今回は情報発信のセットアップ方法について。
ブログやメルマガのネタが尽きてしまった人、あるいはブログを書きたいけど何をどう考えて書けば良いのか、どうやってネタを探せば良いのかわからない人に向けての内容ですね。
Twitterでは「枝葉」の話、つまり発信する段階についての内容を話したので、ブログではそこに行き着くまでの初期設定の方法を。
ちなみに、Twitterでの内容はこちら。
★ブログの書き方カンペ
印刷して手元に置いて書いてくれてるクライアントも多いです。少し改訂したのでよければどうぞ。
型に慣れるまでは難しく感じるかもしれないけど、慣れると書く時間をかなり短縮できるし、且つ読みやすくて濃い内容になりますよ( ˙³˙)https://t.co/bpImGUPJXr pic.twitter.com/HJMr3QQplT
— ハットリシンヤ (@FACTDEAL) October 24, 2019
カンペは下記からもダウンロードできるので、ダウンロード後は印刷して横に置きながら書いてください。
では、情報発信のセットアップ方法、ブログを書くまでに把握すべき全体像、明確にしておくべきことを
① リソース型セットアップ
② ニーズ型セットアップ
の2つに分けて解説していきますね。
① リソース型セットアップ
情報発信や商売というのはプロダクトアウトではダメで、基本的にはマーケットインがセオリー、つまり「お客さんの困りごと」ありきでコンセプトを決めていきます。
消費者のニーズを発見して、それに応えていくということですね。
一方、このリソース型セットアップというのは、自分の手持ちから情報発信やコンセプトを組み立てていく方法です。
要するにプロダクトアウト発想ですね。
ただ、このリソース型セットアップは、完全にプロダクトアウトにしてしまうと独りよがりになってしまうので、そうならないように注意点も踏まえて解説します。
STEP1:自分のリソースの把握
まずは自分のリソースを把握するわけですが、リソースとは何かというと、具体的には知識、スキル、経験、情熱、資金、人脈などですね。
一旦は「こんな経験が役に立つのかな?」とか「こんなスキルが必要とされるのかな?」といったニーズは考えず、自分が持っているリソースをひたすら棚卸しします。
自分のリソースの否定はもっとあとからで良いので。
特に、失敗した経験もリソースになるので、失敗だから、苦い経験だからといったネガティブな理由で蓋をしてしまわないようにしましょう。
例えば、ダイエット法を5つくらい試したけど全部失敗したという経験があったとします。
失敗経験だけでは情報としては弱いですが、その後にやった6つ目のダイエットが成功したのであれば「挫折常連者が成功できるたった1つのダイエット法」といった説得力のある情報になりますよね。
失敗した経験を隠す人は多いんですが、苦悩や葛藤が共感となり読者との距離を縮めます。
止揚(アウフヘーベン)的な発想だと考えていただければ。
STEP2:リソースの分解と具体化
STEP1で挙げたリソースを細かく分解し、より具体的にしていきます。
過去5回のダイエットはなぜ失敗したのか、なぜ自分には向いていなかったのか、そして6回目のダイエットはなぜ成功したのかなどですね。
もうこれ以上分析しようがないというところまで分解します。
例えば、食事制限ダイエットに失敗したのは
会社の飲み会にほぼ毎日参加していたから
家族で食べる晩ご飯のカロリーが高かったから
など「問題を引き起こしている問題」にまでフォーカスし、それをどのようにクリアしたのかまでを明確にしてください。
上手く交渉し飲み会を断ることができた
妻に相談してヘルシーな献立に変えてもらった
とかですね。
STEP3:ニーズとの照会と絞り込み
ある程度リストアップしたら、ここではじめて世間のニーズと照会し、
「これはあまりニーズないな」
「この情報を発信しても価値は低いな」
「もうこの情報は出回ってるな」
と判断しながらふるいにかけていくんですね。
例えば「ダイエット 飲み会」で検索するとかなりいろんな情報が出てくるわけですが、ここで1ページ目に出てくる記事を全て読み
情報の網羅性
切り口の独自性
で勝てるかどうかを判断します。
質も量もショボい記事ばかりであれば情報の網羅性で勝負しても良いんですが、ジャンルによっては後発組が網羅性やビックキーワード、つまりSEOだけで勝つのは難しいので、ニッチなーキーワードでの検索かSNSでのバズを狙うことを想定します。
それが「切り口の独自性」ですね。
例えば「ダイエット 飲み会 行きたくない」とかで検索する人に対して、食事メニューがどうこうではなく「ダイエット中の飲み会を断る方法」といった“そもそも論”の記事を書くなどです。
さらにその中(この例であれば食事制限の弊害)でニーズの強いベスト3をピックアアップし、それに関する記事を書くと。
ちなみに、ニーズの強さの判断基準としては、悩んでいる人の数だったり悩みの深さだったり(お金を出してでも解決したいこと)ですね。
② ニーズ型セットアップ
こちらは完全にマーケットインの考え方で、今のマーケティングの主流でありセオリーです。
天才でもない限り、プロダクトアウトだけで(ニーズを照会することすらせず)商売を成功させるのは難しいので、この方法で商品企画・開発をするのが一般的です。
今回のテーマである情報発信においても然り。
リソース型と比べて馴染みやすいと思うので、実践できている人はサラッと読んでいただき、すでにニーズ型セットアップは考え抜いていてネタが切れているという人はリソース型セットアップを。
STEP1:周囲のニーズの把握
ニーズというのは要するに悩み、痛み、欲望などのことで、テレビを見てもネットニュースを見ても無限に溢れています。
その中でも長期に渡って表に出ているものや、短期だけど物議を醸しているものに注目します。
長期で言うと、繰り返しニュースになっていること、例えばネガティブなものであれば年金問題や介護問題、教育問題、脱税、詐欺など、ポジティブなもの(欲望)であればエンタメやスポーツのイベントなどです。
短期で言うと炎上ネタとかがわかりやすいですかね。
STEP2:ニーズの分解と具体化
そしてリソース型と同じように、ニーズを分解、具体化していきます。
ただ、自分が体験しているリソースと違って、ニーズは自分が体験していないものも多いので、その場合は情報収集に時間がかかります。
なぜ年金問題は解決しないのか、なぜ詐欺はなくならないのかという問題を深く調べる必要があるということです。
例えば「詐欺がなくならない」のニーズとしては
詐欺師を撲滅したい
詐欺に引っかからないようにしたい
といったパターンがあり、前者はTwitterではよく見かける風景ですが、詐欺師を発見して成敗するといった、何かしらの啓蒙活動をしたいという願望があったりします。
一方、後者は騙されないための知識をつけたり、騙されそうになったときの対処法を勉強をしたいという願望がありますよね。
詐欺がなくならないという問題に対してのニーズが複数のパターンがあるように、1つの問題に対して複数のニーズがあるということを理解しておいてください。
必ずしも「問題=ニーズ」ではないということですね。
むしろ、細分化することでニーズが明確になり、そのニーズを抱えている人にピンポイントで刺さります。
STEP3:リソースとの照会と絞り込み
STEP2で分解し具体的要素の中で、
自分が部分的に解決できるものはないか?
自分のリソースと合致するものはどれか?
情熱(興味)を注げるものはどれか?
を考え、可能なものを3つほどピックアップして、それに関する記事を書くようにします。
この「部分的」というのはけっこうポイントで、AからZまで全てを解決できなければ情報発信をしてはいけない、専門家として名乗ってはいけないと思い込んでいる人は多いんですが、そんな完璧人間はそもそも存在しません。
あらゆる情報はどこか抽象度の高い部分が残っていたり、足りていないパーツがあって当たり前なので、記事のクオリティは大事ですが、だからと言って変に完璧主義になりすぎると何も発信できなくなってしまいます。
なので「部分的な解決策でも良い」という考え方は忘れないでください。
また「情熱」や「興味」もやはり重要です。
サイト設計上、公開する記事数も決まっていて外注箇所も決まっているという「誰が書くのか」は重要ではないブログであれば情熱や興味は薄くてもさほど問題ありません。
が、あなたが書くことに意味があるような「ブロガー型ブログ」においては、情熱を注げるネタか興味を持てるジャンルかは大事です。
もちろん、書いてみなくてはわからない部分もありますが、セットアップの段階でも自問自答するようにしてください。
リソース型、ニーズ型、どちらかのセットアップが完了したら、あとはカンペにあるような構成で書いてみて、完成した記事をTwitterなどでシェアし、反応や意見をみながらブラッシュアップをかけていきます。
世の中のニーズはなくなりませんし、普通に生きていればリソースも増えていくはずなので、定期的に再セットアップをすることをオススメします。
情報発信の切り口に関してはこちらの記事も参考にしてください。