかたまに見ますが、何でそんなことが起こるのか不思議でしょうがないですw
3.依頼者をフォローしている
応募してくる時点で依頼者のアカウントをフォローしていること。
まぁこれは心象を良くするというか「私はあなたに興味があります」「これからあなたのことを知ろうとしています」という、一番簡単な意思表示ですね。
逆に、DMを送ってくるだけでフォローもしてこない人は「案件が目に入ったら無差別にテンプレを送りつけている人なんだな」と判断します。
4.DMのやり取りは自分側で終わる
礼儀というかメールマナーですね。
たまにこちらが返信してからの「了解しました」等の返信がないとか、イイネで終わらせる人がいますが、論外なのは言うまでもなく。
たまに「了解しました」じゃなくて「かしこまりました」でしょ的な指導をする人を見かけますが、そんなものはコミュニケーションやマナーの本質ではありません。
5.スキルがあるのは当たり前
スキルは最優先事項ではないですが、スキルがあるのは当たり前です。
これに関してはツイートに書いたので、そちらを参考にしていただければと思うんですが、お金をもらう時点でプロなんだから「やる気は誰にも負けません!」みたいな仕事を舐めたこと言うなよって話です。
今持っているスキルに自信がないなという人は、何らかのサポートも活用してみても良いかもしれませんね。
② 依頼者の要望へのアンサー
前項までは当たり前の内容として、ここからが大事なことであり、仕事を勝ち取れるかどうかの決め手となる「マーケティング思考」になります。
例えば、ツイートの中で僕は「編集スキルよりもむしろ笑いのスキルや人間性の方が重要」とわざわざ書いているにもかかわらず、そこに触れない人がほとんどでした。
誰にでも送っているであろうテンプレポートフォリオを貼り付けて「私はこれができます」とアピールし、その前後にちょろっと文言を足しただけみたいな。
残念ですが、これでは仕事は取れないですよね。
ソフトは何が使えるとか、今までどんな案件の編集をしてきたとか、普段は何の編集が得意だとか、ぶっちゃけどうでも良いんですよね。
僕が重要だと言っているのは、お笑いのセンスはあるか、人間性はどうかだけですから、それに対して渾身のアンサーをくれれば良いだけです。
こちらが見たいのはエンタメ系の事例だけですし、それプラス今回のためだけにユーモアのある自己紹介動画を作って「これを見てください」とすれば、お笑いのセンスも人となりも最も端的に伝わるわけですから。
こういった機転を効かせられる人は強いですね。
③ メリットと共感を伝える
一緒に仕事をすることでどんな良いことがあるのか、その理由はどんなスタンスで仕事をしているからなのか、これを伝えないとダメです。
言ってしまえば、仕事をする上で大事にしている信念や価値観ですよね。
それと、なぜ応募しようと思ったのか、なぜ一緒に仕事をしたいと思ったのか、つまり何に賛同したのか、何に魅力を感じたのか、何に共感したのかといった部分です。
例えば「私がいつも心がけているのは、クライアントの業界のことも勉強し、知ったかぶりや感覚で編集しないことです」とかあれば、めちゃくちゃ信用度は上がりますよね。
それだけでも「この人はただの作業ではなく、ビジネスパートナーという視点で仕事をしてくれる人なんだ」と思えますから。
共感部分に関して言うと、ビジネスの部分だけも良いんですが、ライフスタイルへの共感があるとなお良いですね。
例えば、僕は家族との時間を大事にしているしクライアントにも大事にしてほしいと思っているので、そんな僕に対して「レスは早いです!」とか「いつでも修正します!」とか、見るからに奴隷みたいな働き方をアピールするのは逆効果なわけでw
それよりも「家族との時間を大事にしているので日曜日は対応できません」とか「レスは24時間猶予をください」とか、家族優先スタイルを具体的に示してもらえる方がウレシイんですね。
④ 接点を作る、絡む
応募してくれたあと、DMを送ってそれっきりという人もいれば、Twitterでイイネを押してくれたり、RTをしてくれたり、コメントをしてくれたりと積極的に絡んでくれる人もいます。
忖度でそういったことをする必要は全くないんですが(業務的なものはバレますしね)、事前に依頼者がどんな人なのかを把握しておくためにもやった方が良いですよね。
興味を持てない人とか尊敬できな人とは仕事なんてしたくないじゃないですか。
普段の絡みがあると、それこそ共通点を見つけられたり共感部分が見つかったりするので、そういった部分で精神的なつながりができて、そして最低限のスキルがあれば「もうこの人にしよう」って決まっちゃいます。
やはり最終的には人と人なので。
もちろん、外注をただの駒と考えている人も多いですし、そういう人と仕事をしたいのでれば、テンプレポートフォリオだけ無差別に送り続ければ良いと思うんですが、逆にそういったアプローチを続けている限り「外注」の域を出ません。
そういう依頼主にとって外注先は「つなぎ」でしかなく、いつ切られるかわからない駒であり「パートナー」という関係にはなれないということです。
⑤ 発信の重要性
今回応募してくれた人のほとんどが、ブログもなく、YouTubeもなく、Twitterに関しても「全然ツイートしてないんですよ」という感じでした。
だからこそ、仕事に対する信念やライフスタイル、大事にしている価値観などをブログに書いているだけで勝てるし、そういったことを日々ツイートしている人はすぐに信用を得られます。
普段から発信しておくことがいかに重要かということですね。
何をつぶやけば良いかわからないという人は多いですが、運動が好きなら運動のことをつぶやけば良いし、筋トレが好きなら筋トレをことをつぶやけば良いんです。
健康に気をつけている人ということも、仕事を依頼する上で信用できる要素の一つになります。
料理が好きなら料理のツイートをすれば、それは器用であることや頭の良いこと、趣味があるということは精神的にも安定してるということなどのアピールになりますから。
ポートフォリオを作ってテンプレの営業文作って、案件を見つけたら送りつけとけばどれか当たるだろうといったスタイルの人は、ぜひ考え直して見てください。
そんなことをしていても「相手のことを考える」というマーケティングの基本能力はいつまでも上がらないわけですから、サポート内容やサービス内容も作業や代行の先にいつまでも行けません。
逆に、マーケティング視点を持って仕事ができるようになれば、いろんな付加価値を提供できるようになり、クライアントにも喜ばれ、継続性も単価も上がるということは言うまでもなく。