ビジネスをしていると、何かと話題に上がるテーマとして「目的」と「手段」というものがありますが、同時に
「目的と手段を間違えるな!」
「目的と手段が入れ替わっとる!」
というお決まりの説教もよく聞くかと思います。
ただ、厳密に言うと目的と手段を間違えることはないし、他者から洗脳でもされない限り、目的と手段が入れ替わることはないんですよね。
目的と手段の関係は図で表すとこんな感じです。
いろんな要因によってなるべくしてなる、自らそういう方向に進めているということを、この図をもとに解説していきますね。
もちろん、要因に対する解決策も提示します。
昇華と凝華
結論から言うと「目的」は「手段」に昇華されるし「手段」は「目的」に凝華されるということです。
凝華(ぎょうか、英語: deposition)は元素や化合物が液体を経ずに気体から固体へと相転移する現象。
ビジネスの成長や理解の度合いとして「昇華」という言葉は使うことがあっても、ビジネス用語として「凝華」という言葉は使わないですよね。
ただ、僕的にはこれがしっくりきたのであえて「凝華」と言います。
要は、成長し続けることによって「目的」はどんどん「手段」という踏み台に変化していくし、成長することを止めた人は「手段」は「目的」として固まってしまうということです。
自分に芯がない人は、他人によって目的と手段を簡単に入れ替えられてしまう。朝活とか、断食とか、ブログとかもそう。全部手段のはずなのに、気づかないうちにそれが目的になってしまう。
で、本来、手段レベルのものを目的にしてしまうから情報を集めなくなり、文字通り「情報弱者」になる。
— ハットリシンヤ|マーケとカメラとイロイロ (@FACTDEAL) May 30, 2018
凝華の危険性
今回の図は「ブログを書くこと」という手段をスタート地点にしました。
ビジネス用途としてブログを書いている場合、ブログは手段であり、目的はまた別に存在しているはずですよね。
この図でいくと「認知度UP」という目的を達成するために「ブログを書く」という手段を使うわけですが、なぜか途中でブログを書くことが目的になってしまう人がいます。
上に進まずに横に進むということです。
こうなってしまうことを、僕は勝手に「凝華」と名付けたんですが、凝華してしまうのは非常にまずいです。
なぜかというと、凝華してしまうと本来の目的である「認知度アップ」のための選択肢を考えなくなり、そして選択肢を考えなくなるということはそのためのインプットをしなくなるという状況に陥るからです。
文字通り「情報弱者」になってしまうということですね。
凝華の原因
認知度アップが目的であれば、ブログの他にも
SNSを活用する
Youtubeを活用する
広告を運用する
インフルエンサーに頼る
出版する
などなど、いくらでもありますし、自分の性格やビジネスにおいて向き不向き、投資対効果などを考えて選択することができます。
にも関わらず、選択肢が多い方が良いはずなのに、そこに目を向けず「手段 ▶︎ 目的」と平行移動してしまうのはなぜか?
その原因はシンプルで「本来の目的を忘れる(見失う)から」です。
で、なぜ本来の目的を見失うのかというと、これには2パターンあります。
① コミュニティ依存による視野狭窄
② 完璧主義マインドによる情報過多
の2パターンなんですが「① コミュニティ依存による視野狭窄」に関しては、いつもお伝えしているのでお馴染みだと思いますが「宗教」をイメージしてもらえればわかるかと。
洗脳、マインドコントロールによる情報遮断ですね。
ポイントはもう1つの「② 完璧主義マインドによる情報過多」ですが、情報過多と視野狭窄とは矛盾する部分ではあるので「?」となるかもしれませんが、これは事実です。
完璧主義者は凝華の道を辿る
例え、「ブログを書く」という手段に関して、この手段の中にもいろんな要素が含まれますよね。
WordPress、note、アメブロなどなど、何を使って書くのか?
で、さらにWordPressで書くにしても、
ドメインやサーバーは?
テーマはどうするのか?
デザインカスタマイズは?
SEO対策はどうするのか?
必要なプラグインは?
などなど、いろんな要素が含まれ、SEO対策に中にも内的SEO、外的SEO、さらにその中にもライティング、キーワード選定、さらにその中にも…とキリがありません。
こういったことを完璧主義マインドで追求していくと、いつの間にか「認知度UP」という本来達成すべき目的を忘れてしまい「手段 ▶︎ 目的」と凝華してしまうんですね。
まぁ、完璧主義的に「ブログを書くこと」を追求した結果、専門家になって結果論として「認知度UP」につながる人もいます。
が、ぶっちゃけそのパターンで進める人は完璧主義度だけではなく、センス、オタク度、忍耐力などがとてつもなくハイレベルなので、真似するのは非常に難易度が高いでしょう。
それよりも、本来の「認知度UP」という目的を常に忘れずに認識しつつ、選択肢を増やしていく方がステップアップは早いです。
ブログだけにこだわらず、Twitterでガンガンつぶやくことによって、あるツイートがバズって一気に認知度が上がり、ブログに一気に流入が来て高額なマネタイズにつながることもあり得るわけじゃないですか。
昇華についての考え方
おそらく、昇華についてはイメージしやすいかと思います。
認知度UPという目的が達成されたら、それを1つの手段にしてしまい新たな目的を設定します。
「多くの人に知ってもらえるようになったから、次はお金を稼ごう!」
みたいなノリですね。
もちろん、図のように最初からステップごとに目的を設定してる方が凝華を回避することができるので、目先の手段、目的だけではなく3ステップくらいまでの昇華を逆算して考えていると良いでしょう。
で、図のように「お金を稼ぐ」が目的となった場合「認知度UP」は手段に昇華されます。
そうなると、「お金を稼ぐ」という目的を達成するための手段として「認知度UP」以外の手段にも目を向けられるようになりますよね。
ターゲットを変える
既存商品をアップデートする
新商品(バックエンド)をつくる
他社とコラボする
別のビジネスに乗り換える
などなど、選択肢はいろいろあります。
このようにして、目的を手段に昇華していくことによって、マインドやビジネスそのものがステップアップしていくんですね。
昇華と凝華は紙一重
注意点としては、どのステップにいっても凝華のリスクは常につきまとうということです。
例えば「認知度UP」が目的から手段に昇華されたとしても、同じように完璧主義的に「認知度UP」という手段についてのインプットに固執してしまうと、もれなく凝華してしまいます。
特に、完璧主義な人は「がんばったことに対してちゃんと評価してほしい」という承認欲求が強い傾向にもあります。
ほら、ブログのPV数やSNSのフォロワー数ばかりにこだわってしまい「で、お金稼げてるの?」という、本来の目的を見失ってしまっている人ってけっこういるじゃないですか。
ということで、
本来の目的は何か?
目的達成のための他の手段はないか?
を考えることは重要なんですが、それだけではなく、これは「昇華」できている状態なのか、あるいは「凝華」してしまっていないかについても定期的に立ち止まって確認するようにしましょう。
補足記事も書いたので、そちらもどうぞ!