コロナの影響もあって、企業勤めによる安定思考がますます崩れ去っていき、副業に取り組む人が増えてきているわけですが、家族持ち、特に小さな子どもがいる状態でビジネスを初めて軌道に乗せるのは大変です。
ビジネスはコツコツやっていれば何とかなるというものでもないですしね。
しかし、そんな中でもしっかり成果を出している人はいますし、継続的な成果を出して法人化して脱サラしている人もいます。
この違いってどこにあるのかというと、手に入れる情報やノウハウ、行動力と思われガチなんですが、実はそうではないんですよね。
土台としてあるものは「マーケティング」であることに違いはないんですが、そのマーケティングの知識やスキルを家族の方に向けられているか、つまり家族との向き合い方や関係性が副業の成果を決めるということです。
僕も新規事業に取り組む際や新しい企画を打つ際など、一定期間ビジネスに集中したい場合は家族との関係性を最重視しているので、副業に限らずといったところでしょうか。
ということで、家族持ちの状態で今からビジネスに取り組む場合、どのように進めていくのが良いのかという話と、それがマーケティングとどう関連しているのかという話を。
こちらの記事も併せて読んでいただくとより理解が深まるかと思います。
今回は、より家族側に視線を向けた話になるので、ビジネスに取り組む際の一番最初の準備部分を考えていただければ。
家族持ちのクライアントに実際にアドバイスしている内容でもあるので、信じて実践していただければビジネスが良い方向に進むと思います。
魔の言葉「家族を犠牲に」
ビジネスに取り組む際に「ある程度は家族を犠牲にしなければならない」という言葉をよく聞くと思うんですよ。
もちろん、一定期間は勝負をかけて全力で取り組まなければならないですし、いつまでもダラダラやっていてもしょうがないのである意味間違いではないんですが「家族を犠牲」という言葉が厄介なんですね。
そもそも「家族を犠牲に」って何だっていう話なんですが。
犠牲
1 神、精霊などをまつるときに供える生き物。いけにえ。
2 ある目的のために損失となることをいとわず、大切なものをささげること。また、そのもの。「道義のために地位も財産も犠牲にする」「犠牲を払う」
3 災難などで、死んだり負傷したりすること。「戦争の犠牲となる」
いやいや、お金を稼ぐためにそこまでするんですかと、お金稼ぎって家族を失う覚悟でやるもんなんですかと。
たかだかビジネスをやるだけなのに何様なんだって話ですよね。
だって、今までサボってたから今になって焦って稼がなきゃならなくなっているわけなのに、それを棚に上げて家族を犠牲にするってムチャクチャですよ。
控えめに言って「家族に協力してもらう」という表現になりますし「家族に犠牲になってもらう」は「家族のためにがんばって稼ぐんだからガマンしてくれよ」という自己中極まりないアプローチになるわけです。
そんな状態でビジネスに取り組んでも、上手くいかないどころか家庭も崩壊して多くの大切なものを失うことになります。
協力してもらうとは
協力とはまさにマーケティングなんですが、どういうことかというと、協力してもらうためには自分の状況を知ってもらい、相手の力量を知っている状態でなければならないわけです。
つまり「相互理解=マーケティング」なんですね。
自分の状況を知ってもらうとはどういうことなのかというと、妻と子どもに自分の行動が何につながるっているのか(つながっていくのか)を知っておいてもらうということです。
例えば、何も知らない人から見たらスマホでTwitterをやっている姿というのは遊んでいるのと変わりません。
YouTubeを見ていることもそうですし、ゲームをしているのも同じで、一般的には暇つぶしや遊びと思われるわけですが、それがビジネスにつながっている(つながる予定である)ことを知ってもらわなければならないということです。
その行為が何を目的とした手段か、いつまでにどのような成果が得られるのかを妻と子どもに理解してもらっておけば問題無いですし、それが「協力してもらう」ということなんですよ。
逆に、そこが不透明だと家族のストレスは溜まりますし、犠牲にされている感や被害者意識が募っていくわけです。
で、相手の力量を知るというのはどういうことかいうと、自分が家事や子育てから離れた場合、妻と子どもはどこまで正常な状態を保てるのかを理解しておくということです。
もちろん、勝手に「このくらいは大丈夫だろう」と決め付けるのではなく、ちゃんとヒアリングをした上で「この時間は仕事にこもって良いかな?」などすり合わせをすると。
夫婦スケジュール
自分のことを理解しもらい、相手のことも理解できるとスケジュールが立てられるようになります、というか夫婦個別のスケジュールを立ててください。
お互いのことがわかっても、その時間は何をしているのか、いつまでそれをするのかが不透明であればストレスが溜まるので、そうならないためにお互いの1週間のスケジュールを可視化しておくということです。
そうすることで、余裕のある時間がわかったり逆にキツイ時間がわかったりするので、修正が欠けやすくなり効率や生産性がアップします。
これは実際、行き当たりばったりで動いているクライアントに作ってもらって行動してもらうことで成果が出ているので効果的面ですよ。
とはいえ、スケジュールが絶対なわけではなくて、人間なのでメンタルやフィジカルの状態によってスケジュールが狂ったり、子どもが絡んでくるとなおさらなので「どう?イケてる?」と、お互い声を掛け合うことは忘れずに。
子どもとスケジュール
前項で「あれ?子どものスケジュールは?」と思ったかもしれませんが、食事や風呂、就寝、お出かけといったルーティン的な子どものスケジュールは、夫婦のスケジュールに組み込んでしまってください。
それ以外は、子どもは突発性や衝動性によって動きはランダムになりますし、それらはイコール好奇心でもあるので型にハメない方が良いんですね。
というか、それ以上に「子どもの気持ち」が大事だからです。
例えば、仕事のスケジュールを立てる上で、子どもとの向き合い方として「週6日はガッツリ仕事をして、週1回は丸一日子どもと遊ぶ」という方法もあれば「仕事をしつつも毎日2時間は子どもと遊ぶ時間を作る」という方法があります。
小さな子どもは1週間も見なければグッと成長して顔つきも変わりますし、いろんな言葉を話すようになるので、父親としては毎日向き合いたいもの、あるいは丸一日どかへ行ってしっかり遊んであげたい、思い出を作りたいというのも父親の気持ち。
ただ、ここで大事なのは「子どもが何を求めているか」なんですね。
あくまで子どもが求めていること、子どもの気持ちを理解し、そこに寄り添ったスケジュールで仕事をするということが大事なんです。
夫婦で協力しあったりスケジューリングしたりといったことはみんなするんですが、子どもの気持ちをないがしろにしてしまう人がけっこう多いんですよね。
ただ、子どものメンタルの安定は奥さんの安定にもつながるので、それも含めて「協力してもらう」ということを忘れないようにしましょう。
家族のメンタルの安定=収入の安定
コンサルティングを実施する上で、家族やプライベートに関することに介入するのは本来は必要無いことですし、そもそもそんなことはサービス内容に含めていないんですが、僕の場合はけっこうそこを重視していますしアドバイスもしています。
クライアントの生活スタイルに合わせて早朝や夜中にコンサルをしたりといったことも普通です。
というのも、どんなメンタルの状態でも拘束時間内で業務をこなしていれば固定収入が得られる会社員とは違い、自分でビジネスを行う場合、家族との関係性は数字に直結してくるので外せないんです。
ビジネスを優先したら家庭が危うくなりますしね。
まぁ、僕も昔は意識していなかったんですが、妻に負担をかけないように、子どもに寂しい思いをさせないように自分も家事育児をしながらビジネスに取り組むには、と試行錯誤をしているうちにいろいろ気付いたんですよね。
というか、家族もしっかりマーケティングしないと、いつかあらゆるものが壊れるなと思ったので、クライアントにもアドバイスをしているわけです。
実際、売上至上に走って家庭が崩壊した人もたくさん見てきましたが、結局のところフリーランスにとっては家族のメンタルの安定が収入の安定になるんです。
独身の状態、結婚していても子どもがいない状態であれば「いつまでにどのくらい稼ぐ」と約束した上で集中的にビジネスに取り組めば相手は待っていてくれます。
が、子どもがいる状態で「家族を犠牲に」は完全にアウトなので、あくまで協力してもらうことを前提にビジネスに取り組むようにしましょう。
建前上では「応援してるからがんばって」と言ってくれていても、本音は「もっと家族で過ごす時間が欲しい」と思っているなんてことはざらなので、定期的にリサーチとそのためのヒアリングは欠かさずに。
一番のファンであり身近な存在である家族のニーズに寄り添えないようでは、とてもじゃないですけどお客さんのニーズには応えられませんからね。