先日、Twitterでつぶやいたこちらですが、なかなか抽象度の高い内容なので実践ベースに落とし込むのは大変だと思います。
【マーケティングの7ステップ】
❶自分を知り(リソース)
❷相手を知り(ニーズ)
❸相手に知ってもらい(ブランド)
❹相手に必要としてもらい(ディール)
❺相手をさらに深く知り(リサーチ)
❻相手にさらに必要としてもらい(リピート)
❼良い関係性を継続する(パートナー)ザ・相互理解。
— ハットリシンヤ (@FACTDEAL) June 1, 2020
が、マーケティングやビジネスなんてそんなもので。
実際、成功の資質が高い人にとっては抽象度の高い情報の方が自分に落とし込みやすいですし、それでガンガン稼いじゃいますからね。
一方で、具体的な情報を貰わなければ何もできない人がいて、実はそういう人の方が成果は出しにくかったりします。
なぜかというと、具体的な情報やノウハウは、その通り完璧にパクって実践して初めて成果が出る可能性があるものなので、愚直な大量行動や試行錯誤ができない人にとっては何の価値もないからです。
ちなみに「成果が出る可能性がある」といったのは100%再現性があるものなんてないですし、今までは良くても今日からそれは使えませんなんてことも往々にしてあるからです。
それは昨今のコロナショックでも多くの人が体験したはず。
昨日今日までそれで良かったものが徐々にそうはいかなくなるというイヤな流れを見てきたと思いますし、傍観者ではなく、実際にその渦に巻き込まれてしまった人もいますよね。
そうならないように、普段から抽象度の高い情報からビジネスを起こせるクセをつけておきましょうというのが今回の話です。
要は「さぁ、ビジネスをやろう」「さぁ、マーケティングをしよう」という段階ではなく、何かしら良くない変化が起きたときにすぐ「よし、じゃぁこうしよう」とサッサと動けるように準備をしておくということです。
できれば毎月、この7つの項目について言語化、可視化しておくことをオススメします。
❶ 自分を知り(リソース)
❷ 相手を知り(ニーズ)
❸ 相手に知ってもらい(ブランド)
❹ 相手に必要としてもらい(ディール)
❺ 相手をさらに深く知り(リサーチ)
❻ 相手にさらに必要としてもらい(リピート)
❼ 良い関係性を継続する(パートナー)
もちろん、振り返りや次の施策に対しても重要な項目ですし踏むべきステップなんですが、できれば現状把握、つまり「今」を軸に掘り下げていただければなと。
抽象度の高いステップを、自分の頭で考えてどれだけ具体的にできるかがポイントですからね。
とはいえ、こういった抽象度の高い情報をどのように掘り下げたり落とし込んだりすれば良いのかわからないと思うので、すでに成果を出している人、あるいは出せる人はどんな視点で見ているのかを知ってください。
これを知ることで一気に視界が広がると思いますし、人によってはポンポンビジネスが生まれるかもしれません。
ということで、肝となる❶〜❺の解説をしていきます。
❶ 自分を知る(リソース)
これは「自分には何ができるか」を把握しておきましょうということなんですが、その際には必ず「過去」「現在」「未来」について考えます。
つまり
今まで何をしてきたか(過去)
今何ができるか(現在)
将来何ができるようになるか(未来)
について考えるんですね。
過去と現在について考えるのは一般的だと思うんですが、未来について考える人はなかなかいなくて。
でも、この「未来」を追加することによって「自分にできること」が無限に広がっていくのでめちゃくちゃ大事なんです。
ただし、ぼんやりと「これができるようになりたい」と思っているのはダメで、ちゃんと「これをこうすればこれができるようになる」というふうに正しいプロセス(努力の仕方)がわかっていることが大前提になります。
もちろん、最初からはそんなことはわからないので、気になったことにはどんどん首をつっこんでいろんなパターンを知っていくこと、つまりたくさんの「リソース予備軍」を作っておくということですね。
例えば、子どもってそうやって常に未来に生きてるじゃないですか。
過去の恐怖なんてどんどん乗り越えるし、現状に満足しないし「あれやりたい」「これやりたい」といろんなことに首をつっこみまくります。
子どもの将来が無限に広がっているのはそのためですし、大人もそういう生き方ができれば最高じゃやないですか。
…と、息子に学ぶ日々です。
少し話は脱線しましたが、自分の持っているカードで勝負するしかないとはいえ、そのカードを増やすことを前提にして自身のリソースの棚卸しをしましょうということです。
変に凝り固まって「自分にはこれしかない」となるのではなく、
「過去のこういう経験からこれもできそうだな」
「今のこれが上手くいったら次はこれができるな」
というふうに、未来に向かってリソースは変化して増えていくものだということを忘れずにバーチャル・リソースもどんどん出していきましょう。
それこそが本当の意味で「自分を知る」ということです。
❷ 相手を知る(ニーズ)
相手が何を求めるかを知るということなんですが、カンの鋭い人はもしかしたら薄々感じているかもしれませんね。
そうです、ここでも過去、現在、未来を考えます。
どういうことかというと「今困っていること」が引き起こす困りごとが「未来のニーズ」になりますし、今困るようになった原因は過去にあり、それはすなわち「過去のニーズ」になるということです。
困るようになった原因は何か(過去)
今困っていることは何か(現在)
解決できなければ次は何に困るのか(未来)
というふうに「今困っていること」を軸に過去と未来が付随してくると。
どうでしょうか?
問題にはその問題が起きる原因があり、さらにその問題が引き起こす問題があるというコンサル的な考え方ですね。
目の前のニーズを対処するのは大企業に任せておいて、僕らフリーランスはその前後の活動チェーンにも全力で寄り添うことで差別化ができるし、息の長いビジネスができるわけです。
お客さんが「購入する」というのは、その前後にお客さんが考えたり行動したりする一部のことでしかなく「活動チェーン」というのは、その前後の連なりを表したものです。
例えば「購入する」の前後には、少なく考えてもこれだけの活動チェーンがあります。
問題認識
課題を絞る
キーワードで調べる
解決方法を探す
比較する
試してみる
購入する
使う
慣れる
解決する
メンテナンスをする
廃棄する
アップグレードする
視点を前後(過去と未来)にずらして「自分ができることは何か?」を考えてみましょう。
例えば、お客さんの困りごとが「集客ができない」だとすると「〇〇集客法!」とかに飛びつかせるのではなく、集客ができない(できなくなった)原因は何か(過去)、集客ができない状態が続くとどうなるか(未来)にも目を向けて対策をするということです。
特殊なことをしなくても、この中から競合が取り組んでいないことをやったり、競合がやってるけど弱いところや手を抜いているところを強化するだけで差別化になる。
特にフリーランスはフットワークが軽いので、企業ができていないことをスピード感を持ってガンガン取り組める。むしろそれこそが強み。
— ハットリシンヤ (@FACTDEAL) December 21, 2021
活動チェーンの出典元はこちらの書籍です。
❸ 相手に知ってもらう(ブランド)
だいぶ慣れてきたと思うので、じゃぁこのフブランディングというェーズにおける、過去、現在、未来は何かを考えてみてください。
簡単に言うと、
今までどう思われていたのか(過去)
今どう思われているのか(現在)
今後どう思ってもらいたいのか(未来)
ということになります。
恋愛でも「今はこんな感じだけど、出会った当時の印象は最悪だった」みたいな話はよく聞くと思います。
これって最初の印象は悪かったけど、何かをきっかけに親密になったということなので、仮にその恋愛が終わったとしても、その「きっかけ」を知っておけば次の恋愛に生かせますよね。
ビジネスでもヒアリングをすればすぐわかります。
例えば「商品を購入するとき迷いましたか?迷ったとしたらその理由は何ですか?」という質問をすればハードルときっかけの両方が一度に知れます。
そして、未来というのは「もっとこうして(こうなって)ほしい」という相手(お客さん)の要望でもあるので、ブランドを高めていくためにはさらにここをヒアリングしていくと良いです。
❹ 相手に必要としてもらう(ディール)
ここにくればもう「過去「現在」「未来」は関係ありません…ということはなくて、ここも大事です。
以前に何を必要としていたのか(過去)
今は何を必要としているのか(現在)
今後どういったものが必要なのか(未来)
商品を購入してもらって終わりではなく、むしろそこからお客さんのストーリーを知っていくということでもありますからね。
過去に必要としていたものがたまたまあなた(の商品)だったのか、必要なものが変わってあなた(の商品)を必要をとするようになったのか、そしてそれを手に入れた今、さらに何を必要としているのか。
お客さんのストーリー次第で商品開発が変わってきます。
今まで通りのフロントエンド商品で良いのか、バックエンド商品はこのままで良いのかなど、特にバックエンド商品はお客さんのストーリーの続きを作るものでもあるので、非常に重要ですね。
いずれにしても「あなたが良いです」となり、ニーズに応じる準備ができたので、次はウォンツのフェーズへと進んでいく可能性が高くなります。
・痛みや苦しみから逃れたい
・購入衝動が強い
・解決後はリピートされにくい
・集客の難易度が低い
・集客コストが高い
・ターゲッティングの難易度が低い
・価格競争に巻き込まれにくい
・向上やアップグレードを望んでいる
・購入衝動が弱い
・解決後もリピートされやすい
・集客の難易度が高い
・集客コストが低い
・ターゲッティングの難易度が高い
・価格競争に巻き込まれやすい
ニーズとウォンツの考え方についてはこちら。
❺ 相手をさらに深く知る(リサーチ)
ここまでも「過去」「現在」「未来」に渡ってリサーチはしているんですが、イメージとしてはここまできてやっと心を開いてもらう感じです。
本当に意味で相手のことを知れるフェーズですね。
恋愛でいうと今までいろいろとやりとりがあって、やっと「お付き合いスタート」という感じでしょうか。
ここまでくるとライバルはほぼいなくなり(ゼロではない)、言ってしまえばファンのようになってもらえているので、接触回数を増やして、より良い状態になってもらえるように情報を引き出していくと。
でもこれ、けっこう真逆の人が多いですよね。
釣った魚に餌をやらないじゃないですけど、お金さえ払ってもらったらあとはテキトーにやる人とか企業とかは少なくありません。
Twitterとかもそうで、最初はリプをマメに返していたのに、フォロワーが増えたらやらなくなるとか、逆です逆。
忙しくなってどうせできなくなるなら、そんな作業は最初からしなければ良いのにと思いますね。
最初から良い関係を築きたい人とだけしっかりコミュニケーションを取り、フォロワーが増えたらより密にしていくことで「フォロワーが増えても私のことは変わらず大事にしてくれる」と思ってもらえるわけで。
❻ 相手にさらに必要としてもらう(リピート)
当然ながら相手を深く知るだけではダメで、そこで終わってしまうとただのインプット止まりです。
「あなたのことは良く知っています」
「で、なに?」
となってしまうので、ちゃんとアウトプット(行動)をしなければリピートしてもらいようがないですし良い関係性も築けないわけでして、それが❻と❼のフェーズに当たります。
要は、❺までで情報はしっかり集まっているので、その貴重な情報を元に口だけではなくしっかり行動していきましょうということですね。
そうやってどんどん行動し続けることでまた新たな情報が手に入るので、より高次のお客さんのニーズやウォンツに答えられるようになると。
❼ 良い関係性を継続する(パートナー)
ですが「パートナー」を履き違えて「教祖と信者」のような共依存の関係性にならないようには注意しなければなりません。
あくまで相互依存、お互いの利益のための行動はするけど、お互いが相手からの利益を失っても問題なく良いライフスタイルを継続できる状態でなければなりません。
VIPで終わらせてはいけないということですね。
ここまで散々過去や現在について相互理解しあってきたので、これからの❻と❼のフェーズでは、お客さんと一緒に見るのは過去や現在ではなく、未来だけで良いんです。
そのように、お客さんやビジネスパートナーと「未来についてだけを語り合える親密な関係性を築く」のがマーケティングの最終形態だということですね。