こんにちは、服部(@FACTDEAL)です。
僕は常々「経営者はみんなコンサルタントであるべき」ですし「商売人はみんなマーケターであるべき」と思っていまして。
というのも、コンサルティングは自社の問題発見と問題解決をすることですし、マーケティングはリサーチ〜集客〜プロモーション〜セールス全てのフェーズを司るものなので、これができてしまえば怖いものなしなんですよね。
スキルまでは身につけなくても、考え方を身に付けるだけでもだいぶ違います。
なので、コンサルやマーケティングを依頼する際、ほとんどの場合「問題を解決してもらうため」に依頼すると思うんですが、できればそういった考え方やフレームワークを「身に付けること」も前提とした方が良いです。
そうすることで、将来的に、支払ったコンサルフィーの何倍ものリターンが得られるようになるので。
例えば、コンサルを受けた際に、指示されたアクションプランをただ言われた通りに実践するだけではなく
なぜこれをするのか?
これによってどんな成果が得られるのか?
もしダメだった場合の次の手は何か?
など、それをやることの意味や再現性の高低、代替案をしっかりと確認して、腹落ちさせてから実践することでコンサル思考やマーケティングスキルが身に付きます。
いわゆる「仮説と検証」ですね。
でも、ほとんどの人はこれをやらないんですよね。
自分で仮説と検証をしないままコンサルが終わってしまうので、コンサルが終了するとまた売上が下がったり、また他のコンサルに依頼したりするわけです。
最悪の場合、他のコンサルを受けるお金がなくなってしまい、“安くでノウハウが手に入るような気がする”教材やセミナー、書籍にダラダラとお金を払うようになってしまうと。
逆に、コンサル期間中に自分で仮説と検証をすることがクセづいた人は、コンサルが終わっても自分で成果を出していくことができるし、それを同じ業界の人に教えたりできるので、本業以外に収益源が増えるという好循環につながっていくんですね。
これが「支払ったコンサルフィーの何倍ものリターン」です。
もちろん、誰でも簡単にコンサルタントやマーケターになれるという甘い話ではないですが、日々の業務、商売の中で「コンサル視点で考える」「マーケター視点で考える」ことをクセづいていくことが大事なので、完全に別枠で勉強しなければならないということでもありません。
実際、センスの良い経営者の多くは、コンサル的なフレームワークを知らなかったり、マーケターのスキルがなかったりしても感覚的に実践していたりするので、それを言語化してルーティンを回すだけで右肩上がりになっていくというパターンも少なくないんですよね。
じゃぁ、「コンサル視点で考える」「マーケター視点で考える」とは何かという話なんですが、要点だけを述べてもぶっちゃけそれぞれ本が1冊できあがるボリュームになるので、そこは僕が推奨する本を読んでいただくか、僕のブログを読み漁ってください。
この記事では、コンサルとマーケティングにおける、「とりあえずこれだけ意識して!」という至極シンプルなポイントだけお伝えします。
コンサルティングとマーケティングの共通点
コンサルとマーケティング、それぞれ別々に分けて話しても良いんですが、実は大事なポイントは共通していて、それは何かと言うと「聴くこと」なんですね。
これだけ押さえておいてください。
例えば、コンサルタントは「問題解決業」と言われる通り「問題解決」を生業としているわけですが、実際それ以上に重要なのは「問題発見」のフェーズだったりします。
なぜなら、「これが問題だ!」とピックアップした問題が間違っていた場合、その後の全てのフェーズが狂っていくからです。
トンチンカンな課題設定をしてしまい、その課題をこなすための行動計画を立てて全力疾走するわけですから、かなりの時間やお金をムダにすることになりますよね。
例えば、社長は「こうすれば社員のモチベーションが上がってみんながんばってくれるはず」と思っていても、「現場の社員が求めているものは全く違っていた」みたいな話は、企業などの組織ではよくあることで。
でもこれって、社員にアンケートを取ったり、面と向かって聴けば済む話なんですよ。
というか、そこがまずスタートラインで、そこからやっと正しい「問題解決」のフェーズに入っていけるんですね。
セルフコンサルが上手くいかない場合というのは、大抵の場合、自分以外の人に「聴くこと」をせずに突っ走るからです。
個人ビジネスの場合も同じで、第三者に見てもらったりアドバイスをもらったりせずに突っ走るからどんどんドツボにはまっていくんですね。
自分の考え方や感覚を貫いて、突っ走って、それが正しければとっくに上手くいっているはずで、大量行動しているにも関わらず上手くいっていないということは、そもそもの「把握している問題」が間違っているからです。
余談ですが、あの矢沢永吉さんでさえ「このままじゃダメだ」と考えた時、インディーズレーベルを立ち上げた(20歳も年下の)Hi-STANDARDの横山健さんに、自分の話は一切せずにそのやり方や仕組みについて質問しまくったそうです。
セルフコンサルをする上で、立場やなりふり構わず「聴く」ことは基本なのです。
マーケティングにおける「聴く」とは
マーケティングに関しては「リサーチが重要」だということは常々言っているので、ヒアリングやアンケートが重要であることを痛感している人も多いと思います。
何かしらのビジネスをしている人であれば、全員が、自信を持ってリリースした商品や企画が思いっきりスベるという経験はしているはずですし、一度は自分の思いこみで商売をして痛い目を見ているはずです。
で、何を聴けば良いかという話なんですが、これは自分のビジネスのコンセプトに沿って考えていかなければならないんですね。
マーケターの最大の仕事はイケてる企画を考えること。
集客とかセールスできる人なんてなんぼでもいるし。
そういう意味では、商売人は誰もがマーケターであるべきやし、自分が売ってるのは商品ではなく企画だということを理解すべきよ。
— 服部慎也|マーケティングとカメラとイロイロ (@FACTDEAL) August 27, 2019
度々言っとるが、企画(コンセプト)は
①ターゲット+②プロセス+③目的地
をギュッと凝縮したもの。
で、②と③はわかりやすいメリットがないといけない。
例えば、プロセスであれば「簡単に」とか「短時間で」とか。
目的地は「平日に子どもと遊べる」とか「いつでも妻とデートできる」とか。
— 服部慎也|マーケティングとカメラとイロイロ (@FACTDEAL) August 21, 2019
人は商品ではなく企画を買うわけですから、企画(コンセプト)に基づいてヒアリングするのがベストだということです。
❶ 何に困っていますか?(ターゲット)
❷ どんな方法だと好ましいですか?(プロセス)
❸ どういう状態になれると嬉しいですか?(目的地)
という感じですね。
あとはこれらを聴ける環境を整えると。
Twitterでアンケートを取っても良いですし、より精度の高いリサーチがしたい場合や、ただのデータではなくリアルな声が欲しい場合はメルマガ等でのアンケートも有効です。
Twitterのフォロワーやメルマガのリストを「お金」としてしか見ていない人は多いですし、「信用の数値化」と言っている人も多いですが、まずはより良い商品をリリースするためのヒントをもらうためのものです。
マネタイズを考えるのはもっと後だということですね。
ちなみに、よく「過去の自分をペルソナにしよう」と指導するコンサルタントやマーケターがいますが、あれは大間違いです。
というか、前例がないとか、前人未到にチャレンジするとか、どうがんばってもリサーチができない場合の最終手段が「過去の自分をペルソナに設定する」なので、そうではない限り必ず前例がありますし、見込み客の声は拾えます。
ターゲットとする属性のフォロワーを集める、リストを取る、すでにあるコミュニティに参加する、セミナーに参加する…などなどいくらでも方法はあるので、それをしないというのは、ただ単にマーケティング(リサーチ)をサボっているだけですからね。
マーケティングをする上で、環境を整えるなり環境に飛び込むなどして「聴く」ことは基本なのです。
「ペルソナがわからない人は過去の自分をペルソナにすると良い」
こういうふうに指導やアドバイスをする人がけっこういるけど、これは愚の骨頂だと思っていて。
いや、なんでいきなり楽しようとしてんのっていう話で。時間使って足使って必死こいて「役に立ちたい人」にヒアリングやリサーチしろよ。
— 服部慎也|マーケとカメラとイロイロ (@FACTDEAL) May 29, 2019
今日からあなたは
コンサルタント、マーケターへの第一歩は自分の常識を疑うことであり、それはすなわち第三者に「聴く」ことです。
企業の社長はもちろん、マーケティング担当ですらこれをせず、ただ単にググってリサーチを終了させ、「集客ができない」「売れない」と頭を抱え続けているんですね。
優秀なコンサルタントやマーケターは、どれだけ経験を積み重ねても、経験則だけで問題を確定することはありませんし、ペルソナを決定することはありません。
とにかく、聴く、聴く、聴く、聴いて聴いて聴きまくる。
あなたは、たまたま今の商品やサービスを売っているだけで、本当はコンサルタントでありマーケターなんですよ。
なぜなら、良い商品やサービスをつくるためには、お客さんの真の問題(不満や不安、不便)に気づいてあげなければならないですし、その問題を解決してあげなければならないからです。
なおかつ、お客さんがその問題を解決したいと思えるような刺さる企画や楽しい企画を考えなければならないからです。