こんにちは、服部(@marketing_factdeal)です。
ビジネスや自己成長の場面で、多くの人は「ベストな解決策」を求めます。
しかし、優秀なコンサルタントや目標達成者が理解しているのは、最も完璧な解決策やプロセスが必ずしも最良の選択肢ではないという現実です。
クライアントや自身の成長において求められるのは、「確実に実行できる」解決策を積み重ねていくことなんですね。
優秀なコンサルタントはクライアントにとって「ベストな解決策」ではなくて「確実に実行できる解決策」を提示するよ。ベストでも実行できなければ0点だからね。それよりも確実に実行できる30点の方が良い。
確実に実行できるものの積み重ねが結果としてベストになるんだよ。
— 服部慎也|狭くて深いマーケティング (@FACTDEAL) July 5, 2018
ビジネスは「目標とプロセスをシンプルに、そして行動は大量に」が基本なんだけど、真逆の人がめちゃくちゃ多い。
達成できない目標を一度にいくつも立て、プロセスも複雑化し、優先順位や重要事項を見失い、行動はごくわずか。
いつまで経っても目標を達成できない人ってこれだから気をつけて。
— 服部慎也|狭くて深いマーケティング (@FACTDEAL) January 20, 2022
この姿勢こそが、成果を積み重ね、最終的にベストに近い結果をもたらすプロセスの真髄だということを理解していると、面白いように成果が出るようになります。
今まで、いつもめちゃくちゃがんばっているのに成果が出なかったという人は、ベストな解決策を実行するものの、その難易度が高いがゆえに途中で挫折するというパターンに陥ってしまっていた可能性が高いです。
今日からは、視点をガラッと変えて、確実に実行できるもの、そして確実に継続できるもの、さらには確実に遂行できるプロセスをチョイスしていきましょう。
「ベスト」と「実行可能」の違い
まず、ベストな解決策とは理想的であったり、理論上の最善策であったりします。
これは例えば、「今の最先端技術を駆使した解決策」や「他の成功事例から引き出したノウハウ」、あるいは「成功者が今現在実践している内容」などがそれに当たります。
しかし、いくら優れた策やプロセスであっても、それがクライアントや自分にとって現実的でなければ、価値はゼロなんですね。
コンサルタントが直面するのは、こうしたベスト案をいかにクライアントの現状や能力に合わせて実行可能な形に変えて提案できるかということだったりします。
当然ですが、実行可能な解決策には、その場の条件や人的リソース、時間的制約、予算などを考慮する必要があるからです。
例えば、「自社の資源では到底まかなえない規模のプロジェクト」や「技術的な知見が全くない人に最新テクノロジーの活用を提案する」ことは、ベストに見える一方、現実的には大きな負担となります。
どれだけ理想的な解決策で、それが他者が成果を出せているものであっても、実際に行動、継続、最後まで遂行できなければ0点ですからね。
それよりも、確実に実行できる「30点の解決策」の方が、クライアントにとっては価値が高いですし、30点も積み重ねることによって100点に近づいていきます。
あるいは、その積み重ねが、「難易度は高いけど大きな成果が出るベストな解決策」を実現するだけの環境やマインドを整えてくれます。
実行力の積み重ねがもたらす効果
実行可能な解決策の良さは、たとえそれが30点レベルであっても、それを積み重ねることによって、徐々に高みを目指せる点にあります。
30点の策であっても、それが確実に実行されることで成果が生まれ、他者から信頼や自信が得られるんですね。
この自信こそが、さらに高い目標に挑むための土台となりますし、小さな成功体験の積み重ねによって、自らの遂行力や実行力が鍛えられ、最終的には難易度の高い「ベスト」を実現する道が開かれるわけです。
ビジネスの場では、段階的な目標を立て、短期的かつ実行可能性を優先することで成果を積み上げます。
この過程を通じて、チームやクライアント自身が目標を達成する感覚を掴み、次の挑戦への意欲を高めていくんですね。
これは個人の目標設定においても同じで、例えばダイエットをするなら、「1か月で5kg減」ではなく「毎日30分歩く」という実行しやすい目標を立てることで、無理なく継続できる習慣が生まれます。
ベストに至るための「実行できる策」の戦略
優れたコンサルタントは、クライアントが抱える問題の解像度を高め、具体的な行動につながる実行可能な策を提案します。
悩みや課題の本質を深掘りすることで、クライアントが本当に必要としている解決策を見極め、それを実行可能な形に落とし込むことが大切だからです。
例えば、クライアントの組織改革を進める際、全員がいきなり新しいスキルを習得することは難しいかもしれません。
しかし、小さなチームから新しい手法を試し、成功体験を共有することで、徐々に全体に取り入れていくといった段階的な戦略が取れますよね。
この段階的なアプローチにより、結果的にベストな形の解決策を組織全体で取り入れることが可能になるというわけです。
個人の目標達成においても同じで、「いきなり大きな成果を目指す」ことは、テンションは上がりますが、負担が大きすぎるんですね。
まずは手近で確実に達成できる小さな目標を立て、徐々に難易度を上げていくことが重要です。
例えば、先ほどのダイエットの例でいくと、「毎日5分間の運動をする」ことから始め、次に「10分運動」へとステップアップするみたいな感じですね。
徐々に高いハードルに挑戦できる状態を整えることこそが、結果的にベストを目指せる道だということです。
ベストを目指さなくても良い
ここまで書いた通り、実行可能な目標や改善策を設定することは、ビジネスでもプライベートでも成果を得る上で極めて重要です。
小さな目標の達成を積み重ねることで、行動力や自信が積み上がり、難易度の高い目標に挑戦するための土台が育まれるからです。
これは、自己効力感とも呼ばれる「自分にはできる」という自信が行動力の原動力となり、より難易度の高い課題に取り組む際の力となるんですね。
で、いつしかベストかつ難易度の高い目標を達成できるだけの環境や能力がついていくと。
ただ、必ずしも、誰もがベストを目指す必要はないんですね。
大きな目標を立ててチャレンジすることは大事ですし、組織の場合は、それによって絆や団結力が生まれたりしますが、一方で、ビジネスにおいてはリスクを避けることも重要です。
30点のプロセスをこなせたからと言って、50点、80点のプロセスにリソースを注ぎ、実行し、失敗しないという保証はどこにもないからです。
なので、たとえば個人のビジネスの場合は、30点のプロセスがあって、それがそれなりの成果を生む場合、30点のプロセスを複数同時進行するという考え方もありです。
誰もが、自己実現や自己成長といった崇高な生き方、ビジネスの社会貢献性などを望んでいるわけではないですし、「ビジネスはゲーム」「お金を稼ぐための手段と」割り切っている人は、むしろその方がしっくりくるかもしれません。
また、難易度が低いということは、他者に教えたり代替できたりする可能性も高いため、外注によって継続的な成果を安定させた上、で自分は50点、80点のプロセスに取り組むというムーブを取っても良いわけです。
ベイビーステップで選択肢が増える
といったように、難易度の低い目標やプロセスを「ショボい目標や改善策」と卑下する必要はなく、小さくても確実に実行できることをクリアしていくと、「次はベストを目指す」「小さいことを増やして繰り返す」など、さまざまな選択肢を選べるようになるんですね。
僕たちは日常の目標設定でも、つい「ベスト」を求めてしまいがちが、特に新しいことを始めるときには、まずは「小さく始める」ことがポイントです。
ベイビーステップとも言いますが、まずは小さな一歩を踏み出し、それを楽しみながら継続していきましょう、ということですね。
目標設定の前に、自分自身の性格や特性を理解し、「何がベストか」ではなく「何なら確実にできるか」という思考のクセを持つようにしてください。
対クライアントでも同じで、相手や会社の現実を数字も含めて理解し、まずは確実に実現できることから提案し、コツコツと進めていきましょう。