好きなことをやるべきか、得意なことをやるべきか、みたいな話ってよくありますし、特にビジネスではどちらをやるべきか悩む人は多いです。
なぜこの話をしようと思ったのかというと、たまたまこんなツイートを見かけたからです。
得意なことをやれってアドバイスをよく聞くけど、効率や資本主義としては正解なのは分かるけど、人生って視点では退屈な考え方やなって思うんですよね。
— Keisuke Honda (@kskgroup2017) April 26, 2021
これに関する僕の考え方というのは昔からわりと明確でして。
自分の欲望を満たすことが幸せだと感じる人は好きなことをやれば良いし、誰かの役に立つことが幸せだと感じる人は得意なことをやれば良いと思う。 https://t.co/UPtZqYd5a5
— ハットリシンヤ (@FACTDEAL) April 26, 2021
これなんですが、結局のところ「何に対して幸せを感じるか」ということだと思うんですよね。
人生一度きりなので、そりゃ好きなことをして生きていって、それがお金につながるのであればそんな最高なことはないわけですが、別にそれが万人にとって幸せだとは限りません。
別に好きなことをしなくても、自分が得意だと思えること、例えば「これなら人の役に立てる」と思えることをして生きていくことに幸せを感じる人もいるわけですから。
もっと言うと、その価値観は変わっていくものです。
僕は完全に前者として生きていこうと思っていましたし、それを追求していましたが、結婚をして子どもができてその考え方は180度変わりました。
家族が喜んでくれたらそれで良くて、そのために生きることが自分の幸せだと感じるようになったんですね。
で、その考え方や価値観は家族以外にも波及していきました。
つまり、ビジネスにおいても「誰かの役に立つこと」が大前提になったので、好きなことではなく最も大きな成果を提供できる「得意なこと」のレベルやクオリティを追求するようになったんですね。
まぁ、それが好きなことに変わっていったりするんですけどね。
何でもそうだと思うんですが、好きじゃないことでも何かしらの成果が出ると好きになったりしますし、逆に、好きなことであってもビジネスと関連付けたがゆえに思うような成果が出なければ嫌いになったりします。
であれば、ビジネスに限っては得意なことからスタートすれば良いんじゃないのかなというのが僕の考え方です。
好きなことはプライベートでやれば良いんです。
だって、プライベートであれば成果や成長スピードにこだわる必要がないので、自分のペースでのびのびできるじゃないですか。
フリーランスの特権
それでも「好きなことをやりたい」というのであれば「好きという対象を何に置くか」という考え方があります。
好きなことをWHAT(どんな好きなことをしたいのか)と捉えるのか、HOW(どう好きなようにしたいのか)と捉えるのかということですね。
言ってしまえば、何を売りたいのかといういわゆる商材にこだわるのは前者で、後者はお客さんが喜んでくれることに価値がある、それ自体が好きという人は商材は何でも良いわけです。
どちらが正解とかはなく、どちらも「好きなことで生きていく」です。
フリーランスや起業の特権って「好きなことをして生きていく」を実現できることでもあるんですが、それ以上に「お客さんに尽くし尽くせる」ことでもあるんですね。
サラリーマン時代に会社のルールに縛られて、お客さんに対して自分が思う最高の対応ができなくて悔しい思いをしたことってないですか?
あるいは、こういうこととか。
これはめっちゃわかるなぁ。こんな微妙なサービス提案しなきゃならんのか…キッツー…ってサラリーマンあるあるだと思う。 https://t.co/Nqt6WRtVRA
— ヤコ@YouTube探求者 (@yako_tera) April 26, 2021
こういうことを全部取っ払って、思う存分自分の商売や接客の価値観を実現できるのがフリーランスの特権でもあるわけです。
これが実現できると商材が何であっても(良い商品であることは大前提)楽しくて、後ろめたさゼロなので幸せを感じられます。
僕が独立したのはまさにそういうきっかけで。
お客さんに対して「ここまでサポートしたい」と提案したけど、いろんなしがらみで会社でさせてもらえなかったから、僕だけこっそり特別対応をし続けていたんですね。
そうやって独学でスキルを身につけていくうちに「もう自分でビジネスすれば良いっか」となって起業しました。
僕にとって「好きなことで生きていく」というのは、趣味や好きなことをお金に換えることではなく、ルールに縛られず好きなように仕事をするということだったんですね。
徹底的にお客さんを選ぶというのもそのためで。
お金のために、イヤなお客さんでもガマンして対応するとなるとそれは「好きなように仕事をする」に反することになりますから。
好きなことをやる、つまり「好きなことで生きていく」と一言でいってもいろんな捉え方があるということはを知っておいた方が良いですね。
「好き」の考え方はもっとある
という感じで「好きなことで生きていく VS 得意なことで生きていく」 というような二元論で考えることはそもそも不毛なんですよね。
好きなことで生きていくと言っても
好きなことをビジネスにする
好きなスタイルでビジネスをする
好きな人とビジネスをする
好きな場所でビジネスをする
などなど、WHATとHOW以外にもいろんな考え方があります。
好きな人とビジネスをすることは楽しく幸せなことですし、好きな場所でビジネスができるならそれも幸せなことです。
そういった人というのは、別に好きなことをビジネスにしていなくても、胸を張って「好きなことをして生きている」と言えるわけです。
得意なことに関しても、それは好きなことになる可能性を秘めていますし、それによってお客さんに喜んでもらい、それ自体が自分の好きなことになれば、得意なことと好きなことを同居させることも可能ですよね。
「好きなことをして生きていこう!」
「得意なことをするのがセオリー」
という二元論に振り回されず、両方掘り下げて「自分にとってどうなのか」という解を導きだしてみてください。