こんにちは、服部(@marketing_factdeal)です。
仕事上、ブランディングの相談も受けるんですが、インスタントなブランディングはあとから綻びが出てくるので、基本的には「パワープレイ」でブランディングをすることは推奨しません。
ブランディングは、有名になって「何を言っているか」ではなく「誰が言っているか」で客を納得させる「狩猟型」の施策だと考えている人も多いようですが、ブランディングは本来「農耕型」、つまり、種を蒔いて育ててできあがる施策だということです。
それを1ヶ月やそこらで、下手をすりゃ1週間で影響力を持てると勘違いするから一瞬で燃え尽きるんですね。
有名になることだけにフォーカスしてしまうと、一過性のインフルエンサーのように、炎上しなければ食いつなげなくなるわけです。
で、最初から圧倒的なコンテンツ(商品やサービス、経験、知識、スキル)がある場合も同じで、継続できなければブランディングされず、一発屋で終わってしまうんですね。
まぁ「そんなことくらいわかってるよ」という人も多いですし、SNSやブログがブランディングに役立つことがわかってるのに、なぜ多くの人がそれらを継続できずにやめていくのか、というのが今回の話です。
なぜ短期決戦に走って自爆してしまうのかと。
その理由は、やはり継続力がないから、もっと言うと「挫折要因を論理的に排除できていないから」に尽きます。
ブログの話がわかりやすいと思うので、ブログを例に出していきますが、ブログとブランディングは密接に関係することは言うまでもなく。
なぜかと言うと、アクセス自体はあの手この手でいくらでも集められると思いますが、その次のフェーズである「収益化」となるとそう簡単にはいかないじゃないですか。
収益化、つまりお客さんがお金を払ってくれるいうことは、そこに多少なりとも信頼の証(ブランド)がなければならないからです。
周りを見渡してみてください。
定期的に炎上させて食いつないでる人って、ブログなんて書いていないような人たちばかりじゃないですか。
また、よく「Xでコツコツ発信していれば…」「ブログをコツコツ書いていれば…」それ自体がブランディングにつながる思っている人がいますし、それ自体は間違いではありません。
ただ、悪く言えばそれは「頭の中お花畑」的なことなんですね。
ブランディングできているかどうかの指標はマネタイズ、つまり、継続的に収益化できているかどうかだからです。
その辺をあやふやにして、あるいは現実を見て見ぬ振りをしてブログを書いている人は、ゴールのないマラソンをしているようなものなので、挫折するのは時間の問題であり、一度見直していただければなと。
挫折しないためのポイントをいくつかお伝えしておくので。
① 農耕型であることを理解する
農業ってあるじゃないですか。
土を整えて、種を蒔いて、水を与えて、肥料を与えて、間引きして、収穫して、大事に出荷して、初めてマネタイズができるアレです。
土を整えて、種を蒔いて、水を与えて、1〜2週間後に収穫できないからといって「ダメじゃん、やーめた」とはならないと思うんですが、ブログもネット上の農業です。
プル型メディアと言われる所以ですね。
ブログは、サーバー代を払って、ドメイン代を払って、WordPressのテーマを買って、初期設定やブログ運営のために本を買ったり、ネタ探しのためにお店に行ったり、旅に出たり、いろんなことにお金や時間を使います。
で、最初は何記事書いても何も起こりません。
アクセスが来るまでは何もなくて、それでもネタを仕入れて、記事を書いて…と、手間ヒマをかけていかなければならないわけです。
それを理解してないというか、イメージできていない人が多いですよね。
もっと言うと、アクセスが集まったからと言って、自社商品であれ、アフィリエイトであれ、すぐに収益化できるわけではありません。
収穫できたミカンを差し出しても、「これ本当に甘いの?」「農薬とかめっちゃ使ってない?」「子どもが食べても大丈夫?」と思われるように、読者が「この人が言うなら買ってみよう」と思わなければ売れないので。
ブログで収益化する、ブランディングするって、そこまで含めてイメージできるかどうかなんですよね。
少なくとも3〜6ヶ月という何も発生しない期間も、愛情を持ってコツコツとブログを育てることができるかどうか。
さらに言うと、アクセス、収益が長期的に継続できるかどうか。
情報商材やスクールなどで、「アフィリエイトで3ヶ月で月収100万円!」とかありますが、可能か不可能かと言われれば可能ですが、限りなく詐欺に近い手法なのは言うまでもなく。
それが1年後にどうなったかは一切触れられませんし。
それって、ラッキーヒットであって再現性はないわけですし、農業で言えば、コッソリと実がなった木を植えて、「ほら、このスーパー肥料を使ったら1ヶ月でこんなに実がなりました!だからあなたもこのスーパー肥料を使えば…」みたいな話です。
ブログビジネスは農業ビジネスであることを理解しましょう。
② 完璧主義は敵だと理解する
60点、70点で世に出しいくのがブログビジネスのセオリーです。
それを1記事ごとに100点を目指して根詰めてライティングをしていくと、トータルの進展が遅くなり、結果としてその分成果も遅れていきます。
ただでさえ「ゼロ ▶︎ イチ」には根気が必要なのに、完璧主義に縛られることによって、自ら「ゼロ ▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎ イチ」にしてしまっているようなものなんですね。
というか、そもそも最初の記事のクオリティなんて、自分の中では「これは60点」「これは100点」と思っていても、読者からすれば全部30点とか40点なんですよ。
それでも世に出すことが大事で、なぜなら世に出さなければずっと0点ですし、市場の反応も見えないので、点数を上げようがないからです。
今では、Xにでも記事をシェアすれば、「ここがもうちょっと詳しく知りたい」とか「この内容は目から鱗だった!」とか何かしらの反応が得られるので、それを受けてリライトしていけばどんどん点数は上げられます。
その作業自体がGoogleにも評価されるわけですしね。
そういった読者の反応に応えてリライトをしていかなければ、文字数が増えるだけで点数は上がらないという状況に陥ります。
むしろ、文字数が増えたことによって、ただ単に「蛇足」が増えて読むのがしんどくなるというパターンの記事もよく見かけます。
適度なクオリティ追求は「善」ですが、完璧主義は負のスパイラルに陥っていく「悪」の要素となり、挫折を呼び込むので注意しましょう。
③ ブログに愛着を持つ工夫をする
これは精神的な部分にかかってくるんですが、「愛着を持つ」というのは、個人的にはけっこう大事な要素だと思っています。
ビジネスをするにあたって、本来、愛着とか主観的な好みは、お客さん目線ではないので排除するべきなんです。
が、ブログの場合は継続力が重視されるビジネスになるので、少しでも継続力にプラスになる要素があるのであれば、多少ムダなことでもやってみた方が良いんですね。
たとえば、ブログのデザインにこだわってみるというのもそうですね。
もちろん、WordPressのエディター(記事を書く画面)は変えられませんが、プレビューを開いたときや記事をアップした時に「やっぱオシャレだよなこのテーマ」と楽しくなるようなテーマを選ぶとか。
ウィジェットやヘッダー、フッターを含めた全体の設定をしたときに「カッコイイ!」「カワイイ!」と思えるとか。
ちなみに、僕もサイトをいくつも運営しているんですが、けっこうテーマを変えています(ただ単に「新しいもの好き」ということもありますが)。
ただ、ここで注意しなければならないのは、愛着はOKですが依存になってしまってはいけないということです。
どういうことかと言うと、相当センスがない限り、最初に立ち上げたブログがずっと上手くいくなんてことはあり得ないので、そうなった場合、そのブログは捨てるかサテライトサイトに回すかしかなくなるんですね。
これが依存になってしまうと、「せっかく時間とお金をかけて作ったんだから、このブログで何とかしてやる」とサンクコストバイアスが働いて負のスパイラルに陥ります。
優秀なアフィリエイターでも、何十というサイトをつくったけど今運営して稼げているのは数サイトだけ、なんてことは普通にあります。
あくまでトライ&エラーを重ねてブログビジネスは成長していくので、こだわりすぎには注意ということですね。
という感じで、この3つのポイントを押さえるだけでも挫折はコントロールできるし、要因を排除できます。
情報発信によってブランディングをしていく場合も、農業を意識した「継続力」は重要になってくるので、ぜひ参考にしていただければと思います。