どうも、服部( @marketing_factdeal )です。
顧客アンケートを見せてもらうと、「満足しましたか」「スタッフの対応はいかがでしたか」「今後も利用したいですか」といった質問が並んでいることがあります。
もちろん、接客や品質を確認する目的なら必要です。
ただ、全部に「満足」と書かれたアンケートが100枚集まっても、次に何を売り、どの発信を増やし、どこを直せばいいのかはほとんど分かりません。
お客さんに褒めてもらって気分を良くするためにアンケートを取るのであれば、それでも構いませんが、売上や商品を改善するために取るのであれば、聞くべきなのは感想よりも購入前に何が起き、どこで迷い、最後に何を見て決めたのかなんですね。
アンケートは反省会でも人気投票でもありません。
自分では見えていない、お客さんの判断を集めるためのものです。
アンケートを作る前に、何を決めたいのかを決める
質問項目を増やす前に、アンケートの回答を使って何を決めるのかを先に決めます。
商品の打ち出しを変えたいのか。広告やSNSのどこへ時間を使うか決めたいのか。問い合わせから購入までの障害を見つけたいのか。選ばれている理由を言葉にしたいのか。
使い道が決まっていない質問は、回答を読んだ瞬間は面白くても、その後どこにも使われません。
「今後の商品改善のため、ご意見をお聞かせください」と大きな空欄だけ置くアンケートがありますが、何を書けばいいかをお客さんへ丸投げしています。
自由に書いてくださいは、質問を考える側が自由になっているだけです。
今回は、売上とマーケティングの判断へ使いやすい4つの質問に絞ります。
顧客アンケートに入れる4つの質問
1.購入・相談前に、何に困っていましたか
店舗なら「来店前」、サービスなら「相談前」、商品なら「購入前」に置き換えます。
大事なのは、「当社の商品に何を期待しましたか」と、自社の商品を前提に聞かないことです。お客さんが最初から欲しかったのは、あなたの商品ではなく、自分の困りごとがなくなった状態だからです。
たとえば、コンサルティングを依頼した人も、「コンサルを受けたかった」のではなく、新規客を増やしたかったのかもしれないし、相性の悪い客を減らしたかったのかもしれない。自分で判断できず、優先順位を一緒に決めてほしかったのかもしれません。
購入前の困り方が分かると、商品ページや発信の入口で何を伝えるべきかが見えてきます。
抽象的な回答が来た場合は、「具体的に困った場面はありましたか」「それによって何が止まっていましたか」と一段だけ掘ります。
2.最初に、どこで知りましたか
Google検索、X、Instagram、YouTube、紹介、広告、イベント、既存顧客からの再購入など、最初の接点を聞きます。
ここで「最後にクリックした場所」だけを聞かないことが大事です。
Xで知り、ブログを何本か読み、しばらくメルマガを受け取ってから申し込んだ人に「申込前に見たページ」を聞けば、ブログやメルマガの存在が消えてしまいます。
なので、最初に知った場所に加えて、可能であれば「申込前に参考にしたもの」も聞きます。
これによって、出会った場所と、信用を作った場所を分けて考えられます。
3.知ってから購入するまで、何に迷いましたか
旧記事では「知ってすぐに来店しましたか」と聞いていましたが、今は期間そのものより、止まっていた理由を聞いた方が使えます。
価格なのか。自分に合うか分からなかったのか。他社と比較していたのか。内容が分かりにくかったのか。家族や社内の確認が必要だったのか。単に今すぐ必要ではなかったのか。
この回答には、購入しなかった人の理由は含まれません。それでも、実際に購入した人が途中で感じた不安は、商品ページ、FAQ、相談時の説明を直す材料になります。
「特にありません」という回答を無理に掘る必要はありませんが、複数人から同じ迷いが出るなら、そこはお客さんの理解力ではなく、こちらの伝え方の問題です。
4.最後に購入・依頼を決めた理由は何でしたか
この質問で知りたいのは、褒め言葉ではなく、比較の最後に残った判断材料です。
実績、価格、説明の分かりやすさ、考え方への共感、紹介者への信用、対応の速さ、他にはない機能。売る側がウリだと思っていたものと、お客さんが決め手にしたものが違うことは普通にあります。
回答が「信頼できそうだったから」なら、「何を見て、そう感じましたか」と聞きます。「丁寧だったから」なら、どの場面のどんな対応だったかを聞く。
お客さんが実際に使った言葉は、商品ページの見出し、プロフィール、広告、相談時の説明を直す材料になります。
ただし、一人の回答をそのまま全顧客の総意として扱わないことです。
たまたま声の大きい一人へ事業全体を合わせると、アンケートを取る前よりブレます。
そのまま使える質問文
実際にフォームへ入れるなら、次の形で十分です。
- 当社を利用する前、どんなことに困っていましたか。具体的な場面があれば教えてください。
- 当社を最初にどこで知りましたか。また、申込前に参考にした情報はありますか。
- 知ってから申し込むまでに、迷ったことや不安だったことはありましたか。
- 最後に、他の選択肢ではなく当社を選んだ決め手は何でしたか。
店舗なら「当店」「来店」、商品なら「この商品」「購入」と置き換えてください。
回答欄は自由記述を基本にしつつ、集計したい流入経路だけ選択式にする、といった使い分けが現実的です。
意味の薄いアンケートにしないための注意点
誘導して、自分の仮説を言わせない
「スタッフの丁寧な対応はいかがでしたか」と聞けば、丁寧だったことを前提に答えさせてしまいます。
「利用中に印象へ残った対応はありましたか」の方が、お客さん自身の判断を拾えます。
アンケートは自分の正しさを確認するためではなく、自分の仮説が外れている場所を見つけるために使います。
満足度だけで終わらせない
5段階評価は集計しやすい反面、「なぜその評価なのか」が分かりません。
数値を取るなら、「その点数を付けた一番大きな理由」を一つだけ聞きます。
グラフを作ることが目的になると、見栄えのいいアンケート結果と、何も変わらない事業が完成します。
質問を増やしすぎない
知りたいことを全部聞こうとすると、回答率が下がり、後半ほど内容も雑になります。
今回の4問を基本にして、その時に決めたいことへ直結する質問を一つか二つ追加する程度で十分です。
公開するときは許可を取る
回答を「お客さんの声」として公開する場合は、名前、会社名、写真、回答文をどこまで掲載してよいかを別に確認します。
アンケートへ答えたことと、広告素材として使ってよいことは同じではありません。
回答を集めた後にやること
アンケートは集めて終わりではありません。
困りごとは、商品ページと発信の入口へ反映する。
知った経路は、接点を増やす媒体を決める材料にする。
迷った理由は、FAQ、説明、価格、申込導線の改善に使う。
最後の決め手は、自分たちのウリを見直す材料にする。
すべての意見へ応える必要はありません。誰の要望まで受け入れ、何をやらないのかは、自分たちのコンセプトと顧客像で決めます。
アンケートは、お客さんに事業の答えを決めてもらうものではなく、自分たちが正しく判断するために、見えていなかった事実を受け取るものです。
聞いた通りに全部変えるなら、経営ではなく多数決になりますからね。
顧客の声を、誰と付き合い、何を提供するかへつなげる考え方は、コンセプトメイクとは、きれいな言葉を作ることではないでも詳しく書いています。






















