マーケティング

DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング )から学び始めると痛い目に合う

こんにちは、服部(@marketing_factdeal)です。

少し抽象度は高くなりますが、今回はマーケティング の「そもそも論」の話をしようかなと。

いろんな人の話を聞いていると、マーケティング を学び始めたきっかけがダイレクト・レスポンス・マーケティング (以下、DRM)だったという人がけっこう多いんですが、これってけっこう危険なんですよね。

マーケティングを学ぶこと自体は間違いなく良いことなんですが、初っぱながDRMというのはけっこうヤバイです。
 

DRMが何たるやに関しては、検索して調べてもらうとして、10年前、実は僕もDRMから学び始めたクチなんですね。

その当初は「マーケティングといえばDRMだ!」みたいな流れがあって、副業を始めた当初は、ダイレクト出版や神田昌典さんの書籍やコンテンツが幅を利かせていまして。

今はそのポジションをNewsPicksが受け継いでいる感じですかね。

ということで、DRMから学び始めることがなぜ危険なのかという本題へ入っていくんですが、その理由は3つ。

1.簡単に稼げそうな気になる
2.基本的に客層が悪い
3.まともな文章が書けなくなる

1.簡単に稼げそうな気になる

DRMは決して間違ったマーケティングというわけではなく、個人ビジネスや小規模ビジネスにおいては理には叶った仕組み、テクニックなんですね。

① リードを集めましょう
② CVを上げましょう
③ LTVを上げましょう

というシンプルな仕組みであり、専門用語を使わずに言うと

① 見込み客を集めましょう
② 成約率を上げましょう
③ 何度もリピートしてもらいましょう

ということで、要するにお客さんを集めて「見込み客 ▶︎ 購入客 ▶︎リピート客」へ進んでいってもらう確率をどんどん上げていけば、どんどん儲かりますよ、ということなんですね。

ほら、すでにめっちゃ簡単な気がしてきたと思いますし、誰でも簡単に稼げそうな気がします。

ただ、これが甘い罠で、仕組みがシンプルだからといってビジネスがイージーなわけではないんですね。

むしろ、シンプルがゆえに本質が問われるわけです。
 

ちなみに、DRMの教え通りに、リードを集めるために最初に僕が取り組んだことは

無料オファーの案内を書いて企業にDMを送った
無料オファーの案内を書いて企業にFAXDMを送った

という2つで、レスポンスがあったらそれは見込み客だから、フロントエンド商品を売り込んでやろうってなもんで。

で、実際、反応があるし何件かは成約するんですね。

多少はライティングのセンスがあったのか、FAXDMに至っては、DRMで一般的に合格ラインだと言われている数字をはるかに超えて、えげつない反応率を叩き出しましたが、その分けっこうなクレームもいただきました。

そりゃそうですよね、どこの誰かわからんヤツからDMが届いて、封筒を開けるように工夫してあるから開けてみると、セールスレターが入っていて、これでもかと煽ってくるわけですから。

FAXDMにしてもインクや感熱紙のムダづかいをさせるわけですから、今で言う営業メール、スパムですよ。
 

他にも無料オファーのセールスレターを書いて、リスティング広告でリストを集めたりもしましたし、それなりにリストも集まりました。

が、こんなことはいつまでもやってらいれないんですね。

2.基本的に客層が悪い

なぜいつまでもやっていられないのかというと、基本的に「客層が悪いから」に尽きます。

これは言うまでもないですが、DRMで集まってくるのは「無料」につられて反応した人がほとんどだからです。

例えるなら、スーパーやデパ地下などで、全く買う気がないのに、あちこちで試食だけして帰っていくような人たちだということです。

もちろん、何割かの人は「一回買ってみるか」となるわけですが、そもそもがフリーライダー気質の人なので、返金保証が付いていないと買わなかったり、買ったとしても、思っていたのと違っていたら、何かと理由をつけて「返金しろ」とか言うわけです。
 

ブログを書いたりXで発信して集客している人からすれば、「情報や人物を信用してもらってないんだから当たり前やん」となるんですが、DRMでは「信頼関係を築いてから見込み客になってもらう」という概念があまりないんですね。

とにかくインパクト勝負でかっさらうんです。
 

最近ではそんなこともないかもしれませんが、基本的には、群れが集まっている所に餌で釣ってリストに入れ、そこから教育をしていくわけですね。

最近のXでは、素性不明のアカウントが同じようなことをしてフォロワーを集めているのをよく見ると思うんですが、ほぼ間違いなく過去に同じような方法で稼いでいた情報商材屋でしょう。

メルマガリストがフォロワーに変わっただけで。

無料コンテンツをばら撒いていたのが、お金をばら撒く(フリをする)ことや何かしらのプレゼント企画に変わっただけで。

真っ当なビジネスをしている人、あるいはこれからしたい人であれば、民度の低い客層を相手にしないためにも、DRMはマーケティングの本質ではなく、単なる知識やテクニックに過ぎないということを押さえておきましょう。

3.まともな文章が書けなくなる

セールスレターを書いて、無料オファーをドーンとバラ撒いて、その中で反応があった人にゴリゴリセールスをする。

これって、あの手この手で落とすテクニックを使って「さもあなたのために書いたんです」という雰囲気を醸し出したラブレターを書いて、多数の人に配って、返事をくれた人をまたあの手この手でデートに誘うようなもので。

下記のような、DRMのランディングページ(セールスレター)を見たことがある人はけっこう多いと思います。


見た目からしてめちゃくちゃ胡散臭いですよね。

ただ、インパクトもありますし言葉も強いので、多くの人が個人情報を入力してしまい、その後にセールスされ、高額な支払いをしてしまうんです。

それは、このページだけで全てを完結させなければならないので、ありとあらゆるコピーライティングのテクニックを詰め込まれているからです。

いや、厳密にいうとコピーライティングではないんですけどね。
 

というのも、コピーライティングは石ころをダイヤモンドに見せるためのテクニックではなく、良い商品の魅力を100%伝えるためのテクニックなので、画像のようなものはコピーライティングでも何でもないわけです。

僕のブログをを読んでくれている人からすれば、「誰がこんなもんに引っかかるねん」ってなると思うんですが、残念ながらこういうのに引っかかる人はまだまだたくさんいるんですね。

今では、あからさまではないもっと爽やかなランディングページもたくさんあるので厄介です。
 

で、こういったものに書かれている文章というのは、テクニックの型にはめられたものなので、見る人が見ればかなり不自然なんですよね。

よく見ると思いますが、「地獄からの生還」みたいな謎の自分語りが書かれていたり、ベタ褒めのアンケートが入っていたり、恐怖や不安を煽っていたりするので、まともな人間からしたら違和感満載なわけです。

でも、情報弱者からしたら視覚効果も相まって、「このページにたどり着いたのは運命だ!」みたいになってしまうんです。
 

ブログなどを書かずにコテコテのDRMばっかりやってると、こういったエセコピーライティングが染み付いてしまって、自覚なくこういった文章しか書けなくなるんですね。

僕もDRMを学んで実践していた頃は完全にそうでした。

起業当初に書いていたセールスレターとかをたまに読み返してみると、めちゃくちゃ気持ち悪いですからね。

テクニック習得から始めないように

DRMやWEBマーケティングをしっかり学んで、“将来を見据えて正しく”実践すれば「楽して稼げるようになる」というのは本当です。

が、最初から「楽してビジネスができる」「楽して稼げる」ということではありません。

楽して稼げるようになるためには、安定的に集客をする場所、つまり、ペラサイトのランディングページやセールスレターではなく、見込み客になってもらう以前に信頼関係を構築するための自分のメディアが必要なんですね。
 

DRMだけ学んでいると視野狭窄になって、この「集客する場所」を作ることをすっ飛ばし、マーケティングで売れると勘違いしてしまいます。

センスのある人や多少のお金(広告費)をつぎ込める人は、なまじ売れてしまったりするのでなおさらです。

逆を言えば、安定的に集客する場所さえつくることができれば何とかなるんですね。

たとえば、運営しているブログに安定的にアクセスが集まっていれば、違う商品を売りたいと思ったとき、大幅に属性がズレていなければ、「こういう商品も売ってます」と別サイトをつくって誘導すれば一定数は流れていくので。

XなどのSNSでも、ある程度のフォロワーがいれば、いつもと違うテーマのツイートをしても一定数の人には該当して拡散されたりします。

ということで、DRMを含むWEBマーケティングは、ブログ更新やYouTubeアップといった継続的な作業をしなくても、SNSや広告を使ってすぐにチョチョイと楽に稼げる系のテクニックではないということを理解していただければ。

チョチョイとやろうと思うと資金力(広告費)戦争という永遠に続く螺旋に巻き込まれることになります。

すでに稼いでる個人起業家が、なぜ手を休めることなくブログを書き続けているのか、寄ってたかってYouTubeをアップしているのか、外注してまでXやInstagramを運営しているのか。

それは収益の柱を増やすためでもあり、後発組に集客する場所を奪われないため、あるいは1つくらい奪われてもやっていけるようにです。

まぁ、多くの人がレッドオーシャンのど真ん中で戦っているので、「数勝負」をしなければならない状況に陥ってしまっているんですが、そういったポジショニングに関しても、情報発信を続けて集客する場所を育てていけば見えてくるもので。
 

有名なインフルエンサーだって、月に何百万円稼いでいるアフィリエイターだって、ほとんどの人が、最初から「何がやりたいか」「何を売るか」などをガッチリ固めてから1記事目を書き始めたわけではないですからね。

数十記事、下手をすれば数百記事書きながら、試行錯誤を繰り返して、「よしこれでいこう!」とコンセプトが固まったりしているものです。

そういった経験を経て、2つ目のサイト、3つ目のサイトは効率良くメディアを構築していけるわけで。

WEBマーケティングに関して誤解や勘違いをしていた人は、短期的なマネタイズに躍起にならず、リサーチとインプットを同時進行しながら、安定して集客できる場所をつくっていってください。


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