Twitterで最近好きなアカウントがありまして。
営業に関するノウハウやマインドセットをキングダムの王騎のキャラでツイートしているアカウントなんですが、これがなかなか面白くて。
強制はしないですが要チェックですよォ?ココココ
ンフ?日当り重視のお客様だから雨の日は物件に呼べない?救いようのないバカ者ですねェ。そういう方こそ雨天時に連れ出すべきなのです。物件の"最悪のコンディション"をあえてお見せすることで「これ以上暗くなることはない」状態を知っていただくのですよ。晴れの日に明るいのは当たり前でしょォ?⇒
— ouki@宅建士 (@oukirealty) July 11, 2020
キングダムが好きなので設定はもちろん好きなんですが、商売やお客さんとの関係性構築について本質的なことを多くツイートしているので、マーケティングとかぶるんですよ(著作権のツッコミは置いといて…)。
マーケティングと営業は似て非なるもの、水と油だと思われがちですし、営業活動を不要にさせるものがマーケティングだとも言われます。
営業って、一般的に「飛び込み営業」といったイメージが強いですからね。
まぁ、お客さんの利益よりも会社の利益、自分のインセンティブ優先で、しつこいテレアポやゴリ押しのセールスをするイメージを持っている人が多いかもしれません。
ウルフ・オブ・ウォールストリートのようなw
この映画の「オレにこのペンを売ってみろ」は有名なシーンですよね。
ただ、マーケティングと相反するのはセールス至上主義、利己主義の営業であって、お客さんとの関係性を大事にする営業は「優良顧客だけを継続的に獲得する仕組み」というマーケティングの定義と同じです。
賢い営業マンは結果的にその方が数字を伸ばせることを知っていますし。
そういった、小手先のトークスキルや心理誘導テクニックだけではなく、その裏や先にある商売の本質や人間関係の構築に関するツイートが多かったので彼に共感しました。
で、彼はその本質部分を「営業態度」と言っていて。
ンフッマーケターの方に解説頂けるとは有難いですねェ。仰る通りです。限られた検討期間に商品のデメリットを躊躇なく出そうとしてくれる営業マンが、信頼されないはずがありません。これが以前からお伝えしている"営業態度"です。この姿勢は"知識"や"技術"ではなかなか補えないでしょうねェ…ココココ https://t.co/w5Uxdt0pnP
— ouki@宅建士 (@oukirealty) July 12, 2020
これはめっちゃわかりやすいし良い言葉だなと、ひさびさにハートを射止められました、いや、王騎のあのデカい槍でぶった斬られました。
タイトルの「マーケティング態度」というのはそのパクリです。
僕自身、営業経験もあるので、基本的にマーケティングと営業の考え方はミックスされていて、例えば「SPIN営業術」なんかはバチクソ活用していますからね。
これなんてまさに「営業態度」の話。
小手先のテクニックで切り抜けよう、数字上げようというノウハウではなく、どちらかというとリサーチやヒアリングの話で、お客さん自身も気づいていないニーズを明確にしていく方法について書かれています。
マーケティングでもあり、お客さんと一緒に第三の解決策を見つけるコンサルの手法でもありますね。
と、前置きが長くなりましたが、じゃぁ「マーケティング態度」とは何かについて僕なりに書こうかなと。
知識や技術ではない部分のマーケティングとはという話ですね。
下記のようにTwitterでは軽く触れたことはありますが、これよりももう少し細かい話をしていきます。
【マーケティングの7ステップ】
❶自分を知り(リソース)
❷相手を知り(ニーズ)
❸相手に知ってもらい(ブランド)
❹相手に必要としてもらい(ディール)
❺相手をさらに深く知り(リサーチ)
❻相手にさらに必要としてもらい(リピート)
❼良い関係性を継続する(パートナー)ザ・相互理解。
— ハットリシンヤ|マーケとカメラとイロイロ (@FACTDEAL) June 1, 2020
① 自分の戦闘力を知る
自分を知るということは自分のリソースや戦闘力を知るということです。
商売というのは、お客さんはもちろん、従業員やビジネスパートナーを巻き込むことで成立するものなので、ここを見誤ると全員が不幸になります。
キングダム的な切り口で言うと、自分が王、あるいは将軍だとすると、軍や民を巻き込むということですね。
なので、勝てない戦いに挑んではダメですし、自分の能力だけでは解決できない案件があったとしたら、仲間の力を借りたり、そもそも適した人物を紹介するべきで。
営業とは違いますが、アパレル業界でセールスコンサルをしている彼(@Playtopseller)は、ポール・スミスでの販売員時代、自分の店にお客さんが求めるものがなくて隣店のタケオキクチにあった場合、躊躇なくそちらへの来店を勧めていたそう。
もちろん彼はポールスミスのNo1セラーだったわけですが、こういったお客さんが彼を求めてリピートしていたからなんですね。
お客さんからしたら「この人なら嘘偽りなくなくアドバイスやコーディネートをしてくれる」と思いますし、それができる問題解決(コンサルティング)スキルがあったわけです。
ダメダメ販売員は、目先の数字のために何としてでも自分の店の商品を売ろうとしますからね。
その結果、その商品を購入したお客さんがどうなるかはご想像の通りで。
それだけではなく、ブランドにも傷が付き、売上が下がると給料が減ったりノルマを課されたりするので、他の従業員にも迷惑がかかるということになるわけです。
給料が減って、ノルマや労働時間、ストレスが増えると従業員の家族にも迷惑がかかりますね。
商売はお客さんのことを理解するのは大事ですし優先されがちですが、その前に自分のことをちゃんと理解しているか?と。
そこを理解せずに「何としてでもこの人の役に立たなければならない」といった歪な使命感を持ってお客さんに接すると、やはり態度も歪かつ不誠実になり、多くの人を不幸にするのです。
② 相手のニーズの向こう側を知る
僕は普段から「コンサルの仕事はクライアントが行きたいところに連れて行くのではなく、クライアントが行くべきところに連れていくこと」だと言っているんですが、これがまさにそうで。
念のために言うと、クライアントが行きたいところに関して無視するというわけではありません。
もちろん、その場所があまりにヤバイ場所であれば指摘はしますが、それが妥当な場所なのであればまずはその場所に連れて行き「でも本当はこの場所に行きべきなんですよ」というさらに素晴らしい場所を教えてあげると。
それがお客さんが気づいていないニーズを見つけてあげるということです。
まずは行きたい場所に連れて行ってあげないと「この人に任せたら安心だ」と思ってもらえないので、行くべき場所をどれだけ真剣に伝えても聞く耳をもってもらえません。
リピートされようがないということですね。
たとえば、僕の行きつけの整体屋さんがあるんですが、ここの仕組みは「リピートを推奨していないのにリピートしてしまう」んですね。
どういうことかと言うと、例えば首が痛くなって通院したとすると、痛みを治してくれたあと、通院しなくても良いようなセルフケアの方法をめちゃくちゃ詳しく教えてくれるんですね。
この先生が推奨する行くべき場所というのは「そもそも整体屋に行かなくても良いように普段からしっかり自分でケアをしましょう」なわけです。
でも、僕はリピートする、いや、してしまうんです。
なぜかと言うと、セルフではカバーしきれないメンテナンスのためと、より良い状態にボディチューニングをしてもらうため、という目的ができたからです。
ちゃんとできているかを確認してもらうため、とは言いつつも素人が自分でやるには限界があるので、今どういう状態なのかを確認してもらい、問題なければ自分のセルフケアに自信を持って続け、ダメなら調整してもらうと。
そして、さらに仕事や運動のパフォーマンスを上げるためにチューンナップしてもらうわけですね。
絶賛子育て中なので、フィジカルのパフォーマンスは大事ですし、フィジカルの好調がメンタルの好調につながることは言うまでもありません。
最高の関係性ですよね。
これが「今回はこれで治りました!また調子悪くなったら来てください!」で定期的に絶不調になって「完治するまでまた通ってください」というスタイルになっていたらお互いに幸せかどうかという話です。
ダイエットしかり、コンサルしかり、お客さんが求めるハッピーだけではなく、その先にあるハッピーは何かを知ろうとすることが誠実なマーケティングの態度ですよね。
③ 解決可能なデメリットの告白
これはに関しては、oukiさんが冒頭のツイートで実例を交えて詳しく書いてくれていたので、もうバッチリ理解できましたよね。
1つお伝えていおくと「ここでのポイントは必ず解決可能、あるいは代替可能なデメリットであること」ということです。
そうでなければ、それは誤魔化しであり、お客さんに推奨してはいけない商品やサービスであるということになるので、お客さんと良い関係性が築けるはずがなく。
デメリットが気にならないようにするのではなく「デメリットではなくなる」ということが重要なんですね。
例えば、お客さんが求めている車が、それなりのグレードのミニバンなのにセカンドシートの移動が電動ではなく手動だったので営業マンもお客さんもチープに感じていたとします。
ダメな営業マンは「チープ」というデメリットを聞かれるまで答えず、聞かれてから「さらに上のグレードだと電動ですよ」とか「手動だからこのグレードでこの価格に押さえられてるんです」とか「そんなに重たくないんで大丈夫ですよ」とか言うんですね。
デメリットを解決するどころかグレードを上げたいだけなので、基本的に機能や価格のことしか言わないんです。
一方、できる営業マンは最初から「グレードのわりにセカンドシートの移動が手動なのでチープに感じるかもしれません」と言っちゃうんですね。
で、お客さんのライフスタイル等をヒアリングした上で「さらに上のグレードは電動なんですけど、電動だと乗り降りやサードシートへのウォークスルーに毎回時間がかかるんで、奥さんやお子さんと出かけられることが多いのであれば手動の方が便利です!」などと言います。
前項ともつながりますが、お客さんが気づいていないニーズや、お客さんが得たいであろう良い未来に寄り添って提案ができるわけですね。
モノが良ければ価格は高くて当然なのではなく、それを活用できなければお客さんは不満を抱えますし、そうなると販売者との関係性は終わります。
逆にモノはイマイチでも、それがお客さんのライフスタイルにハマって、結果的に「これにして良かった」「これじゃないとダメだった」となれば、それを提案した販売者との関係性は最良のものとなるんですね。
モノではなく、あなたの誠実な態度、つまり人間性に惚れ込んでリピートしてくれたり紹介してくれたりするようになるわけです。
営業とマーケティング
良い営業や販売とマーケティングと酷似しているということがわかっていただけたかなと。
もちろん、マーケティングが常に正義、善というわけではなく、炎上等の酷いマーケティングもあります(炎上的なアプローチはもはやマーケティングとは呼べませんが)。
自分を知り、お客さんを知ること、そしてそのためにお客さんとたくさんの対話(ヒアリング)をし、その中で出た様々な希望や不安にしっかり向き合って提案することが大事なんですよね。
さらに、お客さんが気づいていないニーズに気付いてあげて、最悪の未来も最高の未来も嘘偽りなく伝えること、それこそが「マーケティング態度」だということです。
そのために商品知識や商品が提供するベネフィットの理解、それを言語化して伝えるスキルは最低限必要ですが、営業やマーケティングの本質はそれらを理論武装して、心理テクニックと掛け合わせて、お客さんを丸め込んで商品の購入に至らせることではないということですね。
お客さんは、あなたの心理誘導やトークテクニックなんてはわからないかもしれませんが、今はいろんな情報が手に入るので、ちょっと賢い人であればテクニックに偏っている人は警戒されるかもしれません。
だからこそ、あなたのマーケティング態度をお客さんはしっかり見ていますし、直感的に心が動くポイントはそこになります。
あなたのマーケティング態度はイケているかどうか、oukiさんのツイートを見ながらこの機会に見直してみてください。