Twitterとかを見ていると、ビジネスをしている人には基本的に2通りの人がいるんですが、ざっくりどんな人なのかというと
いつも余裕がある人
いつも焦っている人
の2パターンです。
前者は将来のことを見越してビジネスをしているので、しょっちゅうくだらないツイートもよくしていますが、後者は目先のことしか見ていないので、いつも告知ばかりしてフォロワーや売上をかき集めるのに必死ですね。
あなたはどちらのタイプでしょうか。
ちなみに、僕はコンサルをするときに、ヒアリングの一環として1日のスケジュールを聞くんですが、その主な目的は「将来のことと目先のこと、どちらに時間を注いでいるのか」を確認するためだったりするんですね。
例えば、ビジネスに費やしている時間が1日10時間くらいあったとして、8時間は今日とか今月の売上を追うためのアクションで、2時間は1年後に成果を出すためのいわゆる種まきのアクションだとします。
これでは非常にバランスが悪いわけです。
もちろん現状の課題にもよるので、「今月売上をあげないとキャッシュが回らない」とかであれば多くの時間を目先の時間に費やすべきです。
が、特に切羽詰まっていない状況で目先の売上を追うことだけにほとんどの時間を使っているのだとしたら、バランスは悪いですしかなり危険な兆候なんですね。
まぁ、キャッシュが回らなくなるのも結局は目先のことだけを追っているからなんですが。
これ、わかっているけどなかなか取り組めていないという人は多いんじゃないですかね。
あるいは「ブログを書いているから」とか「がんばってTwitterをやっているから」と将来のためにアクションをしているつもりになっている人も多いんじゃないですかね。
しかし、将来のためのアクションというのは逆算されたものなので、それをやる理由が計測可能でなければならないわけです。
とはいえ、定量的に把握してアクションプランを実行するのすぐには難しいので、順番としてはまず1日のスケジュールを俯瞰的に見て、将来のために取り組んでいることと目先のために取り組んでいることの時間や作業量のバランスを見てみましょう。
その上で焦らなくても良いように定量的に施策を打っていきます。
その施策の根底になる考え方がこのツイートでも話した内容で、
これは持論なんだけど、仕事は
①あんまり稼げないけど好きなこと
②あんまり好きじゃないけど稼げることの2つがあった方が良いと思う。
じゃないと、好きだったことが好きじゃなくなった時とか、稼ぐことには困らなかったものが稼げなくなった時とかキツイ。
理想は両方いくつもある方が良い。
— ハットリシンヤ|マーケとカメラとイロイロ (@FACTDEAL) October 27, 2019
① あんまり稼げないけど好きなこと
② あんまり好きじゃないけど稼げること
を両輪と考えて並行的に進めていくと。
いや、両輪というよりかはタイヤローテーションみたいな感じで、どれかが弱くなってきたら前後左右を入れ替えてバランスを取るイメージの方が近いかもしれません。
ボロボロにすり減ってバーストする前に手を打つということです。
車のタイヤがたまたま4つなので、そのイメージで話を進めますが、最低それぞれ2つずつあるのが理想なんですね。
前輪右:あんまり稼げないけど好きなこと-A
前輪左:あんまり好きじゃないけど稼げること-A
後輪右:あんまり稼げないけど好きなこと-B
後輪左:あんまり好きじゃないけど稼げること-B
みたいな感じで配置していると、ビジネスはかなり安定しますし、焦る必要がなくなります。
例えば「A」の好きのモチベーションが下がってきたなと思ったら「B」の好きに意識を向けたり、タイヤを買い替えるために稼げる「A」と「B」を駆動側に持ってきて徹底的に攻めるという手も打てますよね。
この考え方に近い切り口としては過去にも書いていますが、その時に使ったフレームワークがこれです。
これに当てはめて
① あんまり稼げないけど好きなこと
② あんまり好きじゃないけど稼げること
を、もう少し詳しく解説していきますね。
「あんまり稼げないけど好きなこと」とは?
必ずしも「これはこれ!」という正解はないので、自分の考えやビジネス、あるいはビジネスモデルに当てはめて考えてください。
例えば、あなたが考える「あんまり稼げないけど好きなこと」は上の図のうちのどこに当てはまるでしょうか?
稼げない(収益性は低い)けど好きだから続けられる(継続性が高い)という意味でCになる人もいれば、稼げない(収益性は低い)し好きなこともすぐ飽きちゃう(継続性が低い)からDだという人もいるでしょう。
これ、CかDかどちらかによって施策が変わってくるのはわかりますよね。
Cの場合、あんまり稼げなくても好きなことはほぼ永遠に続けられるということは自分でわかっているわけですから、継続性に関しての施策を打つ必要はありません。
何かしらの工夫をして収益をUPできないかに集中すれば良いわけです。
一方、Dの場合、あんまり稼げないしすぐに飽きてしまうことがわかっているわけですから、もう少し稼げる工夫と飽きることを前提に複数の好きなことに手を出す必要がありますよね。
けっこう大変なので、それなら「あんまり好きじゃないけど稼げること」にシフトしてがんばった方が良いかもしれません。
で、そこに数字を入れ込むことで、やるべきことがさらに明確になるということは言うまでもなく。
Cの場合、現在の収益がいくらで将来的にどのくらいに持っていきたいか、果たしてそれは可能かどうかを考えるんですね。
例えば、今が月に10万円で1年後に30万円まで持っていければ万々歳だとして、それが好きを貫きつつ物理的に可能かどうかを考えると。
それがもし不可能、あるいはギリギリな場合は、他の「あんまり稼げないけど好きなことを」を見つけた方が良いということになります。
「あんまり好きじゃないけど稼げること」とは?
お気づきのように、これも同じように自分にとって「あんまり好きじゃないけど稼げること」はAなのかBなのかを考えることができます。
ただ、ここでカンの鋭い人はあることに気づくんですね。
そもそも、ここでいう「継続性」が高い低いってどういうことなのかモヤっとしませんか。
ビジネスモデルとしての継続性なのかモチベーション的なものなのかということなんですが、ここまでの流れだとモチベーションの継続性だと理解している人が多いと思います。
しかし、これはビジネスモデルとモチベーションの両方を指していると考えてほしいんですね。
まずモチベーションに関して言うと「好きなこと ▶︎ モチベーションが続く ▶︎ ビジネスが続く」とは限りません。
前項でも少し話したように、好きでも飽きっぽい人、つまり「熱しやすく冷めやすい人」や取っ替え引っ替えするのが楽しい人(ホリエモンの言葉を借りると「多動力」ですね)は普通にいるわけです。
逆に、稼げるからそれが楽しく継続できるという人も往々にしていますし、そもそもビジネスというのは商品やサービスは何にせよ一定以上稼げるようになると楽しいものですからね。
もちろん詐欺とかはダメですが、それでもサイコパスや悪人ではなくてもそこに楽しさを覚える人もいるわけです。
で、この視点はビジネスモデルにも深く影響していて、例えば、お客さんが1つのコンテンツやシステムに継続的に課金するサブスクリプションのビジネスモデルを作ってしまえば、好き嫌いはあまり関係なくなります。
好きなことをやっていても「自分が倒れたら終わり」というよくあるパターンを回避できるわけですね。
図で言うAになるわけですが、もちろんメンテナンスは必要ですが、システムで回っていくので継続できちゃいますし、単価か集客をコントロールすれば稼げちゃいます。
というふうに「あんまり好きじゃないけど稼げること」というのは、ひとことで言っても考え方やアプローチ方法はいくつもあるということはわかっていただけたかなと思います。
好きなことでそれなりに稼ぐには
最後にまとめると、余裕を持ってビジネスをするためには、
① あんまり稼げないけど好きなこと
② あんまり好きじゃないけど稼げること
という、2パターンの事業や収益源を最低でもそれぞれ2つずつ持ちましょうということがまず1つめ。
その上で、まずは現状把握のために今の自分の事業や収益源(商品やサービス)はどこにいくつ当てはまっていて、これから何を追加していかなければならないのかを数字を交えて考えるというのが2つめ。
そして、自分が考える継続性を高く保つためには「好きなこと」が大事なのか「稼げること」が大事なのかの自己理解が3つめ、(サブスクやリピート性など)ビジネスモデルとしての継続性とのリンクは可能かどうかを考えることが4つめという感じですね。
好きなことでそれなりに稼ぐためには「あんまり稼げないけど好きなこと」を継続して専門性や権威性を高めつつ、「あんまり好きじゃないけど稼げること」も並行して進め、そこで得た収益を好きなことに投資して、認知度をとクオリティを爆発させるというのが理想です。
こう考えると、あんまり好きじゃないことも、好きなことをとことん追求するために稼ぐという手段なわけですから、結果として楽しめるようになるんですよね。
「これだけ稼げれば大好きなあれにもっとお金使えるな」
とか考えたら、あまりビジネスの内容関係なくお金を稼ぐのってめっちゃ楽しくなりませんか?
あんまり好きでもないことだけ、それだけしかお金を稼ぐ手段がない、かといって好きなこともないので目的もないとなると、お金大好き人間でない限り病みますしいつか頓挫します。
そのためにも、今の段階では「あまり稼げないけど好きなこと」はいくつか持っている方が良いんですね。
ぜひじっくりと考えてみてください。