こんにちは、服部(@FACTDEAL)です。
世の中は、しんどい仕事やめんどくさい仕事、いわゆる「労働」は機械がやってくれる、あるいは、AIに仕事を奪われるから、といったような論理で
「やりたい仕事をしよう!」
「好きなことを仕事にしよう!」
といった風潮がますます拡がっていますよね。
この記事でも書いたように、アホやな〜と思いながら、生暖かく見守っていますが。
そんな簡単に「やりたい仕事」や「好きな仕事」なんか見つかるわけがなく。
仮に見つかったとしても、あるいは、無理やり見つけたとしても、その仕事やビジネスで稼げるかどうかはまた別の話で。
リソースはお金に変わらない
趣味が高じてビジネスに発展し、「やりたいこと」や「好きなこと」でお金も稼げるようになるのであれば、そんな最高なことはないですよね。
ただ、この状態を論理的に説明すると、「たまたまブームに乗っかって、たまたま自分の持っていたリソースが、たまたま多くの人がお金を払ってでも欲しいものだった」という、めちゃくちゃレアなパターンなんですね。
誰もが何かしらのリソースを持っていますが、リソースはあくまでリソースに過ぎません。
例えば、極論ですが、「手」はほとんどの人が持っているただのリソースです。
なので、ドヤ顔で、「私には手があります」と言われたところで、「はぁ、そうですか」で終わりじゃないですか。
あるいは、「私は手先が器用です」と言われても、多少、関心レベルは上がりますが、それでもリソースの域は出ないですよね。
しかし、
「私は他の人よりもかなり手先が器用なようで、DIYサポートの依頼をしてくれるお客さんからは、『我が家専用の家具をIKEAで買ったみたい』といつも言われます」
といったように、事実に基づいて、リソースがお客さんにもたらすメリットを伝えることで、ただのリソースが「強み」や「ウリ」に変わるわけです。
つまり、通常は、リソースというのは、お客さんのニーズに合わせて編集・加工することによって、はじめて「強み」や「ウリ」になるということです。
そして、その対価としてお金をいただけるようになリ、さらに、そういったニーズが一定数あってビジネスが成り立つわけです。
たまたま成り立ったビジネスは、必ずどこかで成り立った理由を分析して法則を把握しなければ、ブームが去ったらすぐに終わってしまいます。
自分の手持ちのリソースからパッと思いついた「やりたいこと」や「好きなこと」がビジネスになり、ましてや稼げるようになることなんてファンタジーなんですよ。
好きなことで稼げているという勘違い
最初に、
「好きなことだけして生きていくぞ!」
「やりたい仕事だけをするぞ!」
「やりたくないと思うことは絶対にやらない!」
と、息巻いて、ノリと勢いで安易にビジネスに足を踏み入れる人は多いですが、だいたいそういう人の末路は決まっていますよね。
最初は、コミュニティや身内の人が情けで買ってくれたりして、それなりのお金が入ってくるので、ビジネスが成り立っているように思えるんですが、実際は大きな勘違いで、いざ新規客にアプローチしてみると総スカンを喰らう、なんていうのはよくある話で。
結局、誰かの見よう見まねで始めたビジネスを「好きなこと」「やりたいこと」と思い込んで盲目的に進んでいくので、稼ぐことができなくなったら、モチベーションが維持できなくなり、挫折してサラリーマン中心の生活に戻るか、悪どい商法に走り出すんですよね。
で、なぜそうなってしまうのかというと、お客さんを置いてけぼりにして自分中心でビジネスを始めるからです。
しかも、特に計画性もなく、稼がなければならない額もわかっていないので、その額を稼ぐために必要なリソースやスキルを身につけようともせず、ビジネスパートナーとは皆無の人脈集めばかりするんですね。
そんなスタイルで、自分もビジネスも成長するはずもなく、結果的にお客さんにも必要とされなくなります。
稼ぎたい額を最初に決めてしまう
そんな不毛なビジネスをしないためにはどうすれば良いのかというと、「稼ぎたい額を最初に決める」ということに尽きます。
例えば、「1年後に月収100万円を稼ぐ」というように、いつまでにいくら稼ぐかを決めてしまうということです。
多くの人は、「それこそ自分中心のビジネスじゃないか!」と言うんですが、全然違います。
そもそも稼がなくても良いビジネスなんてあり得ないわけなので、予算を決めるというのはごくごく当たり前の話ですし、きちんと数字を設定することで、やるべきことが明確になるんですよ。
みんな「やりたい仕事」「好きな仕事」を探すことをスタート地点に置きがちだけど、欲しい収入から考えた方がスムーズだよ。稼ぎたい額を決めてその額を得るためにどんなお客さんに何を提供できるか考える。で、その額をもらうために足りないリソースやスキルを把握し、身につける。シンプルでしょ。
— 服部慎也(Shinya Hattori) (@FACTDEAL) 2018年3月15日
まさにこういうことで。
必要な収入を考えることによって、そのために必要な利益をや売上が算出されます。
そうすると、その売上を得るためには、いくらのものをいくつ売らなければならないのかということがわかりますよね。
例えば、100万円(売上=収入と考える)の収入を得たい場合、どう考えても今の自分には1000円の商品しかつくれないのであれば、1000個売らなければならないわけです。
別にそれでも良いんですが、毎月1000個売らなければならないとなると、集客活動だけでクタクタになり、商品のクオリティを上げるための時間を確保ができなくなる可能性があります。
そうなると、ライバルとの差はどんどん開いていき、ジリ貧に向かうのは言うまでもなく。
しかし、がんばって10000円の商品をつくれば、集客数は100人で済み、商品のブラッシュアップや他の商品開発に時間を使えるようになりますよね。
10000円の商品をつくるためには、お客さんに、「これで10000円は安い!」と思ってもらうために、自分は何をすべきか、誰に何を手伝ってもらうべきかなどをとことん考える必要が出てきます。
それって、10000円の価値を提供するために、お客さんのことや商品のことをとことん考えるということなので、「今はこれくらいのクオリティの商品しかつくれないので1000円で勘弁してください」っていうレベルではつくれない商品が生まれるわけです。
ということで、「稼ぎたい額」を最初に明確にする方が、好きなことややりたいことというスタート地点から始めて、「とりあえず無料でいっか」「とりあえず1000円でいっか」という商品をつくったりビジネスを展開するより、圧倒的に自分の商品やビジネスを愛せますし、お客さんのことも考えられます。
結果として、それが「やりたい仕事」や「好きな仕事」になったりするんですね。
好きなこともやりたいことも見つからない、誰かに乗っかるのもイヤだという人は、稼ぎたい額を先に決めてしまって、そのためには
・どんな困っている人に
・どんな商品をいくらで提供して
・どんな状態にしてげたいか
をとことん考え、その上で自分の足りないリソースやスキルを埋める、あるいは、ビジネスパートナーを見つけるというアクションを取ってください。
もちろん、「稼ぎたい理由」は誰かに言う必要もありません。
ただ、欲望や欲求は、強くて深い方がビジネスは上手くいくので、稼ぎたい理由がライトサイドなものであれ、ダークサイドなものであれ、自分自身ではしっかりと把握しておくようにしましょう。