どうも、服部(@FACTDEAL)です。
ChatGPT-4を使っている人であれば日々感じていると思いますが、OpenAIのChatGPTがリリースされて間もないですが、どんどん精度が上がってきていますよね。
最近はiPhoneのアプリでも使えるようになりました。
スゲー!と楽しむ人やビジネスに生かす人が増える一方で、今後ますます「AIに仕事が奪われる」論が広がっていきそうですが、あなたの仕事は大丈夫そうでしょうか。
コンサルタントの仕事でいうと、まぁ…正直ヤバイでしょうねw
コンサルタントはいわゆる「問題解決業」なので、さまざまな悩みや問題に対して、わかりやすくてロジカルな解決策をいくつも提示してくれるChatGPTがあれば、お客さんからしたら「もうこれでエエやん」ってなります。
コンサルタントに限らず、コーチや士業など、あらゆる先生業も同じかなと思います。
まぁ、今の時代、成長やそのための勉強、チャレンジをしなければどんどん仕事を失っていくのはどんな仕事でも同じでしょうし、そこに関してはAIすら関係ない話になってきますが。
とはいえ、別に悲観論を並べて恐怖を煽りたいわけではなく。
コンサルタントに限らず、引き続きビジネスを成り立たせるためには、僕らにしかできないことをしていきましょうねと。
情報発信に関しての見解は、上記の記事で以前述べたので、今回は少し違う視点、仕事の仕方、考え方について。
これからは何を大事にして、どんなスキルを磨いていけば良いかという話ですね。
ChatGPTができないこと
冒頭でもXでも書いた通り、ChatGPTの精度は格段に上がってきていて、特に目の前の問題に対しての最適解の精度や網羅性はかなり凄いことになっています。
ChatGPTは目の前の問題に対しての最適解の精度はかなり上がってきてる。ロジックも理路整然としてる。
ただ、「そもそも論」にはまだフォーカスできない。ロジカルシンキングはできるけどラテラルシンキングができない。…
— 服部慎也|狭くて深いマーケティング (@FACTDEAL) February 17, 2024
さすがAIだけあって、問いに対する解はロジカルですし、とても理路整然としています。
ただ、ChatGPTがまだまだフォーカスできない部分があって、それは何かというと、「そもそも論」やラテラルシンキングなんですね。
ロジカルシンキングはできるけどラテラルシンキングができないというわけです。
そもそも論というのは、その表現通り、前提条件を限界まで考えるということですね。
簡単に言うと、「収入を増やしたいです」とChatGPTに問うと、スキルアップや転職、副業、節約などを推奨してきますが、「そもそも収入を増やしたいと思ってるのにできていないのはなぜか?」にはフォーカスできません。
収入を増やしたい意思はあるのに行動できていないのであれば、健康上の問題があったり、マインドの問題、夫婦関係の問題、あるいはスケジューリングの問題があったりするわけです。
コンサルではそもそも論、つまり「問題を引き起こしている問題」にフォーカスすることや逆転の発想が重要なので、これができないAIにはまだまだ勝てるんですよ。
収入を増やしたいという問いに対して、CGPTは「そもそもプライベートは充実していますか?」なんて聞いてこないだろ?
でも本当に重要なのはそこなんだよ。
— 服部慎也|狭くて深いマーケティング (@FACTDEAL) February 17, 2024
ラテラルシンキングとは
そもそも論とラテラルシンキングは違うものですが、「前提の置き方」や「目的の明確化」に着目するという点では、考え方として近いものがあります。
ラテラルシンキング
ラテラルシンキングとは、問題を解決するために固定観念や既存の論理にとらわれず、「物事を多角的に考察する」「新しい発想を生み出す」ための思考法のことです。 日本では水平思考と呼ばれます。 常識を疑い、直感的な発想や単なる偶然を何かのチャンスに変えられないかといった視点で考えを深めていくのです。
有名な話ですと、これですね(ラテラルシンキングとは|水平思考の鍛え方と成功事例|例題有)。
これだけ見ると「ぶつからないためにはどうすれば良いのか?」と考えてしまいますが、「目的は本当にそれで良いのか?」を疑うことがラテラルシンキングでもあり、そうなると解答は、この記事でもある通り
車のアクセルを踏み、坂を下ってくる前の車と接触するギリギリのところでブレーキを踏んで静止する
になるわけです。
以下、こう続きます。
あなたもお気づきの通り、この解答では衝突を避けられない。しかし、以下のようなメリットが生まれていることにお気づきだろうか?
前の車との車間距離を詰めることで、衝突時の衝撃を最小限にできる
後続車との玉突き事故を防ぐことができるこの例題の本質は「目的を疑う」ことだ。
上記の文章を再度お読みになればわかる通り「直前の車はスリップしており制御不能な状態である」「後ろの車との車間距離は短くバックできない」という条件から、車の衝突は不可避だ。つまりこのケースの場合「衝突を回避する」という目的そのものが妥当でないことがわかる。
そして「目的そのものが妥当でない」という状態は、ビジネスでも頻繁に起こる。
例えば多くの企業では「売上を増やせ!」という号令がかかっていると思うが、どうしても売上を増やすことが難しいケースは存在する。その場合、目的を「売上を増やす」から「利益を増やす」に変えることができれば「コストを減らすことで利益を増やす」という別の選択肢が見えてくる。
このように、ビジネスでも「そもそもの目的が妥当かどうか」という「現在の視座を疑う視点」が持てれば、思わぬ解決策が見えてくることがある。
もちろん、前提条件をしっかりと伝えれば、ChatGPTもかなり良い線で答えてくれますが、悩んでいる人や問題を抱えている人は、その前提にたどり着けないから悩んでいるので、それこそ“そもそも”前提条件を伝えられないんですね。
なので、そこを掘っていくのはまだまだコンサルタント(人間)なんです。
言い方を変えれば、コンサルタントは問題解決能力より(真の)問題発見能力を問われますし、これはあらゆる士業や先生業、問題解決業に言えます。
いや、あらゆる経営者に必要な能力になってきますよね。
ちなみに、この問いにChatGPTがどう答えるのかが気になる人は、
車を運転していたあなたは、上り坂の雪道で渋滞に巻き込まれている。
すると、あなたの直前の車がスリップしてバックしてきた。
車はあなたの後ろにも停車しており、車間距離が短くバックできない。
一本道なので左右に逃げるスペースもない。
この状況で、あなたならどうするか?
と、試しに聞いてみてください(面白いですよw)。
これからの情報発信のアプローチ
どういった考え方をしていけば良いのかはわかったと、じゃぁ具体的にマーケティング、情報発信的な部分では何をしていけば良いのかという話を最後に少し。
ここまでお伝えしている通り、問題解決策のパターンや精度、網羅性においては、これからますますChatGPTには敵わなくなります。
なので、そこで勝負しても意味がなくて。
問題を正しく把握さえできれば、解決のためにやること(施策やアクション)なんてだいたい決まってる。
問題の把握が浅かったりズレたりしてるから、何もしても一向に解決しない。バケツに穴が空いてるのに、水を注ぎ続けるようなもんだ。…
— 服部慎也|狭くて深いマーケティング (@FACTDEAL) February 17, 2024
問題を正しく把握さえできれば、問題に対する解決策や課題設定、アクションプラン、いわゆるPDCAの回し方なんて大体同じです。
これとか。
これとか。
今年こそ結果を出すための秘訣を置いとくね。
1️⃣目標には複数の強いモチベーションを
2️⃣アイデアや発想は自由に
3️⃣仮説は大胆に
4️⃣アクションプランはシンプルに
5️⃣行動は大量に
6️⃣振り返りはシビアかつ多角的に
7️⃣以上の流れを仲間や師匠と共有するこれを1週間単位でグルグル回すだけです。
— 服部慎也|狭くて深いマーケティング (@FACTDEAL) January 9, 2024
問題の把握が浅かったり、前提に触れていなかったり、前提がズレていたりするから、何もしても一向に解決せず、穴の空いたバケツに水を注ぎ続けることになってしまうんです。
なので、コンサルタント「は真の問題発見」「真の問題把握」を最大の価値、スキル、能力として有料で提供できなければなりません。
一方で、多角的な問題解決策や、行動できるようになるためのハックをしっかり言語化し、それをブログやYouTubeにコンテンツとしてストックしておき、困ってる人が自力で解決できるようにしておきます。
また、そういったコンテンツやサービスがあるよということを、必要な人に知らせるために、SNSでもその断片をコツコツと発信するんですね。
もちろん、ここまでも書いている通り、どれだけロジカルでわかりやすくても、AIが導き出せるような解決策をいくらストックしてもしょうがないので、固定観念にとらわれない解決策をいくつもストックしていくということが重要になります。
言ってしまえば、体験談や主観、価値観、感情などで、これらを全面的に押し出したコンテンツをストックしていくこと、情報発信をしていくことが、AI時代にコンサルタントやあらゆるビジネスパーソンが生き残る道。
ロジカルシンキングはAIに任せ、僕らは、発信、サービスにおいてラテラルシンキングを提供していくということですね。
まだまだ遅くないので、頭の使い方を切り替えていきましょう。