ビジネスでは守破離の「守」から始めることがセオリーだと言われていますし、僕も今まではそう伝えることが多かったです。
とにかく基礎が大事!基礎を大事にしましょうと。
が、実はそうではないパターンも多数存在していて、クライアントの性格やビジネスのステージによってパターンはいろいろ変えてきたんですね。
ちなみに守破離というのは..
守:師匠や流派の教え、型、技を忠実に守り、確実に身につける段階。
破:他の師や流派の教えについても考え、良いものを取り入れ、心技を発展させる段階。
離:一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる段階。
と説明されていて、簡単に言うと「守」は一人の師匠や先生から徹底的に学び「破」はいろんな達人からいろんな良いものを取り込み「離」は独立してオリジナルになれ、ということです。
確かにセオリーとしてはこれが正解です。
が、人によっては「破」から始めたり、場合によっては「離」から始めたりする方が上手くいくパターンがあるんですね。
で、こういう話をすると「それって才能やセンスがある人、能力がある人の話でしょ?」と思う人が多いんですが、実はそういうわけではなく、むしろその逆で、自分の能力やセンスに自信がない人ほど「守」スタートは避けた方が良いです。
これは、僕がこれまでいろんな人をコンサルしてきてわかったことなので、今現在「守」を徹底していて長期間くすぶっている人は一気に突き抜けるきっかけになると思います。
ぜひ参考にしてみてください。
「離」からスタートする
これはどういうことかというと「細かいことは気にせず壁にぶつかるまで直感に従って我流でやり切ってみる」ということです。
どういうタイプの人がこれに向いているのかというと、コツコツするのは苦手だけど行動力だけはあるという人ですね。
こういった人は、誰かにピッタリくっついて学んだり、本を読んだり、いろんなノウハウを集めたりするのではなく、まずは自分の行動やその結果から身を以て学んだ方が良いです。
昔ながらの経営者とかはこのパターンの人が多いですよね。
我流になると遠回りになる場合も多いんですが、その遠回りの道中でリアルな経験(主に失敗)を積んでいくので、生き方がオリジナルとなり、誰にも真似できないものが得られるわけです。
特に、商品やサービスの特徴による差別化が難しくなっている現在では、人間的な魅力を醸成するためにも、行動力のある人はまずはやりたいことをやりたいようにやった方が良いです。
例えば、ブログを書くセオリーとしては、一般的な専門家が提唱している
ライティングを学ぶ
SEOを学ぶ
リサーチをする
コンセプトを決める
デザインやレイアウトを整える
コーディングを学ぶ
アクセス解析を学ぶ
といった「守」があり、その次のステップとしていろんな人の見解を取り入れてブラッシュアップさせていく「破」に流れていきます。
内容は違えどYouTubeも同じようなステップを踏みますよね。
が、そんなものはすっ飛ばして、コンテンツやライフスタイルそのもので求心している人もいて、そういった人は細々と勉強しているわけではなく、足を動かして経験を重ねることを優先しています。
そして、それをブログやYouTubeで表現する上で、
破:いろんな人から発信ツールやその使い方について学ぶ
守:その中で最も信頼できる人から集中的に学ぶ
という逆の流れで進んでいくわけですね。
全ての成功者がセオリーを徹底して、最初からコツコツやっているわけではなく、むしろセオリー外のこと(多くの人がやっていないこと)を先にやって、それをビジネスに転換する作業に移していく人もいるということです。
Twitterでもたまに見かけると思うんですよね。
登場した時から、群れずに好きなことをガンガンやっているのに、いつの間にか多くの人が周りに集まっていて、その周りにいる人がその人の苦手なことを手伝ったり教えたりしている光景。
マインドならともかく、いつ通用するかわからない型や技を1人の人間から長期間盲信して学ぶのは今の時代に合っていないんですよ。
ブログを書く上でSEOの専門家からSEOについてコツコツ学んでいた人は今頃どうなっているかと言うと…という話です。
「破」からスタートする
これはヒトコトで言えば「ノウハウコレクター」です。
ノウハウコレクターと聞くと、セミナーに行きまくったり、情報商材を買い漁ったり、いろんなオンラインサロンに入ったり、いろんな人のコンサルを受けたりして何も行動しない人というイメージがありますよね。
勉強ジプシーとでも良いましょうか。
こういった人の多くは、ビジネスをする上で「安心感」が得たいのであって、ノウハウが得たいわけではないんです。
ノウハウが得たいと思っている人は、まずは行動して足りない部分を補ったり、さらに強化したりするためにノウハウを求めるので。
ただ、必ずしも「ノウハウコレクターはダメ」ということではなく、ノウハウコレクターの中には安心感ではなく純粋に知識が欲しい、つまり「知的好奇心」に従っている人もいて、それは消して悪いことでありません。
で、それは安心感ではなく「慎重さ」に従っていたりします。
ある程度ノウハウを蓄積してから“慎重に”「離(直感による行動)」に進めば、経験をより豊かで濃いものにできる可能性があるからです。
素手でモンスターに挑みに行くのではなく、いくつか武器を持ってモンスターに挑みに行くという感じですね。
そして、そこである程度の自力はつくものの、基礎的な体力や筋力がないことに気付き「守」に移っていくという流れになりますw
旅行でいうと、ノープランで行く楽しみやイレギュラーな経験による成長もありますが、情報やアイテムを持っておくことでさらに楽しむことができるという考え方です。
ちなみに、僕は完全にこのパターンです。
基礎とか型とかはすっ飛ばすけど、とりあえず片っ端からいろんな情報やノウハウを集めて戦える状態にだけしといて行動します。
それらが使えるかどうかを試すという意図もありますね。
で「ここはめちゃくちゃショボいな」という自分のウィークポイントに気付いたら、いろんな分野に精通しつつも、特にその分野に強い人に指示して徹底的に学ぶという流れを取ります。
「守」からスタートする
ここまでの流れを見ると、守破離の「守」からスタートすることって意外とハードルが高いと思いませんか?
いや、実際にハードルが高いんです。
なぜなら「守」からスタートして上手くいくのって、コンサルタントや師匠がいること、つまり強制性が働く環境であることが大前提だからです。
さらに言うと、そのコンサルタントや師匠が優秀であることがマストです。
または相当な自立心や自制心を持ち合わせているかどうか、あるいはそれすらも必要ないほどの強烈なモチベーションがあるかどうかが必要になってくるんですね。
そうじゃないと、人間は所詮サボる生きものであり、変化を好まない、成長を求めない生きものなので、そもそも「コツコツ」とセオリーをこなしていくこと自体がハードモードなんですよ。
なので、それが向いていない人、というか多くの人が向いていないと思いますが、そういった人は知的好奇心を満たすために学びまくること(破)や、直感でやりたいようにやってみること(離)からスタートした方が挫折を回避しやすくなります。
なおかつ、独自性や差別化も醸成しやすくなるんですね。
自分の能力やセンスに自信がない人ほど、セオリーは無視して能動的に動くことでそれらは磨かれていきますし、机上の学びではなかなか気づけない自分の強み弱みに気づくことができます。
特定のタスクを積み上げたり、そのために特定の人に指示するのは、それらがわかってからで良ということですね。
あなたはどのタイプでしょうか。
勘違いしてはいけないのは、今回の内容は基礎が大事ではないという話ではなく、セオリーに縛られて思考や行動が低迷している人は順番を変えてみると良いですよという話です。
ぶっちゃけ、自力で「守」を徹底して上手くいっている人はあまり見たことがないですしね。
セオリー(守)に苦しめられている人は、ノウハウコレクター(破)か行動家(離)、どちらかで再スタートしても良いと思いますよ。
ぜひ参考にしてみてください。
守破離に関しては過去のツイートでもブツブツ言ってましたね。
起業の際は守破離の「守」からと言われけど、これは大嘘。まずは守破離の「離」から、つまり自分で調べて、考えて、行動し、その中で自分には何が足りないかを知り、それを補ってくれるコンサルタントを見つけなければならない。
それもせずに、いきなりコンサルタントに頼ろうとするから騙されれる。
— ハットリシンヤ|マーケとカメラとイロイロ (@FACTDEAL) August 27, 2021
守破離の「守」を徹底しろというのは指導者側の都合。その方が従順にコントロールしやすいから。
でも実際は与えられた「守」なんてクソで、最初にすべきは「離」。下手でも何でも良いから(再起不能にならない程度に)我流で走ってみる。
その中で何を積み重ねるべきか理解し「守」に移行する。
— ハットリシンヤ|マーケとカメラとイロイロ (@FACTDEAL) May 31, 2021
ビジネスする上で守破離がセオリーやけど、最近思うのは「最初は我流で突っ走った方が良い」ということ。
Twitter見てると誰かと同じような肩書きやツイート、アイコン、プロフィールが蔓延してて個性が全然無い。
これは真似し過ぎて個性が死んでる証拠。下手くそでも我流の人の方がおもしろい。
— ハットリシンヤ|マーケとカメラとイロイロ (@FACTDEAL) May 29, 2020