今日のテーマはこれしかないですね。
ふだんはこんなこと絶対SNSには書かないんだけど。情報戦略のプロとして、そして一人の国民として、オリンピックと緊急事態宣言について考えたこと。 pic.twitter.com/AHnqN2vOjk
— 三浦崇宏 GO (@TAKAHIRO3IURA) July 10, 2021
反面教師としては非常に良い勉強材料だと思いますが、規模の代償はあれど多くの人がやってしまいがちなので、その注意点などについて、
ちなみに、僕のストレートな感想はこれです。
こういう「言葉」での心理誘導、枝葉へのアプローチがマーケティングだと思ってる人多いんだろうな。
まず多くの人が欲しいと思える良い商品があって、その魅力を100%伝えて背中を押すのがマーケティングなのに。
売っていけないものを言葉巧みに売ろうとするのはマーケでなく限りなく詐欺に近い。 https://t.co/R67qkj7CYG
— ハットリシンヤ|マーケとカメラとイロイロ (@FACTDEAL) July 11, 2021
最初にこのツイートを見たときはRTやイイネの数だけ見て「うわー、みんなこれに共感しちゃうんだ…」と危機感を感じたんですが、よくよく調べるとちゃんと炎上していたので、むしろ健全だなと安心しました。
マーケティングの役割
ツイートでも書いたんですが、マーケティングの役割というのは、わけのわからない粗悪な商品を無理やり誰かに買わせることでもなければ、そういった類のテクニックでもありません。
ちょっとMLMっぽいワードになりますが「商品が良いのは当たり前」がマーケティングのスタートラインです。
本当に良いもの、人の役に立つ商品に関して「どうすれば買いたいと思ってもらえるか」と相手の気持ちを考えて言語化し、伝え、実際に購入してくれた人と良い関係性を気づくのがマーケティングなんですね。
そう考えた場合、このツイートの発信はズレまくりです。
そもそも、商品である「オリンピック」がかなり粗悪じゃないですか。
販売前から人を傷つけ、苦しめ、リリースされたらもっと多くの人を苦しめる可能性をふんだんに含んでいるわけですから。
しかも「安心安全なオリンピック」と謳いつつ、その根拠や具体策が明確に示されていないということは「これは安心安全なお菓子です」と謳いつつ、原材料も賞味期限も記していないのと同じですからね。
この人のツイートが超わかりやすいですが、それを情報発信の力で売ろうとするということ自体が大きく間違っているわけです。
これ、私が考える世の中から無くなった方がいい広告・マーケティング事例ど真ん中です。世の中に広まった方がいい製品・サービスが必要な人に届くための言葉選び・表現であるはずがサービスの実態を何一つ変える事なく言葉巧みに相手を騙す事を目的とするのは情報戦略ではなくただの詐欺です。 https://t.co/etCGacYhD5
— ラスク☕️ (@letmetalkfirst) July 10, 2021
まぁ、今回は政治的な部分を言及するための記事ではないので、オリンピック自体の話にはこれ以上触れませんが。
ストーリーとは
今回の話題で、マーケティングもそうでしょうし「ストーリー」という言葉も胡散臭いものとして扱われるようになりそうですね。
映画やドラマと違い、ビジネスにおけるストーリーとは事実を魅力的に伝えることであり、話を盛ったり、都合よく切り取ったり、虚偽の要素を盛り込んで作るものではありません。
ビジネスや政治のストーリーで、そういった要素を盛り込むのはステマ、プロパガンダと言います。
ただ、多くの人がマーケティングを売上をあげるテクニックだと認識しているように、ストーリーに関してもそういった認識なんでしょうね。
良い未来を想定して、そうなるために逆算してストーリーを考えることは素晴らしいことなんですが、それはこれから作っていくから素晴らしいのであって、すでに過ぎたストーリーをウソで塗り固めて「こうすべきだった」と語るのは、やはりプロパガンダでしかないのです。
情熱と想いが乗っていない
なぜこのツイートが炎上したのかというと、多くのリプにもあるように「民意を理解していない」というのもあるんですが、オリンピックに対する情熱や想いが薄っぺらいんですよね。
政府の陽キャバージョンみたいな感じで淡々と語っているだけで、この人独自のオリンピックに対する情熱や想いがないんです。
言っていることは政府と何ら変わらないじゃないですか。
挙句の果てに最後にあるのがこれで、自分に酔っているだけなんですよね。
そんなわけないよな?情報発信を間違えているだけだよな、そう信じさせてくれよ
おそらく最後の最後で「自分のストーリーを作りたいだけやん」「自分のブランディングのためやん」ってツッコミを入れた人も多いのでは。
商品に対して情熱や想いがない人ほど、言葉や心理テクニックでそれをカバーしようとするんですよね。
情報商材のクッソ長いLPやセールスレターなんてわかりやすい例で。
商品そのものに魅力があって、魅力を感じてくれている人だけにしか売る気がなければ、必要なのは背中を押すための少しの言葉や文章だけで良くて、あの手この手を使って心理誘導なんてする必要がないわけです。
二極化するブラックマーケティング耐性
冒頭で言いましたが、このツイートが炎上したことは健全だなと想いましたし、消費者は賢くなっているなと感じました。
というか、二極化していますね。
ブラックマーケティングが浸透してきたことによって、ストーリーという皮を被ったプロパガンダに飲み込まれている人と「消費者をバカにすんなよ」とプロパガンダをプロパガンダと見抜ける人に二極化しているなと。
そういった意味でも、このツイートがそこそこ炎上したのは健全ではあるなと思います。
ブラックマーケティングに飲み込まれないためには、やはり「誰が言っているか」ではなく「何を言っているか」で判断しないとダメですね。
このツイートの内容に共感してしまう人のほとんどは「誰が言っているか」で判断している人たちだと思うので。
ブラックマーケティングの餌食にならないためのコツは「自分のベネフィットは自分で考える」こと、インプットする、購入するメリットもリスクも全部自分で考えることですね。
情報発信に含まれている「大勢の人がそうだろう」を前提に書かれてるベネフィットに流されないこと、情報や商品の必要性を自分の頭で考え、自分の言葉で導き出すことです。
今回のことを反面教師に、ブラックマーケティングに飲み込まれないように、くれぐれも注意してください。