今回は、リマインドも兼ねてマーケティングの基本の話をしていこうかなと思います。
マーケティングというか、ビジネスをしている人であればだいたいの人が聞いたことがある「マーケットイン」と「プロダクトアウト」なんですが、マーケティング的にどちらが正解だと思いますか?
まぁ、プロダクトアウトは簡単に言うと「自分が作りたいものを作って売る」ということなので「相手のことを考える」というマーケティングの概念的にはズレていると感じる人も多いかもしれませんね。
しっかりリサーチし、お客さんのニーズを汲み取って商品を作るマーケットインこそマーケティングじゃなかろうかと。
セオリーとしては、マーケットインとプロダクトアウトこの2つはステップを踏んでいきつつ、最終的に融合するというのがベストな考え方です。
まぁ、マーケティングを勉強している人はわかりますよね。
セオリーと最近の流れ
まずはプロダクトインでお客さんが欲しいものを作り、ファンになってもらったら自分が売りたいものを売るとういう、いわゆるフロントエンド〜バックエンドの流れがセオリーです。
最近はアパレルを展開しているYouTuberが多いですが、アパレルに限らず物販を展開している人はこのパターンが多いですね。
まずはYouTubeで視聴者が求めるコンテンツを提供し、ファンになってもらい、ファンになってもらった人に売りたいものを売ると。
ファンは「この人が作るものなら」と、よほどゴミのような商品でない限り、商品自体にそこまで魅力を感じてなくても、それが自分の欲しいものと錯覚して買ってくれるわけです。
まぁ、この流れはYouTuberに限らず、マーケティングのセオリーとしてみんながやっていることですね。
少し修正するなら、通常のビジネスではフロントエンドでは「お客さんが欲しいもの」を売り、バックエンドでは「お客さんに必要なもの」を売るので「売りたいものを売る」とは少し違ってきます。
プロダクトアウトの表現を近づけるなら「自分が良いと思うものを売る」ですね。
ただ、これはインフルエンサーだからこそ「欲しいものを売る ▶︎ 売りたいものを売る」ができるわけでして、ここを勘違いしてはいけません。
けっこう多いんですよ。有名になったから売りたいものを売ろうとする人。
広告に頼らないD2Cが最強
売りたいものを売るというのは、あくまで「影響力+コンテンツ」があってこそのアプローチであって、ただ影響力があるだけでは継続性のないビジネスになってしまいます。
なぜなら、影響力とコンテンツの両輪がある人は、売りたいものを売ってそれがショボかったとしても、すでに信用されていて人気のあるコンテンツがあるので、最終的にそこに立ち返れば良いだけですからね。
反省を生かして、次はファンが欲しいものを作って売れば良いんです。
このように、コンテンツホルダー兼インフルエンサーは、何度でも自力でD2Cビジネスができるので最強ですよね。
一方で、コンテンツを持っていないインフルエンサー、要はただ有名なだけ、ただフォロワーが多いだけの人は「この人フォロワー集めてゴミ商品を売りたかっただけなのか、もういいわサヨナラ〜」で終わりです。
こういった失敗をしないためにも、どれだけ有名になったとしても「売りたいものを売る」というアプローチはできるだけ避けたほうが良いでしょう。
最初は売れ逃げできたとしても、商品自体に価値を感じてもらえず、影響力まで失ってしまったら最悪ですからね。
コンテンツがない、でもマーケティングやセールスでしくじって影響力を失いたくないというのであれば、お客さんが求める商品を作って売るというのが鉄則です。
プロダクトアウト的なアプローチであっても「自分が作りたいもの」と「お客さんの問題を解決するもの」が重なるところにフォーカスして商品開発するようにするのが肝です。
セオリーを無視する方法
と、ここまで話しておいてなんですが、セオリーは無視することができますし、むしろその方が良い結果を出せる人もいるんですよね。
自分自身の基本的な性格を理解し、その性格にあったマーケティング的なアプローチをした方が良いということです。
例えば、マーケットインのアプローチはビジネスとして無難ですが、良くも悪くもとことんお客さんに究極的に迎合するので、自分の軸や信念、あるいは情熱が伝わりにくいんですね。
経営理念とかでよく見る「全てはお客様のために」というのは、安心感は得られますが、お客さんの想像を超える体験を提供できなければ次はないということになります。
マーケットイン型でいくなら「お客様オタク」でなければならないのです。
逆に言えば、お客さんのために利益度外で全てを賭けられるという究極の利他主義&究極の観察眼(リサーチスキル)を持っているの人は、このアプローチで勝てます。
一方で、プロダクトアウト型の人は自分のために狂える人です。
プロダクトアウトでも、自分が心の底から良いと思う、自分が絶対に作りたいと思うからこそクレイジーになれるし、その情熱がどんどん伝播していくので、半ば無理やり創造したニーズでもお客さんの顔面をぶん殴ってKOできるんですね。
自分の趣味趣向と明らかにかけ離れているのに「なんじゃこれ?」となって、一気に引き込まれたが経験は誰もがあると思うんですよ。
そういったものを生み出せるという人(というか狂った先に生み出されるわけですが…)はプロダクトアウト思考で攻めても良いかなと。
自分のためか人のためか
まとめると、自分のことだからこそ妥協なく狂える人か、他人のためだからこそ妥協なく狂える人かの違いですね。
自分のやりたいことだからこそ妥協なく狂える人(プロダクトアウト)か、他人を幸せするためだからこそ妥協なく狂える人(マーケットイン)か、ぶっちゃけビジネスはどっちでも良いんですよ。
ただ、ここまで話したように、情熱が伝わりやすいのは圧倒的に前者。
後者は良くも悪くも「究極の迎合」なので、自分の軸や信念を示しにくいということですね。
まぁ、両方のアプローチができるのが最強なんですが、最初からそうはいかないので、まずは片方ずつ試してください。
やっているうちに、どちらかがどちらかを呼び込むこともあるので。
マーケットインの狂人か、プロダクトインの狂人か、自分自身はどっちのマーケティングの狂人なのか把握していますか?