こんにちは、服部(@FACTDEAL)です。
今は僕自身のビジネスのコンセプトが変わってきているのでほぼ無くなりましたが、「起業 → 挫折」というルートを辿った人からの相談は一時期よくありました。
起業ブームに乗っかって(乗せられて)、脱サラして一念発起で起業してみたものの、すぐににっちもさっちもいかなくなり「立て直しの方法を教えてください」という実に“都合の良い”相談に来られるパターンですね。
もちろん、今でもインフルエンサーの甘い言葉(ポジショントーク)に乗せられて起業し、実力が伴わずに詰んでる人は後を断ちません。
まぁ、Twitterでは「夢を追いかけよう」「チャレンジしよう」「あなたにもできる」的なポジティブでフワッとしたツイートほど拡散されやすく、僕のような「現実を見ろ」「ちゃんと準備しろ」「起業は甘くない」といったファンタジーをぶち壊すようなネガティブなツイートは拡がりにくいので当然と言えば当然ですが。
甘い言葉の方が人が集まるのは世の常ですから、影響力を持った人間がより集客を強化するために「残酷な現実」の話を避けることは理に適っているわけですし。
で、そういった状況で相談に来られる人のほとんどが末期症状なので、僕もコンサルの依頼を受けることはありませんし、間違っても「がんばってください」「やればできます」といった無責任なアドバイスもしないんですね。
ケースバイケースではありますが、大抵の場合はサラリーマンへの復帰を推奨します。
ヤバイと思ったらサクッとサラリーマンに戻っちゃいましょう。
中には笑う人やバカにする人もいるでしょうけど、そういった人たちはそもそも何も挑戦していない人なので放っておけば良いんです。
そもそも人間にはシャーデンフロイデがあるのは至極当然ですし。
大丈夫です。
同じように起業の経験をしている人や困難を乗り越えてきている人は、あなたがサラリーマンに戻ると言ったら「勇気のある行動だ」「正しい判断だ」と応援してくれますから。
嫌悪感の正体
フリーランスの人から受ける相談で「え、サラリーマンに戻りましょうよ」っていう案件がたまにある。
これ言うと大抵イヤな顔されるんやけど、サラリーマンに戻って安定収入得ながら立て直すの何がアカンの?
金も尽きてる状況で一発逆転みたいな魔法とかないから。現実見て( ˙³˙)#一時撤退は正義
— ハットリシンヤ|マーケとカメラとイロイロ (@FACTDEAL) January 10, 2020
相談に対して「とりあえずサラリーマンに戻りましょう」とアドバイスをした時、「そりゃそうですよね!そうします!」と受け入れてくれる人はごく少数で、大抵は「え…」みたいなめちゃくちゃイヤな顔をされます。
いろんなものがジャマをするんでしょうね。
起業してから、何も成果を出せずに挫折してしまった人に関しては、わりとすんなりと受け入れてくれたりするんですが、マグレであれ何であれ多少なりとも成果が出てしまった人ほど、サラリーマンへの復帰に対して嫌悪感をあらわにします。
自分で稼ぐという経験は、サラリーマンでは決して得られない達成感や充実感、自己肯定感をもたらしてくれるので、それを手放したくないというのもわかるんですけどね。
プライドや恥といった面倒臭い感情が首をもたげてくるというのも至極当然のことです。
ただ、こういった状況で立て直しが可能な場合というのは、
時間とお金に余裕がある
市場にニーズがある
行動量が足りていないだけ
という3つ条件が全て揃っている場合だけです。
時間とお金に余裕がある
僕もツイートしましたし、下記のツイートでも書いてくれている人がいますが、お金と時間に余裕がなければまともな商売はできません。
ってかそっちの方が立て直せる可能性が高い。
崖っぷちで自ら追い込むのはエエねんけど、追い込まれてるのは精神病み続けるだけ。
とてもじゃないけどそんな状態で商売なんかできんよ。
課題を追いかけるのがビジネス。問題に追われるのはビジネスではなく拷問。
— ハットリシンヤ|マーケとカメラとイロイロ (@FACTDEAL) January 10, 2020
今回の話は脱サラして起業していることが前提なので時間はたっぷりあるはずなんですが、時間に余裕があるというのは必ずしも「量が確保できる」という状態のことだけではないんですね。
それプラス、時間の「質を確保できる」ということも重要で。
どういうことかというと、お金は時間の量だけではなく質も保ってくれるということです。
要するに、お金の心配で脳内が埋め尽くされている状態で、どれだけ時間量を確保できたとしても、その時間を有効に使うことはできないわけです。
まさに
課題を追いかけるのがビジネス。問題に追われるのはビジネスではなく拷問。
でいうところの「拷問」に陥ってしまうということです。
問題に追われる時間と課題を追いかける時間とでは、同じ時間量でも質や得られる結果は全く変わってきますからね。
また、ビジネスにおいて利益を確保することは重要なことではありますが、お金に余裕がない状態になると、本来お客さんに提供する価値とその対価は同等のもの、つまり等価交換が基本にもかかわらず、「お客さんからいかにお金を吸い上げるか」ばかりを考えるようになります。
そういったモラルを欠いた思考と行動がクレームやアンチを呼び込み、負のスパイラルへと突入していくんですね。
で、ビジネスが上手くいっている人ほど、価格以上の価値をお客さんに提供しようとしているので、自己中心的な低いマインドで彼らに敵うはずがなく。
ビジネスを立て直せるかどうかにおいて、時間の量だけではなく質を確保できること、そのための資金があること、仮に資金が微妙だったとして、搾取思考にならないことが条件となります。
市場にニーズがある
ビジネスが立ち行かなくなる原因としては、ニーズが無い、もしくはニーズが極少の場所で戦っているかニーズ(や産業)自体が斜陽に向かっているかのどっちかです。
この状況で時間やお金をどれだけ注いでも空回りし続けるわけです。
最初は物珍しさに反応を得られたものの、「面白いけど別にいらないよね」というふうにそれ以上の価値は感じてもらえず、ビジネスが頓挫してしまっている人は多いじゃないですか。
これは「ニッチ」を勘違いしている人によくあるパターンですね。
ニッチをマイナーと混同している人が多いよね。ニッチは「狭い」「少ない」とかじゃなくて「確実な需要がある」ってこと。
ニッチを狙うなら、土台となる市場規模がそこそこ大きいことが絶対条件。
市場規模が小さいところでニッチを狙うと、ただ見込み客が少ないだけの商売になりまっせ( ˙³˙)
— ハットリシンヤ|マーケとカメラとイロイロ (@FACTDEAL) January 12, 2020
自分が取り組んでいるビジネスや市場に将来性があるかどうかの見極めが必要なんですが、切羽詰まっている時ほど「そもそもニーズはあるのか?」と考えず、「どうやったら売れるのか?」と自己中心的な思考になりがちで。
お金と時間に余裕がある場合は、一旦落ち着いてマーケティングの勉強やリサーチをやり直せば良いですし、逆にお金や時間に余裕が無い場合は、サラリーマンに戻ってそれをやりながら立て直しを図れば良いんです。
社内でのポジショニングやお客さんとのやりとり、人間関係など、あらゆる場面においてマーケティングは付随してきますから、ムダでは無いどころかメリットしかありません。
行動量が足りていないだけ
アドバイスをするとイヤな顔をされる内容がもう1つあるんですが、それは過去にやっていたことを再度やってもらうように打診した場合です。
起業してそこそこ成果が出ると、調子に乗って今までコツコツやっていたことをやめたりサボったりするようになります。
賢い人は外注化したり仕組み化したりするんですが、経営のセオリーをわかっていない人は、役員報酬を上げたり利益に繋がらない固定費を増やしたりします。
こういった流れでビジネスが詰む人は少なくないんですよね。
なので、経費を削って行動量を戻すことによって立て直しが利く場合があります。
もちろん、今までの項目である「お金と時間の余裕」と「市場のニーズ」があった上での話ですが、過去にやって上手くいっていたことをもう一度やったり、ひと工夫加えて再アクションを起こすことはけっこう重要なんですよ。
シンプルなんですが、この点にフォーカスする人は少ないですし、コンサルタントでさえもお客さんから「せっかく雇ったのにコンサルタントのアドバイスがそれ?」とバカにされるのがイヤで指摘しない人も多いです。
が、これは基本中の基本ですし、僕からしたら何を言われようが「それがイヤならこのまま船が沈むのを放っておきますか?」「イチカバチかの新しいチャレンジをしますか?」としか言いようがなく。
新しいチャレンジをするにしても、安定した収益源は確保しなければ全力で取り組めません。
それこそ、「それがイヤならサラリーマンの戻って安定した収益を確保しましょうよ」という話ですよね。
チャレンジは命取り
コンサルタントは魔法使いではないので、まもなコンサルタントほど、詰みかけの人に対しては「イチカバチかの戦略」ではなく確実に生き延びる方法をアドバイスします。
お客さんの「このビジネスを成功させたい」という想いもわかるんですが、そういった発言はお客さんが見えなくなってしまっている証拠でもあり、そんなビジネスを続けていても世の中にためにならないんですね。
なので、他のコンサルタントはどうか知りませんが、僕の場合は「やるべきこと」や「やった方が良いこと」ではなく「今、確実にできること」を提案します。
立て直しという状況においては「チャレンジ精神」は命取りになりますし、それによる失敗事例もたくさん見てきているので。
夢の無い話かもしれませんが、極限状況というのは人の思考や行動を狂わせるので、そういう時こそ「最悪の未来」にもしっかりと目を向けるべきです。
引用RTしてくれた人の内容も参考にしつつ、最善のアクションを取っていただければ。
ちなみ僕の場合は、いろいろとチャレンジした結果、30代半ば婚約中にもかかわらず全財産7万円と詰みかけ(いや、詰んでた?w)ましたが、「今、確実にできること」に方向転換してから半年くらいで再起できました。
もちろん、サラリーマン戻ることも視野に入れていましたが、方向転換がすんなり上手くいったので戻りませんでした。
ただ今後、僕の知識やスキルが世の中に必要とされなくなったら、サラリーマンやバイトをしながらビジネスを立て直す可能性は全然あります。
まあ、そうならないように、時間にもお金にも余裕があるうちに新しいことにどんどんチャレンジしていっているんですけどね。
間違いない。
自分も1年間ニートしてたら一時期ビジネスで稼いでいた分の貯蓄が尽きてきたから、今はクラウドワークスの案件で最低限稼ぎながら、一から自分のビジネス始めてる。
自分がカツカツだと「どうやってお客からお金を取ろう」っていう搾取的な思考になってしまう。 https://t.co/wTrFfp6mrA
— 白燐 (@ImHakurin) January 12, 2020
自分もいったん会社員に戻ったことで、明日の食いぶちに神経をすり減らす日々から心身が解放され、本業が軌道に乗り、その経験にニーズがあることを知り、自分のサービスの一部になった。誰かの目を気にして「会社員に戻るなんて格好悪い」というプライドにしがみついてるとマジで病む https://t.co/7yIi5ovrb8
— ドンスケ (@coconut_jasmine) January 11, 2020
事業がうまく回らなくなったとき、サラリーマンに戻ることは極めて真っ当な判断に思える。養わないといけない家族を抱えているならなおさらのこと。
逃げでもなんでもないし、またお金に貯めて再チャンレンジすればいいだけ。
何するにしても、元手がある方が選択肢の幅が広い。 https://t.co/HqFx6y2xHb
— Eプロ@1人貿易とアフィリ (@epro_shimohara) January 10, 2020
ウチも実家が自営で、傍目には儲かってそうに見えてたようだが、実際は必死の自転車操業。
父の死後、継がずに一旦廃業すると言ったら色んな人に非難されたが、あれが最善手であったと今では確信している。
億単位の借金は消え、今では給与から毎月40万円貯蓄出来てる。
いつか捲土重来する。必ず。 https://t.co/TKwzn9mEo3— 後村 勇(あとむら いさむ) (@gastronomy_work) January 10, 2020
精神病んでるときは、
睡眠
食事
あと安定した収入がかなり元気をくれる。
リスタートはそこからでもオッケー!
無一文はアイディアのスケールも小さくなりがち。 https://t.co/QVYyaMWFxM— ソウ@去年退職してきました (@yTi7VV0Y9blab2i) January 10, 2020