ビジネスのチャンスというのは、基本的に平等に与えられものですが、そのチャンスを掴めるかどうかは全く別の話です。
チャンスを見つけたら飛びついて掴めば良いというものでもなく。
チャンスを掴む、掴み続けて離さないためにはいろいろとやることがあるんですが、基本的には次の5ステップで考えます。
①スピード
②タイミング
③コンセプト
④良い商品
⑤ブラッシュアップ
ザックリ言うと、違和感を察知したら素早く動き、然るべきタイミングで商品を差し出し、その商品に刺さるコンセプトがあり、商品自体に魅力もあって、アップデートもされていく。
ここまでやって「チャンスを掴んだ」と言えるわけです。
これはSNS上で反応をもらうのも、コミュニティで反応をもらうのも同じ要領で、反応が得られない、商品が売れない、リピートされないのは、大抵どこかのフェーズが弱いからです。
チャンスを掴めない人や途中で逃してしまう人は、最初だけ気合を入れてあとのフェーズはテキトーにやってしまっているんですよね。
もう少し詳しく解説していきます。
①スピード
これはもう当たり前の話ですよね。
しかもこれだけ変化のスピードが早い時代ですから、出遅れるとチャンスのチの字も見えなくなります。
で、チャンスというのは「兆候」があるわけですが、必ずしもポジティブな兆候だけではありませんし、むしろビジネスにおいては違和感やネガティブな事象が兆候として現れることの方が多いです。
人が困っていることを解決するのがビジネスですから、そりゃそうですよねって話ですが。
ちなみに、ポジティブな兆候というのは「こういうのが流行りそう」といったもの、ネガティブな兆候というのは「こういうことに困る人が増えそう」といったもの。
もちろん両方含むものもありますし、コロナ禍では宅配や衛生用品、オンラインツールなど、いろんなビジネスが加速したり、伸びていったりしましたよね。
ネガティブな兆候を悪用して給付金詐欺なんかも横行しましたが、悪いヤツらはこの兆候を察知するのが早いし巧みなんですよね。
給付金詐欺に遭った人を救うフリをする詐欺とかあるじゃないですかw
②タイミング
スピードが大事だからといって、ガンガンいけば良いというものではなく、チャンスを掴むにはタイミングというのがけっこう重要になってきます。
先行者利益という言葉を聞くと「早い者勝ち」と思いがちですが、実は先駆者の失敗を踏まえた上で改善を加えて颯爽と登場するという、いわゆる「戦略的二番煎じ」の方がおいしかったりするんですね。
あとはターゲットにもよります。
流行りに乗って「誰で良いから稼げるだけ稼ぐ」というスタンスと「バカ売れしなくても良いから、地に足をつけて継続的なビジネスにしたい」というスタンスではアプローチやタイミングは変わってくるじゃないですか。
それこそお客さんと長く良い関係を築きたいのであれば、戦略二番煎じが良いということになってきますし。
ただ、これらを冷静に見て判断するためにも、最初にお伝えした「スピード」が大事なんですね。
最初から見ていることによって「よし、このタイミングだ!」と判断することができますが、途中から「これはいけそう!」と首を突っ込んでも、競合とただバッティングするだけになりますから。
③コンセプト
これは前項に深く付随する内容になるんですが、スピードやタイミングが競合と同じであれば、集客の段階で優劣を決めるのはコンセプトになります。
つまり、よりターゲットに刺さるプロセスや目的地を見せられるのは誰か(どの商品か)ということです。
ちなみに、コンセプトの考え方ですが、多くの人が「刺さる」「パンチの効いた」「エッジの立った」みたいな、今までにないコンセプトを必死に考えようとするんですが、実はもっと簡単な方法があります。
戦略的二番煎じの話をしましたが「ズラす」ということもコンセプトを差別化する立派な要素になります。
お客さんの立場に立って「もっとこうしてほしいな」とか「こういうのがあれば嬉しいな」ということに気づいたら、それを盛り込めば良いんです。
あるいは「これいらないからもっと安くならないかな」とかもそうですね。
全く新しいコンセプトを作ることができるならそれは素晴らしいことなんですが、コンセプトというのは基本的には組合わせなので、既存(先行者)のものに足したり引いたりして少しズラせば良いだけなんです。
良いコンセプトを作りたければ、競合の商品を購入したりサービスを受けたりした方が良いと言われますが、その理由はこういった点です。
④良い商品
これは言うまでもなくマーケティングの大前提ですね。
どれだけ早く違和感を察知して動いても、タイミング良く商品を差し出しても、そのコンセプトが素晴らしいものであっても、肝心の商品のクオリティが低ければ、せっかく掴んだチャンスを穴の空いたバケツに流し込むようなものですからね。
いわばこれもタイミングです。
コンセプトに忠実に沿った、然るべきクオリティの商品ができあがってから市場に出すということです。
二番煎じで商品のクオリティも低いじゃ話にならないどころか、先行者の宣伝にしかならないので「養分お疲れ」って感じですね。
⑤ブラッシュアップ
チャンスをどう捉えるかの話になってくるんですが、いわゆる「一攫千金」的なものをチャンスとして捉えているのであれば、ぶっちゃけこの項目は必要ありません。
ただ、マーケティング的なゴールをチャンスと捉えているのであれば、この項目は非常に重要になってきます。
というのも、マーケティングというのは「優良顧客だけを永続的に獲得する仕組み」ですから、リピート客を獲得できてはじめて「チャンスを掴んだ」となるからです。
当然ですが、お客さんにリピートしてもらうためには、商品クオリティの維持だけではなく、商品の改善、商品ラインナップの強化といったブラッシュアップが必要になりますよね。
そうでなければ「チャンスを掴み続ける」ことはできないからです。
さて、チャンスを掴む準備はできていますでしょうか。
日々、全ての人に平等に流れてくるチャンスを上手く掴めていないとしたら、どこかが抜け落ちているのかも知れません。