起業する時もそうですし、新しい事業を立ち上げるときもそうなんですが、良く目にするのが
「Twitterをガチろう!」
「ブログを立ち上げよう!」
「YouTubeを始めよう!」
といった、いわゆる手段が先行しているアプローチ、あるいはそういった手順での指導やアドバイスなんですが、これってけっこうヤバイんですよね。
もちろん、コンセプトや商品、サービスなど自分のビジネスの軸が決まっていない場合、そういった「やりながら明確にしていく」というアプローチもありです。
とりあえず動き出して、アレコレやっているうちにフォロワーや見込み客から何かしらの反応が得られて(ニーズが判明して)、コンセプトメイクのネタになったり、商品企画のきっかけになったりすることは全然ありますから。
結果と検証を繰り返して、しっかりリサーチしながら進めていけるのであれば有効な手段の一つと言えるかも知れません。
ただ、新規事業の立ち上げならまだしも、起業の段階でそういった論理的な思考とアクションを繰り返していけるかというと、知識的にもスキル的にもやはり難しんですね。
最初から天才的なセンスでできちゃう人もいますが、ごく稀です。
最初はしっかり準備して、自分がどこに向かっていて、今どこで、何をしているのか、その結果はどうなのかを把握できなければ成果は出ません。
その上で下記の手順を押さえて進めていくのはマストなのです。
❶ 目標や欲望を可視化する
マーケティングの教科書でもあるコンテンツメイクの教科書 のワークとしても入れていますが、いわゆる「プレインダンプ」というものですね。
手に入れたいモノでも良いですし、理想のライフスタイルでも良いんですが、これらはモチベーションとなるものなので、できるだけ多くの目標、そしてできるだけ強い欲望を可視化しておいた方が良いです。
というのも、モチベーションというの上下ではなく有無で管理するものであり、下がったモチベーションは基本的には元どおりにはなりません。
つまり、そのモチベーションは失われます。
その場合、モチベーションが1つしかないとがんばる理由がなくなってしまい、そのビジネスはたちまち頓挫してしまうんですね。
なので、できるだけ多くのモチベーションを準備してスタートし、1つモチベーションを失ったらまた1つ足すというスタンスでモチベーション管理をしていくことをオススメします。
❷ 稼ぎたい額と期限を決める
可視化した目標を達成したり欲望を満たすためには、僕らが住む日本という国ではそれなりの札束必要になります。
で、老後の目標なら「80、90歳までにそうなれば良いな」というふうに特に期限を決める必要もありませんが、自分の人生のピークの段階で成し遂げたいのであれば必ず期限は必要です。
まぁ、そもそも80、90歳で生きている保証はないですし、もっと言えば来年すら生きている保証なんてないので、焦らない程度にスピード感を持って取り組める期限を設定する必要があるということですね。
これは要するに「いつまでにいくら稼ぎたい」という話なので、拝金主義のような下世話なイメージを持たれがちなんですが、めちゃくちゃ重要です。
特に、冒頭でも少し話しましたが、方向性や軸が決まっていない人こそ、このフェーズを起点にする方が良いんです。
詳しくは事項から書きますが、稼ぎたい額とその期限が決まると、月にいくら売上が必要なのかがわかり、それがわかるとそのために必要な単価と集客(何人にいくらの商品を買ってもらうのか)がわかります。
そして、必要な単価と集客がわかると、その単価の商品をその人数に買ってもらうには、誰にどんな価値を提供しなければならないかがわかります。
徐々にコンセプトが見えてくるということですね。
そうすると、そのコンセプトでビジネスを展開するために自分には何ができるか何が足りないかということもわかってくるので、努力しなければならないこと、手を組むべき仲間などもわかります。
❸ コンセプトを決める
前項の流れからコンセプトが見えてくると言いましたが、コンセプトというのはこれまでも何度も言っていますが、大事なことなのでもう一度書くと
ターゲット(どんな困っている人に)
プロセス(どんなスバラシイ方法で)
目的地(どんなスバラシイ状態になってもらいたいのか)
で、これらが明確になってはじめてビジネスを誠実に動かすことができるということですね。
コンセプトが明確にならなければ、Twitterの肩書きも決まらないし、プロフィールの内容も決まらない、誰に向けて何をツイートすれば良いのかもわからないという自体になってしまいますから。
さらに言うと、ブログやYouTubeなどの自分のメディアを立ち上げたとしても、何を発信すれば良いのかわからないという状態になると。
そのために稼ぎたい額や期限から逆算してコンセプトを決める必要があるということですね。
❹ 商品企画・開発をする
次に商品やサービスを作っていくわけですが、コンセプトが決まっているとかなり楽に作ることができます。
コンセプトが決まっているということは、どんな人の問題をどのように解決してあげるかは決まっているわけですからね。
逆に、コンセプトが決まっていないとここで苦悩します。
で、作り方としては、最初からガチガチの商品ラインナップやサービスメニューを作るのではなく、セールスレターを書いて企画をバンバン打って反応を見ていくという感じです。
で、反応が良かったものをメインの商品やサービスとして固定すると。
この辺りから情報提供とリサーチを兼ねてTwitterやブログで情報発信をしていくと良いかなと。
ちなみに、データ収集とリサーチを混同してる人は多いんですが、リサーチというのは見込客から生きた意見や情報をいただくことであり、そのために先に有益な情報を出して役に立つというアプローチをしなければならないわけです。
そのためのツール、手段がTwitterやブログだということですね。
このマインドがあれば大抵のビジネスは上手くいきますし、お金に困ることもなくなります。
❺ 足りないリソースを仕入れる
コンセプトが決まって商品やサービスを作ることができたら、普通は「もっこうしたい」という商品のクオリティ向上に関する欲求が生まれてきます。
そのために自分に足りないリソース(知識、スキル、機能、システムなど)を埋めるべく、自己投資や事業投資をして手に入れたり磨いたりするんですね。
ただ、注意しなければならないのは、ここで仕入れるリソースはお客さんのニーズを満たす上で足りないものだけに絞り込むということです。
というのも、商品のクオリティ向上のためのリソース強化に、自己満要素が入ってしまうとキリがなくなりますし、完璧を追い求めるあまりアクションが止まってしまい、その流れでビジネスが頓挫してしまうという自体に陥るからです。
個人的なこだわりは含めず、まずはお客さんのニーズを満たす商品を提供し、提供後に再びリサーチをし、さらにお客さんのニーズに答えつつ、自分のこだわりがニーズと合致するのであればそこで、という感じで。
完璧主義で勉強熱心な人やお客さん思いの人ほど「あれもこれも」とがんばろうとするんですが、そこはグッと我慢してください。
大事なのはあくまでお客さんのニーズです。
そのニーズに答えるために全力集中しなければ、結果としてどれも中途半端になり、一番大事なニーズを満たせなくなってしまいますから。
❻ 収支計画(仮PL)を作る
当たり前ですが、ビジネスを立ち上げる際には事業計画を立てますし、その際にPL(損益計算書)やBS(貸借対照表)も含まれます。
これは自分のためでもありますし、応援してくれる人や株主に対して具体的なビジョンを明示して約束するのは、これからビジネスに取り組む人として最低限のアクションです。
ただ、今回はそこまで型式ばったものではなく、ここまでの言葉を全て数字に落とし込んでおく作業だと思っていただければ。
目標を1年後に設定したのであれば、毎月の予定PLを1年分作るということですね。
ザックリでも良いんですが、あまりザックリすぎると税金関連でイレギュラーな出費(本来はイレギュラーでく計算できるものなんですが…)が突然舞い込んでくることになるので、基本部分は押さえておいてください。
目標収入を決めても社会保険料等を差し引くと手残りはめちゃくちゃ減りますし、逆にフリーランスだと生活費の一部(家賃や車両費、電化製品など)も経費として計上できるので「使えるお金」は増えます。
この辺りを細かく算出すると「これが経費で落ちるのであればそんなに稼がなくてもいっか」となることはよくあることで。
慣れていないとハードルが高い作業のように思うかも知れませんが、PLは言ってしまえば家計簿のようなものなので、小学生くらいの算数の知識があれば作れます。
というかこのくらい自分で準備できないとビジネスは厳しいので、マストの業務として取り組んでください。
❼ 辞め際を決めておく
ここまでしっかりと考えた上で、計画的にブログやSNSを運用できれば、迷いなくガンガン進むことができます。
で、何かが上手くいかない場合は1つ前に戻ればOKです。
まずはPLを(下降)修正し、それでもダメなら努力が足りないということなのでリソース強化のアクション、それでもダメなら商品を見直す…という感じで1つ前に戻って見直すと。
ただ、何度行ったりきたりしてもダメな場合、誰かに相談したりコンサルと受けてもダメな場合はそのビジネスはキッパリとあきらめましょう。
最初に「いつまでにいくら稼ぐ」を決めているわけなので、その期限が過ぎても成果が出なかったらやめるということですね。
もちろん、未達でも惜しい場合などは全然続ければ良いと思うんですが、明らかに結果が伴っていないという場合は、そのまま続けていても厳しいです。
これだけしっかり準備して進めて、結果と検証を繰り替えていてもダメなのであれば、それはもう需要がないか、競合が強すぎる、あるいは向いていないということなので。
振り返りと反省はしつつも、失敗は気にせずどんどん次にいきましょう。
完璧主義はダメです
しっかり準備して進めるとは言ったものの、途中でもお伝えしたように完璧主義はダメです。
最終的なあなたの使命はお客さんが教えてくれるので、ずっとPCとにらめっこをしているのではなく、お客さんとの接点をどれだけ増やすことができるかが重要になります。
なので、どのフェーズも全て「仮」でガンガン進めてください。
準備が必要とはいえ、何だかんだ言ってもTwitterもブログもできるだけ早く始めた方が良いわけですから、せめて「商品企画・開発」のフェーズまでは爆進していただければと思います。