こんにちは、服部(@marketing_factdeal)です。
ビジネスをしている人、マーケティングを勉強している人にとって、ニーズという言葉はお馴染みだと思いますが、お客さんのニーズというのは3層構造になっているって知っていますか?
これを知っておくと、お客さんのニーズの解像度がハンパなく上がしますし、イコール自分のビジネスの解像度もグッと上がるので、ぜひ知っておいてください。
まず、ニーズというのは、その言葉の通り、世の中の人が必要としているものや求めていること、つまり「需要」や「要望」のことです。
特にマーケティングやビジネスの分野では、お客さんがどんな商品やサービスを求めているのかを理解し、それに応じた商品やサービスの提供を行うための重要な概念として使われます。
また、文脈によっては「痛み」や「苦しみ」といった「満たされない状態」や「不足感」を含意することもあります。
例えば、マーケティングで「ニーズ」を考える際には、顧客が抱える「痛み」や「苦しみ」が、まだ解消されていない「必要性」として捉えられることがあるということですね。
この場合、「ニーズ」は単なる欲求を超えて、解決すべき問題や不満、困難な状況として認識されるのです。
言語化する際には、お客さんは、何に悩んでいるのか、どんな問題をかかえているのか、性別は、年齢は、家族構成は、ライフスタイルは、どんな場面、どんな状況で悩んでいるのか、まで考えます。
まぁ、ビジネスをする人は、こういったことは当たり前にリサーチしていると思いますが、たた、ここで終わってしまっている人がけっこう多いんです。
本当の意味でお客さんのニーズを理解するためには、もう2段階、3段階掘り下げないとダメなんですね。
多くの人が「お客さんのニーズを理解すること」が重要であることは認識していますが、理解にとどまらず、さらに2段階、3段階と深掘りすることが実は重要であり、それによって初めて本当の意味でお客さんに響く提案が可能となります。
ニーズを深掘りする重要性
多くのビジネスやサービスが「お客さんのニーズに応える」ことを掲げていますが、表面的な「必要性」や「要望」を満たすだけでは、真の満足や信頼にはつながりにくいんですね。
なぜなら、顕在化されている表面上の悩みや不満の裏には、さらに深い(潜在的な)理由や根拠が隠れていることが多いからです。
こうした、奥深くにある問題を解決しない限り、短期的な満足は得られても、長期的な関係やリピートにはつながりにくいということです。
じゃぁ、具体的にどうやってお客さんのニーズを深く掘り下げるかという、その3段階のステップをご紹介します。
この3段階のアプローチによって、より高い解像度でお客さんの悩みを把握し、適切な解決策を提供できるようになります。
ニーズの深掘り3ステップ
STEP1:悩みを確認する
最初に、お客さんが抱えている表面的な「悩み」を聞き出します。
この段階では、あくまでもお客さんの言葉や表現に基づいた悩みを把握することが目的です。
例えば、ダイエットがうまくいかないといった悩みがあったとしたら、この段階では、「どうしてダイエットに悩んでいるのか?」といった問いかけをせずに、「どんなことに困っているのか」を表面上で確認することがポイントです。
お客さんの話を遮らず、共感しながら悩みの輪郭をしっかり捉えるということですね。
STEP2:理由を掘り下げる
2段階目では、悩みの「理由」を掘り下げます。
お客さんが、なぜその悩みを抱えているのかを理解し、言語化してんくてはいけないわけですが、この段階に進むと、悩みの裏にある背景や、潜在的な不安が見えてくることが多いです。
たとえば、ダイエットがうまくいかない理由として「自己流でやっているから」や「適切な指導者がいないから」といった原因が挙げられるかもしれません。
お客さんに対しては、「なぜそう感じるのか?」や「何がそうさせていると考えているのか?」といった形で、自然に「理由」を掘り下げる質問を投げかけてください。
SPIN営業術における「Problem Questions(問題質問)」のようなものですね。
ここで重要なのは、お客さん自身が自身の悩みを深く見つめ、理解できるように促すことです。
質問により自身で考え始めることで、今まで気づかなかった本当の理由や原因に気付く可能性があるからです。
STEP3:根拠を示す
最後に、その「理由」が実際にどうして悩みの原因となっているのか、「根拠」を示すことが重要です。
これをしないと、お客さんは自分の悩みの解像度が低いままなので、「あなたの悩みはこれですね、じゃぁこうしましょう」と言っても全く響かないからです。
お客さんに納得してもらうためには、その理由に根拠があると示す必要があり、この根拠を明確に示すことで、悩みの原因が具体化され、お客さんが自身の悩みを俯瞰的に見ることができるようになります。
例えば、「自己流でやっているから上手くいかない」という理由には、「多くの人が自己流ダイエットで失敗しているデータがある」といった根拠や、実際にそのお客さんの生活習慣や取り組み方と照らし合わせて「だからあなたも同じ悩みに陥っている可能性が高い」と説明することが有効です。
ここでのポイントは、「お客さんが現状を理解し、共感しながら改善点を見つけられるように導く」ことなんですね、
根拠を示す際には、単なるデータや理論ではなく、お客さんの具体的な状況や行動、あるいは、ライフスタイル関連づけて説明することで、より理解が深まりますし、説得力も全く違ってきます。
深掘りを活用した提案の組み立て方
お客さんの悩みが3段階にわたって掘り下げられると、それまで見えてこなかった具体的な解決策を示すことが可能になります。
この時点で、お客さんの悩みが解決する方法を「悩み」「理由」「根拠」をベースに提案していくわけですが、例えば次のように伝えることで、お客さんにとって納得感が高まります。
❶ 悩みの整理:「あなたの悩みはこれなんですね」と悩みを整理し、お客さんの感情に寄り添います。
❷ 理由の明確化:「その悩みが解決しない理由は〇〇だと考えられます」と、原因を示します。
❸ 根拠の提示:「なぜなら〇〇というデータがあるんですが、あなたも実際にそうなっているからです」と、具体的な根拠を説明します。
❹ 解決策の提案:「なので、逆にこれをこうすることで悩みは解決します」と明確な解決策を示します。
このように、3段階にわたる深掘りが完了した時点で、お客さんは自身の悩みの全体像を把握し、解決に向けた道筋を見出しやすくなるというわけです。
ニーズは「悩み+理由+根拠」で構成されていて、これをしっかり言語化してあげることで、お客さんはあなたの解決策を信頼して受け入れてくれるようになるということですね。
まとめ
お客さんのニーズを深く理解するためには、悩みを聞くだけでは不十分です。
表面的な悩みの裏に ある理由や根拠を明らかにすることが、お客さんにとって真に価値のある提案を行うカギとなるということですね。
悩みを解消するには、まずその悩みが発生する背景や原因、そしてそれが悩みの原因である根拠を示し、お客さんが納得できる形で解決策を提案することが大切です。
こうした深掘りのアプローチを日々の仕事やコミュニケーションに取り入れることで、より信頼関係が強固になり、お客さんが求める以上の満足度を提供できるようになるわけです。
単なる悩み解決から一歩踏み込んだ、本質的な解決を目指すために、ぜひこの3段階の深掘りを試してみてください。