経営・ビジネス

そのユートピア(理想郷)は正しいのか

こんにちは、服部(@FACTDEAL)です。

Twitterをしていて「これちゃんと言語化したいな」と思うテーマがあったので、ちょっと難しかったけど記事にしてみました。


 
職種をあるていど絞らないとボヤけてしまうので、発信者であるマユさんの学童、あるいはコンサル業やカウンセラー業など、何かしら人や社会のセーフティーネットになっている問題解決業に絞って考えていきいます。

僕を含め、こういった仕事をしている人たちが「自分の仕事がなくなることが理想」だと掲げることに対して、本当にそうあるべきなのかということですね。

キレイゴトとまでは言いませんが、もう少し深く考えるべきテーマかなと感じたので、感情マーケティング論理という3つの視点で考えてみました。
 

ちなみに、今回の記事に出てくる「ビジネス」と「仕事」はほぼ同義と考えていただければ(主に「仕事」というワードを使っています)。

僕自身も浅はかだったというかあまり深く考えたことがなかったので、これらのツイートは良いきっかけになりました(感謝感謝)。

仕事の存在意義(感情の話)

僕もコンサルタントを始めた当初は、同様のことを思っていました。

まさに「この仕事がなくなるということは困っている人がいなくなるということ」という考えで、コンサルタントという職業がなくなることが理想だし、これって崇高な思想だなと。

ただ、実務をやっていくうちに何か違うなというか、実現する気もない理想を掲げて勝手に気持ち良くなってるだけなんじゃないかなと感じ始めたんですね。
 

そもそも僕は日本中の困っている人を救済するためにビジネスを始めたわけでもなければ、詐欺まがいのコンサルタントを排除して業界を健全化しようとか社会貢献しようといった志があったわけでもなかったなと。

自分に関わってくれる人、自分のことを必要としてくれて、僕も「この人は素晴らしいな」と思える人の力になれて幸せにできれば良いなという考え方が基本でした。

そうなってくると、この仕事が存在していないと僕はそういった人たちに出会えないんですね(なのでこの仕事がなくなるとめちゃくちゃ困る)。
 

これは自己中的な視点だと思われるかもしれませんが、自分の人生を豊かにしようと思うと誰かの役に立っている実感がないと難しいじゃないですか。

なので「ステキな人と出会い、その人たちと一緒に人生を楽しむために仕事をしている」という価値観は自己中とは思っていません。

利他主義こそ最も合理的な利己主義であり、思考的にも行動的にどちらが優先されるものでもないからです。

仕事の存在が依存を生むわけではない(マーケティングの話)

実際、自分の人生を豊かにするためにビジネスを続けるということは、そのビジネスが真っ当に誰かの役に立つという前提があればWin-Winになる、つまり利他と利己が同時に存在します。

だから、困っている人がいなくなる必要はないですし、仕事もなくなる必要がないんですね。

ビジネスが存在しているということは、困っていることを開放する場所があるということであり、困っている人が誰かに頼って助けてもらおうと行動するきっかけにもなるわけですし(特に生活やメンタルをサポートするビジネスは)。
 

これを依存と捉える人もいるかもしれませんが、ファーストコンタクトにおいては依存もクソもなく、そうではなく継続的に誰かに頼らなければ生きていけない状態が依存です。

僕の仕事の場合で考えると、共依存的なサポートは必要ないけど、ビジネスに関わる誰しもがコンサルタント(指導者やコーチ)との接点は必要だという考え方ですね(大袈裟に言うと、一社に一人コンサルタントが必要)。


 
もっと言うと、人が「何かに困っている」ということは

何かがんばろうとしている
何か乗り越えようとしている
前に進もうとしている
直面している問題解決に向き合っている
逃げずに考えている

ということでもあるので、そういう人がいなくなって良いはずがないですし、人間である以上、悩み、苦しみ、考え、進化していくべきなので、困っている人が存在しなくなるというのはヤバいことなんじゃないのかなと。

何も考えていない人は何も困っていないですから。
 

大事な問題に気づいたり、その問題に対してあきらめないために「〇〇に困ってませんか?」と啓蒙することは必要なので、仕事はなくなる必要がないということですね。

もちろん「〇〇しないとヤバいですよ」とニーズを捏造し、情弱の不安を煽るのは論外ですが。

行動が伴わないとウソになる(論理の話)

誰一人として不幸な人が存在しない世界平和が訪れることはないのと同じで、世の中からニーズが消えたように見えることはあっても実際に消えることはないので「この仕事がなくなれば良い」というのは非現実的かつ浅はかです。

問題解決業という仕事はなくなってはいけないのです。

なぜなら、実現不可能だとしてセーフティーネットが必要なくなる世界を目指そうとすればするほど、一気に多くの人を救済するためにビジネスやサービスをより多くの人に伝わらなければならないからです。

パラドックスのようなややこしい話ですが「自分の仕事がなくなることが理想」という思想や哲学からは理想の世界は生まれないということですね。


 
もちろん、困った人がこの世の中からいなくなる、そういう世界にしたいという理想を完全に否定するわけではありません。

ただ、仮に本気でそういった世界を実現するつもりなら、日本中の困っている人にビジネスの存在を届け、困っている人を受け入れるキャパを用意しなければならないので、そのための戦略や行動、リソースが必要になります。

それをするつもりがないのであれば「自分の仕事がなくなることが理想」は嘘になりますよね。
 

なので、僕はそんな理想の世界を作ることは不可能だということを前提とし、だからこそ「自分の周りにいる人、自分に関わってくれる人だけは確実に救済する」を実現することを信念としました。
 
事業や会社を大きくするつもりもなければ、息子に継承していくつもりもないので、共感してくれる人だけにジワジワ広がっていけば良いなと。

近くの人を確実に幸せに

まぁ、何というか、大きな理想や目標を掲げることは大事だし崇高なことなんですが、実現のためにはそれに伴うアクションが必要になりますし、自分の中で筋が通らなくなるとかつての僕みたいに苦しくなるんですね。

で、周りの人も応援しにくくなります。
 

なので、最初から巨大な理想や目標を掲げるのではなく「これが実現できたら次はこの理想を実現させる」というふうに、少しずつ階段を上がっていくという進め方がベストかなと。

その方が周りの人も応援しやすいし「この人のために力になれそうなこと」を探しやすいので。

ビジョンが大きすぎると、ゴールが果てしなく遠く感じるので、周りの人も「よし!そのビジョン乗った!」となりにくく、ただ傍観することしかできなくなるんですよ。
 

ということで、まずは近くにいる大事な人から幸せにし、そして少しずつできることを増やし、理想や夢、目標を大きくしていきましょう。

テーマが難しくまとまりもイマイチなので、もうちょっと整理&リライトしたいですね(つまりはみなさんの意見が聞きたいということなので、引用RT、リプをお待ちしています)。



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