こんにちは、服部(@FACTDEAL)です。
ビジネス界隈のマインドセットでよく聞く話で、
「身近な人を大切にできない人はお客さんなんか大切にできない」
「家族も大切にできない人はお客さんも大切にできない」
というのがあります。
「だからまずは近くの人を大切にしよう」みたいな、いわゆる”美しい話”というヤツですね。
ただ、結論から言ってしまうと、これって何の因果関係も無いんですよね。
だって、そもそも「大切にする」の定義やレベルって人それぞれですし、家族を大切にすることとお客さんを大切にすることって全然違うじゃないですか。
誤解を恐れずに言うと、お客さんを大切にすることって、家族を大切にするという目的においての手段にしか過ぎないわけじゃないですか。
もちろん、逆の人もいるかもしれませんが、僕の価値観においては無いですね。
家族とお客さんは違う
例えば、僕であれば身近な大切な人というのは嫁と息子です。
で、家族に対しての「大切にする」ということの定義は何かというと、
「1日のほとんどの時間(具体的には10時間以上)家族と触れ合い、金銭的な制約で心身共に不健康になることなく、やりたいと思ったこと、してあげたいと思ったことが自由にできる環境を用意してあげる」
と決まっています。
もちろん、僕自身はこう決めているだけで、人によっては、
・お金で困らせない
・貧しくても笑顔で接する
・1日10回ハグをする
・週1回は家族で遊びに出かける
・子どもを大学まで入れてあげる
・結婚記念日は旅行に行く
・誕生日は家族でお祝いをする
などなど、いろいろあると思いますが、コンサルの際にヒアリングをすると「特に決めていない」という人が大半です。
Facebookやインスタで家族写真をアップしている人の大半は、そうやって自分にも周りにも、そして家族にも「大事にしてますよアピール」をして自分を落ち着かせている、という心理状態だったりします。
具体的な定義を決めていなくても、なんとなく、「オレ(私)家族のために尽くしてる〜!」っていう気になりますから。
大事にする=約束を守る
ここまでで、すでに、大切な人を大切にすることとお客さんを大切にすることに因果関係は無いということに気付き始めている人もいるかと思います。
「身近な人を大切にできない人はお客さんなんか大切にできない」
「家族も大切にできない人はお客さんも大切にできない」
この本質というのは、言ってしまえば、自分と大切な人に対する約束なわけです。
要するに、
「大切な人を大切にするという約束を守れる人は、当然、お客さんとの約束くらいちゃんと守れるだろう」
という話であって、別に身近な人を大切にできないからといって、お客さんを大切にできないというわけではないということです。
だって、大切な人との約束が壮大であればあるほど、お客さんとの約束はそのための手段にしか過ぎなくなりますから。
先ほどの僕の定義の例でいくと、この定義を決めることによって、長時間労働、低収入では家族との約束が守れなくなります。
イコール、1日数時間の労働、あるいは家族と身近で触れ合いながらできるビジネスで、月収数百万円は稼がなければならないということになります。
結果として、そのために何をすれば良いが明確になり、お客さんを大切にすることなんてごくごく当たり前の話になるということです。
もっと具体的に言うと、お客さんを大切にするということは、究極はお客さんの家族やライフスタイルも大切にするということなので、お客さんと家族ぐるみの付き合いをするとか、理想のライフスタイルの実現を前提に経営計画を立てたりコンサルをしたりといったことをします。
そのためには、めんどくさいお客さんとは付き合わないとか、一定期間は長時間、低収入でも良いからしっかり土台を作るといったことも必要になりますよね。
なので、僕から言わせてもらうと、冒頭のマインドセットは間違っていて、
「自分の大切な人を大切にするということの定義や約束が明確ではない人はお客さんを大切にできない」
ということになります。
お客さんが先じゃない?
家族がわかりやすいので家族を中心に話をしていますが、そうではない人は大切な人は恋人や友達、ペットに置き換えてください
とりあえず家族の例のままでいきますが、
・家族をお金で困らせたくない
・もっと触れ合う時間を持ちたい
といったようなことが「大切にする」ことの定義であり、自分と家族との約束だと決めていて、でも実現できていないのであれば、今やるべきことは、今の収入でやりくりできる生活レベルをキープすることや、家族と触れ合った気になってSNSに投稿したりすることではないでしょう。
家族との約束を実現するための必要なお金、必要な時間までしっかり明確にして、そのために一定期間、家族を犠牲にしてでも、「お客さんを大切にすること」が先になるんじゃないですかね?
もっとちゃんとビジネスに腰入れろよ、ということです。
ほら、この場合、
「お客さんを大切にできない人は大切な人を大切にできない」
ということになりますね。
何を優先的に大事にすべきかは状況によっていくらでも変わるということです。
極論、父親が、「子育ては一切関与しないけど毎月1000万円は家に入れる」というのが、ある家族にとっては大切にする、大切にされる定義の場合もあるかもしれません。
でも、側から見たとき、それどう映っているのかはわかりません。
大抵、「旦那は仕事ができる男だけど、家族は大切にされていなくてかわいそう」と映るでしょうか。
でも、家族を大切にしているし、大切にされているわけです。
定義が明確に決まっていて、お互いそれで納得していれば、何ら問題ないですよね。
あなたの「大切な人を大切にする」の定義は、具体的かつ明確に決まっているでしょうか?
「何があってもオマエたちはオレ(渡し)が守る!」
「これから命をかけて一生大切にするから!」
みたいな精神論でいってませんか?
例えば、どんなことがあった時、どうやって守るんですか?
そのための準備や行動は何をしているんですか?