今回のテーマは「強み」です。
なぜこのテーマを取り上げたのかというと、やはり自分の強みが何かわからずに悩んでいる人が多いのと、ビジネスにおいては「強みを打ち出さなければならない」というのがセオリーがあるからです。
ただ、必ずしも強みを打ち出す必要はないんですね。
むしろ、そこにこだわりすぎて「他の人と比べて自分には何もない」と落ちてしまう人は少なくないので、それならもう考えなくて良いやんと。
ということで、今日は自分の強みがわからなくても、ゴリゴリ打ち出さなくてもちゃんとビジネスは回る(集客もマネタイズもできる)ということを解説していきます。
「自分の強み」という自己中心的な発想
そもそも強みというのは自分の中にないんですね。
自分の中にあるのはあくまでリソース(知識、経験、スキル)であって、それを必要としている人がいて、その人の役に立つようにリソースを編集・加工してはじめて強みになります。
つまり、多くの人が考える強みというのは「ワイはこれができるぞ!ドヤ!」という独りよがりであり自己中心的なものなので、まずそこの理解が必要で。
人の役に立つことによって、ただのリソースが強みに変わるというわけです。
このことをわかっていないと、自分の中から強みを引きずり出そうとしてしまい、でもそれは単なるリソースでしかないのでビジネスにとして成立せず、延々と悩み続けるというスパイラルに陥るんですね。
結局、そこに「誰のための強みなのか?」が不在なので、無理矢理「私の強みはこれです!」とアピールしたところでお客さんには刺さりませんし、押し付けに過ぎないわけです。
なので、自分の強みを知りたければ「自分には何ができるか」ではなく「誰のために何ができるか」を起点にすることがポイントです。
自分の強みに関して悩んでいる人は、コツコツ情報発信するのがイヤで、一気に人を惹きつけられる強みを作って打ち出したいだけの人が多いので、まずはその考えを改めましょう。
そもそも強みを知る必要はあるのか
クライアントからも「自分の強みがわからない」という相談はよく受けるんですが、場合によっては僕は「自分の強みなんて知る必要ないです」と答えることがあります。
というのも、ビジネスがちゃんと回っている場合、お客さんは何かしら他社との違い、つまりあなたならではの強みに惹かれてきてくれているということなので、特にそれ以上掘り下げる必要はないんですね。
商売の中でそれを打ち出せているということですし、お客さんが喜んでくれていてリピートしてくれているのであればそういうことです。
もちろん、ビジネスが軌道に乗るまでは、自分自身や自分の商品の強みを客観的に理解して打ち出せるに越したことはありません。
が、これも自分の商品に自信があって、実際にクオリティを担保できているのであれば、ゴリゴリと強みをアピールする必要はなかったりします。
なぜなら、強みをアピールしたい理由としては、やはり集客のためだと思うんですが、強みをアピールしなくても誠実な情報発信を継続することで集客は難なくできるからです、
例えば、ブログで独りよがりの「私はこれができます!」「これが得意です!」という記事を書くより「〇〇に困っている人は●●が原因なので、△△という方法が有効です」という知識を提供してあげたり「他に▲▲という方法があります」と比較対象を教えてあげる方が信用を得られるからです。
ブログというのは本来そういうものですしね。
あとはそこに決め手となる価値観、つまり商品は普通でも「この人の考え方好きだからこの人から買おう」と思ってもらえる要素があれば完璧です。
そして「ちなみに私の商品はこれです」とスッと差し出せばコンバージョンできてしまいます。
エンタメは別として、お客さんは前代未聞の解決策がほしいのではなく、より確実性の高い解決策とアフターフォローの安心感がほしいだけなので。
ビジネスにおいて強みを打ち出せると集客やマネタイズがしやすいのは確かですが、そこにこだわる必要はないということですね。
強みをがわからなければ、並以上のクオリティの商品やサービスをしっかり作り、それが問題や悩みを解決できること、他と比較しても遜色がないことをしっかり説明できて安心してもらえれば良いだけで。
で、決め手として自分のライフスタイルや価値観をしっかり伝えると。
人の強みがわかることが強み
まとめると、他の追随を許さないような圧倒的な強みがあるのであれば、それは打ち出さないともったいないですし、打ち出した方がビジネスを加速させる要素になります。
が、全ての人がそんな強みを持っているわけではないですし、誰しもが手持ちのカードで戦うしかありません。
その場合は、無理に強みを作ろうとせず、まずは当たり前のことを当たり前のクオリティに仕上げ、そこに自分の価値観をオンするというアプローチをしてみてください。
そうやって自分のリソースとお客さんのニーズが合致していけば、自然と強みはお客さんが気づいてくれるようになりますし、気になるのであれば「なんでうちの商品を選んでくれたんですか?」と聞いてみましょう。
そこで集まる声の最大公約数が強みの一つですから。
ちなみに、自分の強みばかりアピールする人よりも、人の強みや魅力を見つけられる人の方が社会的価値があります。
下記ではコンサルタントやマーケターを例に出したツイートをしましたが、そういった職業に限らずですね。
誰かの強みがわかることがもう強みなんですよ。
コンサル、マーケに携わってると自分の強みとかどうでも良い。そんな独りよがりに時間をかけるヒマがあったらお客さんのことを考える。
お客さんのリソースと市場のニーズを理解してそれをつなげて強みを作ることが仕事なので、それができることがもう強みであり、それ以上の強みは必要ないんだよな。
— ハットリシンヤ|マーケとカメラとイロイロ (@FACTDEAL) July 27, 2021
他人の良さに気づける人が最強ですよ。世界に伝えられる自分の魅力なんてたかが知れてるし。
それより「こんなステキな人がおるで」「こんな面白い人がおる」って、いろんな人をたくさんの人に伝える方が価値があるし、世界は良くなるかなと(話がデカい)。
だから僕はマーケティングの仕事が好き。
— ハットリシンヤ|マーケとカメラとイロイロ (@FACTDEAL) July 27, 2021
Twitterでもそうじゃないですか。
RTやフォローを強制するような企画をしたり、自分のことばかりアピールしている人より、
「こんなおもしろい人がいるよ」
「こんな楽しい企画やってるよ」
「こんなスゲー商品作ってる人がいるよ」
と、誰かの魅力を発掘してそれを多くの人に伝えようとしている人の方が信用を集めていますし、余裕も感じられるじゃないですか。
お客さんを取られることを恐れて、優秀な同業者を全然紹介しない人とかもいますが、そんなことをしても自分の成長を止めるだけですし、器の小ささを露呈するだけです。
結局、良い人と良い商品をつなげられる人が最強ですし、本来GIVEというのは「無料で与える」ではなくそういうアプローチだと思いますしね。