赤い糸

マーケティング

コンサルタントとクライアントをつなぐ「赤い糸」の正体

コンテンツというのは、仕組み化すれば自動で収益を生んでくれるものではありますが、実はそれだけを目的にしてしまうと後々苦労します。

なぜなら、対面のサービスのようにお客さんを選べないからです。

もちろん、価格を高く設定する、購入条件を設定するなど、仕組み自体でスクリーニングすることは可能ですが、その効力は極めて弱いんですね。

なので、購入されることは前提として「購入者をスクリーニングする」というアプローチをする必要があり、それがあるのとないのとでは、その後のビジネスの円滑性が大きく変わってくるということを理解しておかなければなりません。
 

例えば、フロントエンドコンテンツの購入者にバックエンドコンテンツを購入してもらうという流れは王道ではありますが、フロントエンドコンテンツの購入者の中には、バックエンドコンテンツを売ってはいけない人も含まれてくるんですね。

依存体質の人、ノウハウコレクターといった、コンテンツを手に入れることで成功できると思って行動しない人なんかがそうですが、そういう人には、たとえフロントエンドコンテンツの購入者であっても、バックエンドコンテンツは売らない方が良いんです。

他責思考が基本であり、成果を出せないことをコンテンツのせいや販売者のせいにするので、そういった人と関わることでマイナスブランディングを引き起こしてしまうんですね。

ファンから一気にクレーマーに転換したりするわけです。

多くの人に売ることによって目先の利益は得られますが、売ってはいけない人に売ってしまうことで後々対応コストが増えて、継続的な利益額が大幅に減ってしまうということです。
 

じゃぁ、そうならないためにどうすれば良いのかという話を。

これからの時代のコンテンツは何のために作り、そのためにはコンテンツの中にどんなノウハウやメッセージを含めれば良いのかということですね。

このあたりを自分の業界や時代に合わせてしっかりと設計することで、他とは一線を画すビジネスモデルを構築することができます。

① 入門書として売る

コンテンツを売る目的の1つとして、コンテンツ自体をあなたの商品やサービスの「入門書」と位置付ける方法があります。

俗に言う「お試し商品」ということですね。

例えば、あなたのメインサービスがコンサルティングだったとすると、その実力やスキルが伝わる内容を書き、そして価値観も示すコンテンツを作ります。

内容としては、例えば

コンサルはこのようなフローで問題解決をします
問題解決方法としてはこのような種類があります
まずは自分でできる方法としてこういう方法があります
こういう人はコンサルを受けると成果が出やすいです
こういう人はコンサルを受けても成果が出にくいです

といった感じで「この人のコンサルを受けても大丈夫なのか?」という不安を払拭し、なおかつ「自分はコンサルを受けるのにふさわしいのか?」ということを、コンテンツで現状把握をしてもらうんですね。

こうすることで「ピンと来たからコンサルを受ける」みたいな、勢いで間違ってコンサルを受けてしまうという可能性を減らすことができます。

フロントエンドコンテンツを広く浅く販売しようとする人は多いんですが、コンテンツそのもので大きく収益を得ようとすると、いろんな層が入り込んでくるので注意が必要です。

成果を出してくれた人は「良いコンテンツだ」と宣伝してくれますし、成果を出せない人は「ゴミコンテンツだ」を喧伝しますからね。

広く浅くお客さんを取り込むことによって前者も増えますが、同時に後者も比例して増えるということは理解しておきましょう。

② コミュニケーションツールとして売る

お客さんとのコミュニケーションはなぜ取るのかというと、これは言うまでもなく「リサーチの精度を上げるため」です。

そのために、コミュニケーションツールとしてコンテンツを売ると。

つまりは、バックエンド商品の開発のためや、既存のメインサービスのブラッシュアップ、あるいは新たな商品やサービスを展開していくためのリアルな情報収集の場を自らの手で作るということですね。

イメージとしては「コンテンツ+コミュニティ」という感じです。

例えば、前項の「入門編」を購入してもらい、何かしら実践して小さな成果(成功、失敗問わず)を出してくれた人だけをコミュニティに招待をするという方法があります。

シークレットのオンラインサロンに招待するとかですね。

前項でも述べたように、購入者全員を招待してしまうとコミュニティは崩壊してしまうので、あくまでスクリーニングをした上でコミュニティに招待するというのはマストです。

で、招待したあとは質問や相談を受け付けることで、その内容自体がリサーチの材料になりますし、こちらからもアンケートを取ったり個別にヒアリングをしたりすれば、利益以上のものが得られるということです。

フロントエンドコンテンツを売って「はいさようなら」という売り逃げ形式では絶対に得られないものが得られるわけですからね。

③ パートナーの準備資料として売る

前項2つに関してはやっている人はいると思うんですが、3つめに関しては、この視点でコンテンツ販売をしている人はほぼいないので、詳しく説明していきます。

わかりやすいところでいくと、最近流行りの動画編集者。

動画編集者として、1人でビジネスに取り組むことはできるわけですが、どうしても多くの作業が伴う仕事なので、自分がディレクターとなってチームを動かしていかなければ、収益の天井はすぐ来てしまいますよね。

スキルを向上させ、実績を増やし、単価を上げていけば、ある意味無限に売上を増やしていくことも不可能ではありません。

が、自分が倒れたら終わりなので、無理はできないわけです。

といったジレンマに陥っていく中で、チームメンバーを増やしたい、でも将来サブディレクターを任せられるような優秀なメンバーを獲得するのは非常に難しいんですね。

なぜなら、優秀な人は1人で好きなようにやっているか、すでにディレクターとしてチームを率いているからです。

だからこそ、優秀なチームメンバーを獲得するために、パートナーとしての準備資料としてコンテンツを販売するわけです。

動画編集者に必要なマインド
動画編集者としての基本テクニック
チームで動く際の基本ルール
チームのその先のステップアップ
ディレクターに必要なスペック

といった内容を記し「この内容に納得してくれる人は一緒に仕事をしましょう」という導線を引くわけですが、ここで重要なのは、ただノウハウを伝えるのではなく、あなたの価値観をふんだんに含めるんですね。

過去の経験やビジョンに基づく独自の価値観です。

あなたと仕事で携わる意味や理由が必要で、やはり「この人は他とは違う」「この人と働きたい」「この人と何かをしたい」と思ってもらうことは非常に重要だからです。

あなたの価値観が共有できて、さらに必要なスキルやマインドを身に付けてからチームの扉を叩いてもらうという最高の導線をコンテンツ販売によって作るということですね。

コンテンツを売って、その後にバックエンド(コンサルや高額コンテンツ)を売るというセオリーで一定期間収益は安定しますが、ブログノウハウにもはや価値がなくなっているように、動画編集ノウハウも早晩価値がなくなります。

価値を継続させる方法としては、現場で得た様々な経験や知識を言語化してアップデートし続けることなんですね。

チームが大きくなれば、マネジメントの方法も変わってきますし、受注〜納品〜アフターフォローの流れも変わってくるので、イヤでも独自のノウハウが蓄積されていき、コンテンツも常にアップデートされるわけです。

そうすると、イヤでもコンテンツの売上はあがり続けます。

なぜなら、現場主義を軸に置くことで、いかなる時も他にはない独自性の強い、かつ実践的なノウハウを提供できるわけですから。

 

ということで、コンテンツは、売上だけに執着せずその後の目的に合わせて逆算して作ることによって、それは良いお客さんや優秀なパートナーと巡り合わせてくれる「赤い糸」となります。

結果として、そういった視点でコンテンツを作る方が、かなり好循環のサイクルが生まれ、コンテンツの価値も高め続けられるんですね。

コンテンツ販売を「収益を自動化して楽するため」と考えていた人は、その考えのままでは早晩ジリ貧に向かうので、将来を見据得た上でそこから逆算でコンテンツの作成の取り組んでみてください。


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