どうも、服部(@FACTDEAL)です。
Twitterには「A × B」といった肩書きを掲げて手っ取り早く求心する、いわゆるかけ算ブランディングが蔓延しています。
これは藤原和博さんやキンコン西野くんが言っていた、3つの分野で1/100のポジショニングをし、「1/100×1/100×1/100」で1/100万のレアキャラになろうという話が流行ったからです。
ただ、1/100というのは「それって誰が決める?」という非常に抽象度の高い話でもあるので、それゆえにその部分がゴッソリと抜け落ちて、ただの錯覚資産ブランディングに走っている人がほとんどなのは否めません。
〇〇 × ブロガー
〇〇 × コンサルタント
〇〇 × アフィリエイター
みたいな感じの人がたくさんいますが、どれも「それってレアなの?」という、よく意味のわからないものばかりで。
これをやるなら
❶ 1/100の根拠
❷ 化学反応
❸ 顧客のメリット
を明確にしなければならないんですね。
まぁ、ただ「スゴそうな人」に見せたいだけの、錯覚資産アピールに重点を置いて情弱をターゲットにしたいのであれば、そんなに深く考える必要はありません。
が、このnotブログを読んでくれている人は、少なくとも情弱はターゲットにしていないと思うので、上記の3項目を考えていってください。
できるだけ具体的に解説していきます。
❶ 1/100の根拠
冒頭でも少し話しましたが、あるジャンルやカテゴリーにおいての専門性や権威性、あるいはレア性が1/100レベルであるというのは「誰が決めるのか?」という部分があり、非常に抽象的です。
いちいちランキングされるわけでもなければ、「〇〇だから私は1/100のレアキャラです」と言うわけにもいかず。
結局のところ、1/100を他の言葉に言い換えたり、実績として見せるしかないわけです。
例えば、介護業界でインパクトのある運営スタイルを取っている二神雅一さんは、「日本一不親切な介護施設です」と謳っていたりするわけですが、実際にそのような介護施設が1/100の確率で存在するのかどうかは別にして、言葉だけを聞いても「こんなの他にないでしょ」と思いますよね。
お客さんは「この人は1/100の人だ」とは思わないし、計算もしなければランキングのリサーチもしません。
あくまで「1/100を感じるだけ」です。
簡単に言うと、「こんな会社は他にないな」とか「他の人にはない切り口だな」と思うことと、1/100であることはほぼ同義だということですね。
何かを作っている人は、「こんな商品は他に見たことない」とか「こんな作品が存在したんだ」といった感想を持ってもらうと。
かけ算ブランディングの第1ステップの着眼点として、「1/100レベルの存在であること」を代替的に表現できているかどうか、わかりやすく伝えられているかどうかを確認してみてください。
❷ 化学反応
上記の考え方で、2つ、あるいは3つのジャンルやカテゴリーにおいて1/100の根拠を示せたと思います。
で、かけ算ブランディングなので、それらをかけ合わせるわけですが、化学反応が起きないかけ算は全く意味がないんですね。
例えば、「沖縄大好きブロガー」という肩書きの人がいたとします。
これって、かけ算ではなくただの足し算ですし、ただ単に「沖縄好きの人がブログを書いている」というだけで何の化学反応も起きていませんよね。
そもそも1/100のの根拠を表現できていないので、前項の復習がてら
沖縄大好き ➡︎ 泡盛マイスター(ジャンルを絞り込む)
ブロガー ➡︎ 沖縄滞在記(行動を表現する)
とでも表現して、「泡盛マイスターの沖縄滞在記」という肩書きにでもましょうか。
肩書きというか、「ハットリシンヤ@泡盛マイスターの沖縄滞在記」みたいなTwitterのアカウント名の表現をイメージしやすいですかね。
沖縄がどれだけ好きかの根拠として「泡盛マイスターの資格を持っていること」を表現することでニッチ&レア感は増しますし、「沖縄滞在記」とすることで現地に足を運んで書いているという行動への信頼感も出ます。
当然ですが、錯覚資産をアピールしたいわけではないので、しっかりと「資格を取る」「現地に足を運ぶ」という努力をすると。
ただ、これで化学反応が生きているのかというと、「沖縄愛の強いブロガー」という域を出ませんよね。
じゃぁ、どうすれば良いのか。
化学反応というのは、ざっくり言うと単発では創出し得なかった価値を、かけ合わせることによって創出するということです。
それぞれに価値はあって、それをかけ合わせることによって第3の価値を生み出すといイメージですね。
上記の場合ですと、一番簡単なのは「泡盛マイスターの沖縄滞在記(50万PV)」というふうに、ブロガーとしての価値をもう少しだけアピールをすることで化学反応起きます。
例えば、沖縄では泡盛の売上が低迷して、倒産する酒造も増えてきているので、泡盛の販促やマーケティングを強化していきたい人にとって、
泡盛に詳しい(マイスター)
表現力に長けている(ブロガー)
集客力がある(PV数)
というのは、かなり優位性の高い価値になりますよね。
それぞれ単発ではそこまで価値が高いものではないですが、かけ合わせることによって化学反応が起き、特定の(困っている)人にとって非常に価値があるものになると。
❸ 顧客のメリット
ここまでの流れでもわわかるように、化学反応が起きるのは、困っている人ありき、つまり顧客のメリットありきなんですね。
もし沖縄好きであることを「泡盛マイスター」ではなく「三線の達人」とかであれば、話は全く変わってきます。
もちろん、また別の化学反応が起き得るかもしれませんが。
なので、化学反応では意外性やインパクトを考えつつも、顧客のメリットを常に頭の片隅に置きながら考えなくてはならないということです。
でなければ、ただの独りよがりになってしまいますし、それなら「AもできますBもできますCもできます」というふうに、単発の優位性を「たし算」で表現した方がメリットが伝わりやすくなります。
というか、最近はコンテンツのショボさを誤魔化すために、どうでも良いことをかけ合わせて「普通の人とは違う感」「私はスゴい人感」を醸し出して情弱を集客している人が多いので、そろそろこのブランディングもヤバイかなと思っています。
価値や中身が見えないくいかけ算ではなく、順当に積み重ねてきたものや手持ちの経験や実績、スキルを見せる「たし算ブランディング」が信用される方向に進むのかもしれませんね。
かけ算は、いずれかの価値が下がれば、化学反応によって生まれた第3の価値も一気に下がるので、コツコツ積み上げる足し算でブランディングをしていく方が合理的ではあります。
ぜひ参考にしていただければ!