コンサルタントという仕事をしていると、論理的に子育てをしてるように思われがちなんですが、僕はわりと放任主義でやっていて、どちらかというと妻の方がカッチリしている感じです。
親が二人ともカッチリしてたらしんどいですしね。
僕が大事にしているのは、ロジックバリバリのコンサル思考より「相手の気持ちを考える」ことに重きを置いたマーケティング思考、発想ですかね。
論理的な思考法は、あとから勉強しても身につけやすいですし、思考の基盤となるフレームワークもたくさんありますから。
でもマーケティング思考は、できるだけそういった考え方をする機会や環境を与えておかないと、あとから訓練で身に着けることってなかなか難しいと思っていて。
マーケティングは、リサーチ力や改善をはじめとするPDCAも大事なんですが、想像力や優しさ、直感こそが大事だと思っているので。
ちなみに、子育てや子ども自身が考える上でマーケティング思考はどう入り込んでくるのかに関してはこちらでツイートした通り。
今日クライアントと「子どもの教育もマーケティングだよね」っていうの話をしてて。
子どもにお小遣いをあげるとき、「皿洗いという労働の対価」として100円あげるのではなくて、「皿洗いを手伝うことでママが得られる幸せの対価」として100円がもらえるということを教えたいよねと。#子育てマーケ
— ハットリシンヤ|狭くて深いマーケティング (@FACTDEAL) April 24, 2019
うちの息子ももうすぐ5歳になるので、少しずつこういった考え方を教えていっているんですが、実は子どもって何も教えなくても、勝手に「どうやったらママうれしい?」とか言ってるんですよね。
すごく純粋で、僕ら親が喜ぶのを見て、まるで自分のことのように喜んでくれているというか。
子どもは総じてマーケティング能力が高いんですが、結局大人がその能力を奪っていってるんだよなと、親の都合優先の子育てや日本の教育を見ていてそう思います。
なので、身に付けさせるというより、すでに備わっている能力を伸ばしてあげる、失わせないために下記のようなことを教えてあげるということが大事なんじゃないかなと。
① マーケティング思考でお手伝い
② おねだりは「NO」ではなく「WHY」
③ お金は集まってくるということ
今回は大人にとっても重要な内容ではありますが、その場合は身につけるというより、子どもの頃の自分を「思い出す」「呼び起こす」という感覚で向き合っていただければ。
人は生まれながらにして誰もがマーケターなので。
子どもは生まれながらにして想像力が豊かで誰か(親や先生、友だち)の幸せを見て自分の幸せを感じることができる。それはまさにマーケティング能力で。
ただ、型にハメる腐った教育によってその能力は奪われていくため、そうさせないためにも僕ら親がしっかりマーケティングを学ぶ必要がある
— ハットリシンヤ|狭くて深いマーケティング (@FACTDEAL) February 22, 2022
① マーケティング思考でお手伝い
僕は小学生の頃、洗い物や風呂掃除、洗濯物の整理などをすることによって、親からお小遣いをもらっていました。
要するに、労働の対価としてお小遣いをもらっていたということです。
その頃は、子育てを含めた親の大変さなんて微塵も理解していなかったですし、当然、マーケティングなんていう概念はなかったので、その流れが当たり前でした。
それ自体がダメだというつもりはなく。
ただ、目の前の作業を遂行することによってもらえるお金という域は出なかったですし、作業することによって親がどうハッピーになるのかとかは何も考えていなかったように思います。
それ以外のこと、例えば図工で賞をもらったときなどは達成感という感覚だけではなく、親が喜んでくれるのを見て幸せを感じていたように思いますが。
親になってみるといろいろ痛感するわけですね。
育児がどれだけ大変か、ちょっとしたサポートで妻が凄く喜んでくれたり、一緒に飲む時間が確保できたりするのを見ると「作業のその先にあるもの」を見なくちゃいけないなと。
職業上、ビジネスにおいてはベネフィットやら何やら言って理解して実践もしているのに、家庭ではどこか切り離していたところがあって。
だからこそ、子どもにはお手伝いという「作業のその先にあるもの」を見ほしいし知ってほしいなと。
何かお手伝いをしてお小遣いをもらうにしても「なぜそれをすることによってママを幸せにできるのか?」をイメージできるようにし、表面上では「労働の対価」だけど、本当は「相手を幸せにすることによる対価」だという想像力を身につけさせたいんですね。
ママの自由な時間が増えるんだよ
ママの手荒れが治るんだよ
キミの成長を見れて幸せなんだよ
とかですね。
こういったことを、言われなくてもイメージできるようになれば、人間関係も良好に気づけますし、お金にも困らないです。
② おねだりは「NO」ではなく「WHY」
子どもが「〇〇したい!」「〇〇が欲しい!」と言ったときに「ダメ!」と切り捨てている親をよく見ますし、実際「大人の事情」もあるのでやむを得ない部分もあると思います。
ただ、これは僕が育った環境がそうだったんですが、同じような状況において頭ごなしに「ダメ!」と切り捨てられた記憶がありません。
基本的に「なんで?」って聞き返されていたんですね。
で、ちゃんと説明したら「よしわかった、それなら…」とわがままや要望も承諾してもらっていたので、これはぜひ引き継ぎたいなと。
簡単に言うと、子どもがコミュニケーションを取れるようになってきて、金銭の発生を含む何かしらの要望を言ってきたら「簡易のプレゼン」をさせるということです。
ここで大事なのは「自分が欲しいものを手に入れるためのロジック」を伝えることだけではなく、「親にどれだけ自分ごとだと思わせるか」ですね。
そう、①に通じてくるということです。
例えば、欲しいおもちゃを買うことによって「自分がハッピー」なだけではなく、ちゃんとママとパパもそのハッピーに巻き込めるような説明ができるかどうかということですね。
おもちゃで楽しんでる僕を見るのは幸せでしょ
友だちにも貸してあげられる優しい子になるよ
いらなくなったらメルカリで高く売れるよ
みたいな感じで、成長の度合いに合わせて知恵もついていくんじゃないでしょうか(うちの子はまだ第一段階w)。
早い段階でWin-Winはもちろん、もっと人を巻き込んだWin-Win-Winを考えれらるようになれば賢くて優しい人間になるんじゃないのかなと。
③ お金は集まってくるということ
こういった考え方が身につけば、こんな時代なので、かなり早い段階で自分でお金を稼げるようになるかなと思っています。
結果として「お金のために働く」という感覚ではなく、特定の人を巻き込んで、その人たちの幸せをイメージしてアクションを起こせばお金は勝手に集まってくるという感覚を身につけてほしいなと。
例えば「お金を使って自分が欲しいものを手に入れて終わり」ではなく、お金を使って誰かが欲しがるものを手に入れたりつくったりして、それを売ってお金を増やし、またそのお金を使って規模を大きくし、その一部のお金で自分が欲しいものを買う…といったようなことですね。
マシュマロテストにも通じる部分があると思いますが、早い段階でこのリテラシーは身につけさせたいなと。
とまぁ、理想の教育が全てが上手くいくとは思っていませんが、親がこういったことを意識したり、知識を持って子どもと関わったりすることが大事だと思っています。
それによって親も成長できますし、自分のマーケティング感覚やビジネス感覚も研ぎ澄まされていきますからね。
僕自身、これからどうやって子どもと接していこうか、どんなことを教えていこうかと考えるだけではなく、それにまつわるインプットとアウトプットを増やすことで、かなりビジネスにも生かされています。
子どもと接する時間が大幅に増えている今の世の中の状況だからこそ、ちょっと意識してみてはいかがでしょうか。
子育てを真剣に考えることでマーケティングの能力は向上しますし、きっと今取り組んでいるビジネスも成長させてくれますよ。