過去にTwitterで下記のようなアンケートを取ったんですが、おもしろい結果が出ました。
リプ欄も興味深いのでぜひ覗いてみてください。
今の世の中は…
— ハットリシンヤ|マーケとカメラとイロイロ (@FACTDEAL) September 9, 2018
で、なぜこんなアンケートを取ったかというと、ある本を読んで疑問に思ったからなんですが、今回のアンケートの反応を見ていると、共通言語として「錯覚資産」という言葉が普通に使われていたので、読んだことがある人もけっこう多いのかなと思いつつ。
僕が疑問に思ったのは、このSNS至上時代に、実際に「世の中、実力がものを言う」と思っている人が果たしてどれくらいいるのかです。
というのも、ふろむださんの「人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている」主張が新常識とは思えなくて。
「①はまぁ一番多いとして、②もけっこういるんじゃない?」
というのが大方の予想でした。
もちろん、Twitterの中でアンケートを取れば②を選択する人はそれなりに多くなるとは思っていましたが「①が多くあって欲しい」という願望もあったので。
しかし、実力ではなく「②実力があると錯覚させる能力がものを言う」が一番多いという結果になりました。
このアンケート結果から見えてくることは何か?
また、あなた自身はこの結果を見て、何を考え、どんな行動を起こすのか。
書籍の内容とは少し違う切り口で、よりリアルに感じてもらえる実体験を含めて書いたので参考にしてもらえれば。
価値観を着替えよう
この4項目というのは、いわば価値観であり、人生やビジネスはその価値観の上に乗っかるものです。
つまり、何を信じるか、何を選ぶかによって人生やビジネスの結果は大きく変わってくるということですね。
実力がものを言う
実力があると錯覚させる能力がものを言う
人脈がものを言う
運がものを言う
のうち、どれを信じ、どれ選ぶかによって。
ただ、あなたが選んだ回答というのは、悩んだ末に選んだのではなく、今までの人生で培ってきた価値観によって選んだものなんですよね。
つまり「自分はこう思う」、あるいは「こうであって欲しい」という願望。
なので、アンケート結果がどうあれ、多くの人は「実力こそが大事!」「自分を良く見せることが大事!」「人脈が命!」「人生なんて運に任せろ!」という自分の価値観を変えることはほとんどありません。
しかし、今ある価値観をずっと貫いてきて、人生やビジネスが好転していないのであれば、その価値観とじっくり向き合い必要があるんですね。
よく言われる「今までの人生経験によって価値観は決まる」というのも1つの価値観なわけですが、その思い込みすらも一旦捨てて、今この瞬間から自ら価値観を塗り替えた方が上手くいくかもしれません。
受動的に価値観を身に付けるのではなく、目的によって自ら価値観を自由に選ぶ時代なんです。
しょっちゅうブレてろ、虚飾しろというわけではなく、ファッションのように目的に応じて価値観を着替える柔軟性と、選んだ価値観に責任を持って一定期間貫くことが「今の世の中」を生き抜く肝になるという話です。
じゃぁ、どの価値観を選択し、信じていけば良いのかという話。
2種類の先行型ビジネス
ビジネスで成果を出すための方法は、基本的に2つありまして。
1つは、一定期間こもってコツコツリサーチしながらコンテンツを充実させていき、コンテンツ力が伴ったら世に出してどんどんアピールしていくという方法。
要は、実力先行型です。
たとえば、有益なブログが書けるようになって、記事もあるていど蓄積されてから、自分の専門性をSNSでガンガン活用してアピールしていくという流れはそうですね。
もう1つは、自分はいかに優れた人間かをSNS等で猛アピールし、名前を売り、知名度や人気が出てきたら、それに見合うコンテンツを提供していくという方法。
こちらは錯覚力先行型ですね。
たとえば、Twitterでインフルエンサーにガンガン絡み、知名度を上げ、あるていどブランディングが軌道に乗ったら、それに見合う商品やサービスを提供していくという流れ。
見ての通り、前者の場合はリサーチさえサボらなければ失敗する可能性は極めて低いです。
が、後者の場合は知名度が爆発するタイミングで優れた商品やサービスを提供できなければ終わるので、前者に比べて圧倒的にリスクが高いです。
ウソつきになってしまうわけですから当然といえば当然ですが。
影響力とコンテンツ力が伴っていなくて支離滅裂になっている人は、Twitterではよく見かけると思うんですよね。
そこで、僕のオススメとしては、関連する2つのビジネスを「実力先行型」「錯覚力先行型」両方同時進行で進める方法です。
価値観を1つに絞るのではなく、2つ取り入れるということです。
僕のパターンの場合
たとえば僕の場合、コンサルタントというビジネスにおいてはそれなりの権威性や信用性が必要になるわけですが、この場合、錯覚力を使う方が有利になります。
なぜなら、実績や経験もなく、優れた情報発信もできない状態では「自分はいかに優れた人間か」をアピールするしかありませんからね。
現状持っている知識、価値観、想いなどで戦うしかないじゃないですか。
で、最初は無料であっても、必要としてくれたクライアントのため精一杯仕事をし、足りないリソースやスキルはその都度補いながら実力をつけていくわけです。
一方で、情報発信ビジネスにおいては、錯覚力も何もコンテンツが勝負なわけですから、コツコツやる他ありません。
中身が丸見えのコンテンツにおいては「実力があるように見せかける」というのは本来不可能なので、実力を認めてもらえるような説得力のあるコンテンツをコツコツとつくるしかないと。
なんちゃってインフルエンサーがよくやっているような錯覚力先行型で突き進んでも、そこに内容が伴ってこなければ終了なので。
まぁ、求心力を「情報」ではなく「人」に寄せる場合は、情報弱者に錯覚力がまかり通ってしまう恐ろしさはあるんですが。
話を戻しますが、コンサルビジネスと情報発信ビジネス、これらを僕は同時に進めました。
コンサルビジネス(錯覚力先行型)
情報発信ビジネス(実力先行型)
というスタンスで(この2つは高い相乗効果があるということは確信していた)。
実力がないのに錯覚力だけで突っ走ってるコンサルタントってよくいるじゃないですか。
いつまでたってもろくなノウハウもコンテンツも提示せず、身内で回しているステマみたいな「お客様の声」とか、セミナーばっかりやって集合写真をやたら掲載している人とか。
ああなってしまったらコンサルタントとして終わりだなと思いまして。
実力を上げて実力を可視化していかなければ、つまり情報発信を強化してコンテンツを残していかなければコンサルタントとしての未来はないなと。
ということなので、錯覚力も使いながらコンサルビジネスを軌道に乗せつつ、コンサルの現場で指導していることや僕自身が学んだことをブログに書いたりコンテンツとして販売していったんですね。
そして最後の最後にSNSに力を入れたわけです。
そうすると、コンサルビジネスにおいて錯覚力を使う必要がどんどんなくなっていくわけです。
実力を理解してくれた人が拡めてくれるので。
もちろん、言葉や見た目など気を使っている部分はあるので、錯覚力の使用はゼロではありませんが、限りなく素の実力だけをストレートに伝えていればビジネスは成長していきます。
参考事例は他にも多数
僕の周りで上手くいっている人はこのパターンが多いです。
さすがに実力ゼロの状態で、錯覚力だけで道を切り開いていっている人はいませんが、多少の実力を持った上で錯覚資産を使って活躍できる場所を他にも確保し、そこで実力を向上をさせていっている人は多いです。
で、同時に実力先行型で進めているビジネスもちゃんとあると。
まぁ、上手くいっているのは、多くの人がコンサルビジネスをしているというのもありますが。
コンサルビジネスは本業の次のステップとして汎用性が高いので、本業(実力先行型)、コンサル(錯覚力先行型)というイメージですね。
コンサルビジネスをしたい人に「さっさとコンサルタントと名乗った方が良いよ」とアドバイスしているのはそのためです。
今まで「何ごとも実力をつけてから」という価値観でやってきて、正直行き詰まっているという人は、この機会に価値観を着替えてみてはいかがでしょうか。
実力先行型は良く言えば「誠実」ではあるんですが、悪く言えば有言実行から逃げているとも言えるので。
どれを「実力」で進め、どれを「錯覚力」で進めるのがベストかを考えてみてください。
実力だけでこの先もポジションを維持できるものはそのままでOK、プラス、錯覚力で飛び込んで、相手に錯覚させたまま売り逃げるのではなく、行動を伴わせ、さらにその行動を継続するというチャレンジもしてみてください。