商品開発をしていく上で、まずは商品企画をし、サンプルをリリースし、反応が良かったものを商品化するという流れは常道です。
ただ、企画し何か企画を売ったり、新い商品やサービスをリリースした際に「スベる」という現象は起こりますし、ビジネスをしている人であれば誰もが経験していることかなと。
これは、個人ビジネスだろうが立派なマーケティング部署がある大企業だろうが、どれだけ綿密にリサーチをしても起こりえます。
スベる理由はシンプルなんですが、盲目的になりがちな部分なんですね。
シンプルであり基礎的な要素であるからこそ盲目的になりがちなので、これからビジネスをしようと思っている人も参考にしていただければ。
さっそく結論からいきますが、
以上の5つうち、どれか1つでも該当しているとかなり高い確率でスベることになるので、自分の最大のウィークポイントがどこなのかを把握した上で臨んでいただければ。
❶ 見込み客の母数が少ない
そもそも論なんですが、新規見込み客に対してセールスをした際に、成約率が100%になることはあり得ません。
熱烈なファンやリピーターでない限り、大半の人というのは何らかの理由があって購入には至らないということですね。
もちろん、この「何らかの理由」を潰せば潰すほど成約率は上がるわけですが、それでも100%はあり得ませんし、通常のセールスであれば10%の人が購入してくれれば良い方でしょう。
その視点を持たずに「1人にしか売れなかったからスベった」と判断する人がいるんですが、そもそもどのくらいの母数に対して1人だったのかと。
購入者が0人だった場合も同じです。
100人の見込み客にセールスをかけて1人しか購入者がいなかったのであれば成約率は1%なので、それは確かにスベったと判断するのが妥当ですが、10人の見込み客にセールスをかけて1人なのであれば10%の成約率なので、別に悪いわけではありません。
その成約率で見込み客が100人いたら10人、見込み客が1000人いたら100人が購入に至っているかもしれないわけですから、マーケティングとしてはむしろ成功です。
母数が少ないがゆえにスベっているように見えているだけだけということになりますからね。
ただ、10名のうち1名ではそれがたまたまかもしれないので、正しい判断をすることができませんし、正しいデータを取るにはやはりある程度の母数が必要になります。
大量に雨が降らなければ雨漏りしている小さな穴を見つけることはできないということですね。
❷ 商品に魅力がない
見込み客の母数が一定数集まっている状態で成約率が著しく低い場合は、企画が弱い、要するに「商品に魅力がない」ということになります。
そもそもお客さんが欲しいと思っていない商品を必死にセールスしているというケースですね。
当然、お客さんが欲しいと思っていないものなので、いくら企画を打ったところで、あるいは特典をペタペタとつけたり、限定性を打ち出したり、返金保証をつけたりといった、いわゆるリスクリバーサルをしたところで売れるはずがなく。
ビジネスで成功するために「行動しろ」と言われますが、見込み客のニーズを理解せずにガムシャラに動いても意味がないということです。
お客さんが沖縄に旅行に行きたいと言っているのに、北海道の旅行パンフレットを見せても申し込みが入るはずがないじゃないですかw
当たり前の話なんですがこれをやってしまっている人は少なくありません。
多くの人が、お客さんが何を欲しいのかをわからないまま、知ろうとしないまま商品を作って売ってるというのが実情です。
もしくは、お客さんが必要としていない特典を一生懸命つけたり、あとはボリューム(量)でごまかそうとしたり。
そうではなく、見込み客にしっかりとヒアリングしてニーズを把握し、それをいかに叶えるか、達成させられるか、といった企画を考えなければなりません。
マーケティングの要素であるプロモーションというのは、見込み客が解決したがっている問題を探り、その解決策をオファーとして提示する一連の流れだということをお忘れなく。
❸ メッセージが伝わっていない
見込み客の母数があって、仮に魅力的な商品を作ることができても、その商品の良さを伝えることができなければ意味がないわけですね。
商品の魅力を100%伝えることができなければ宝の持ち腐れです。
で、伝わらない原因は、ほとんどの場合、文章の書き方や情報発信のスタイルにあります。
コピーライティングと言われる部分ですね。
コピーライティングを指導している人や、コピーライティングの威力や効果を伝えている人の中には、あたかもコピーライティングが魔法であるかのように説明している人がいます。
石コロをダイヤモンドに見せて売れるようなスキルだと。
ただ、コピーライティングはそういったものではなく、お客さんを楽しませたり興味を引くための演出をする必要はありますが、ウソや誇大表現をしているうちは利益も大きくなりませんし、そもそも二束三文の商品を言葉巧みに売りつけるのは、コピーライティングでも何でもなくただの詐欺ですから。
そんな詐欺まがいのことをしなくても、商品の魅力を30%も伝えられていないところを100%伝えるだけで売上はあがります。
一方、誇大表現で売った商品というのは、そのときは売れるかもしれませんが、買ったお客さんは二度とあなたから買ってくれなくなるので、結果的に利益というのは限定されていきます。
バックエンドやリピートにつながりようがないですからね。
とはいえ、他人の構成や文面をコピーしても売れません。
人は10人いれば10人が異なる背景を持っているので、セールスをする人が自分の言葉やバックボーン、想いを含めて語らないと真実味も誠実も現れないので、結果はついてこないんですね。
他人の言葉で語っても、お客さんは信用してくれないので。
普段、ブログやメルマガを書いている人は「自分の言葉で伝える」ということには慣れているとは思いますが、コピーライティングは「自分の言葉で語る」ということが重要だということをリマインドしていただければ。
❹ 興味を持ってもらえていない
セールスには商品の魅力に加えて「伏線」というものが不可欠です。
いきなり商品を提示してセールスをしても、お客さんはその商品に対する知識もなければ興味もない状態なので、その段階では売れにくいからです。
なので、セールスをかける前の段階で、商品の魅力を伝える行程というのを経る必要があるんですね。
とはいえ、セールス前の行程でお客さんに飽きられてしまったり、そもそも興味を持ってもらえないという状態だと、セールスの段階までたどり着かないので、当然、売上にもつながらないことになってしまいます。
セールスにつながらないということは、いくら伏線を張ってもムダになるわけです。
なので、セールスをする際は、商品自体はもちろんなんですが、セールスの行程自体にも興味を持たせる演出を取り入れながら、セールスという最終段階まで持っていくようにしましょう。
❺ キャラが合致していない
これは見落としがちなんですが重要ですよ。
何かというと、商品だけではなく販売者が全面に出ている場合、あるいは販売者が直接サービスを提供する場合、そのキャラ自体が購入を遠ざけている可能性があるということです。
ここまでスベる原因を潰してもなお成果が出ない場合は、この可能性が非常に高いと考えた方が良いですね。
あらゆる商品やサービスのコモディティ化が進んでいく現代においては「誰から買うか」は重要なので、販売者が前に出ていってキャラを押し出すことは有効です。
ただ、それは諸刃の剣でもあるということは理解しておきましょう。
別にキャラに嫌悪感を抱かれているわけではなくても、販売者のキャラが商品と合致していない場合も同じです。
戦略的にあえて真逆のキャラを演出するなどはありなんですよ。例えば、ITに強いお坊さんとか、元極道の神父さんとか、元銀行員の漁師とか、ギャップを演出するようなキャラ設定ですね。
そうでない場合は、商品とキャラの合致はさせたほうが良いです。
例えば、コンサルタントとしてコミュニケーション能力が高く陽キャであることを伝えたいからといって、毎晩飲み歩いてバカ騒ぎしている様子や女性を女性をはべらかしている写真をSNSにアップしていたら…ということですね。
ということで、企画がスベっている場合、あるいはスベることが増えてきたと感じたら、以上の5つを見直してみてください。