情報商材というものについて勘違いしている人はけっこう多いんですよね。
善とか悪とかの話ではなくて、体系的にしっかり作り込まれた情報商材があったとして、それでも成果を出せないのはなぜかという話ですね。
基本的なところでいくと「情報商材ってノウハウだと思いますか?それともハウツーだと思いますか?」という質問に答えられない人は、どんなに良い情報商材を手に入れたとしても成果を出すことは難しいでしょう。
結論から言うと、巷の情報商材のほとんどは「ノウハウ」なんですが、それを「ハウツー」と思い込んでいる人がほとんどで。
ノウハウとハウツーの違いがわかっていなかったとしても、感覚的にハウツーだと思っている人は多いですし、ノウハウ型をあたかもハウツー型であるように誘導して販売している人も多いですからね。
ハウツーというのは「行動さえすれば誰でも成功できますよ」的なアプローチであり、確かに「行動力」というのは重要ではあるんですが、行動だけで成果を手に入れられるものはノウハウではなくハウツーだけなんです。
ハウツー ▶︎ この通りに行動さえすればこうなる
ノウハウ ▶︎ 一定の条件が揃えばこうなるかもね
ノウハウにおいて行動力というのは一要素に過ぎず、成果に辿り着くにはもっといろんな要素が必要になるんですね。
例えば、環境、能力、資金、人脈、健康なんかがそうです。
なぜなら、ノウハウである情報商材やビジネス書というのは、そのほとんどが「私の場合はこうやって成功しました」という、言ってみれば誰かさんの「自伝」でしかないので、行動力だけではカバーできません。
販売者や著者と同じ環境、同じ能力、同じ資金、同じ人脈、同じ健康がなければ実現し得ないわけです。
同じでなかったとしても、限りなく近しい状態でなければ難しいんですね。
ちなみに「健康?」と思うかもしれませんが、体力やメンタルの強さというのはビジネスをする上では重要です。
環境に関しても、例えば、独身か家族持ちによっても全く変わって来るじゃないですか。
資金によって自己投資できる金額も変わってきますし、人脈次第では認知される上でかなり優位性を持てたりするわけです。
というように、成果を出す上で行動力以外の要素に強く依存しなければならないのがノウハウであり、そもそもノウハウというのはそういうもので。
もう少し詳しく掘り下げていきましょう。
ハウツーとはレシピ(説明書)
まず、ハウツーについてなんですが、冒頭でも書きましたが「この通りに行動さえすればこうなる」というのがハウツーです。
実際に調べてみるとハウツーとノウハウの意味は大きく違っていて、ハウツーが「方法、手法、技術」とあるのに対し、ノウハウは「コツ、秘訣、知識」とあります。
例えば、カレーのレシピを見れば誰でも同じものが作れます。
どんなカレー粉を使って、どんな野菜を使って、水はどのくらい入れて、どのくらい煮込んで…と数値まで入れてしっかりと書いてあるので、野菜が腐っているとかでない限りほぼ同じものが出来上がります。
文字やアイテムを理解できる人であれば誰でもできます。
あるいは動画編集なんかもそうで、ソフトと素材があれば、チュートリアルを見れば誰でもできますよね。
あと、プラモデルなんかもそうで、説明書通りに作れば完成します。
しかし、ほとんどがハウツーではなくノウハウである情報商材は、そこに書かれている通りにやっても同じ結果にはなりません。
誰もが同じものを作ることができるレシピや説明書ではないからです。
普通に考えてみれば当たり前の話なんですが、こと情報商材になると、本来ノウハウであるはずなのに、ハウツー、つまり行動すれば誰でも稼げる(成果が出せる)と思っている人はあまりにも多くて。
で、そういう人に限ってハウツーを経てない、つまり基本的な経験を積んでいなかったり、能力を身に付けていないんですね。
それってプラモデルの本体も持ってないし作ってもないのに、いきなり「リアルに塗装する方法」みたいな本を買って「カッケー!これどうやって塗るんだろう?」とテンション上がってるだけの子どもと一緒なんですよ。
でもプラモデルを作る日は永遠に来ないみたいな。
ブログを立ち上げてもないのにデザインがどうとかSEOがどうとか言ってる人も同じで「このノウハウさえ知っていれば、ブログを立ち上げればオレはもう最強だね!」とか思ってたりするわけです。
ノウハウとはカスタマイズ
一方、ノウハウというのは何かというと「一定の条件が揃えばこうなるかもね」というものなので、抽象度は高くなります。
だからこそ、一部の人(ハウツーを経ている人)はノウハウを手に入れることによってガンガン成果を伸ばせるということでもあるんですけどね。
先程のカレーの例で言うと、基本のカレーの作り方はすでに把握していて、さらの美味しいものを作るためのコツや秘訣がノウハウというわけです。
ゼロ ▶︎ イチの状態はすでに経ていて、ヒントとして取り込めるような状態の人でないとノウハウは活用できないということですね。
一度もカレーを作って食べたことがない人に「こうすればもっと美味しくなるよ」と教えたところで想像できないですし、それが自分の舌に合っているのかもわからないじゃないですか。
ましてそれがお客さんの舌に合うかどうかなんて想像できるはずもなく。
レシピ(ハウツー)を知らない人にカスタマイズ(ノウハウ)を教えたところで意味が無いということですね。
基本のレシピを知っているからこそ
使う肉を変える
使う野菜を変える
スパイスを加える
寝かせる時間を変える
使う米を変える
といったようなカスタマイズをする場合にも想像ができますし「あ、自分は牛よりもチキンの方が良いかも」「あのお客さんにはこのスパイスが喜ばれるかも」と考えられるわけです。
基礎が無いゼロの状態の人がノウハウ型の情報商材を買うことや基礎以外のセミナーを受講することがいかにムダかがわかりますよね。
ノウハウはお客さんのために
カレーの話を引っ張りますが、忘れてはいけないのが、自分にとって美味しいかどうかではなくお客さんにとって美味しいかどうかです。
これはキレイゴトでも何でもなく。
マーケティングを学び始めると「いかに効率的に集客して稼ぐか」という自己中なノウハウが蔓延していることに気づくと思いますが、ビジネスをする上でのノウハウというのは本来お客さんのためにあります。
社内の評価制度や様々な部署も、本来はそうじゃないですか。
スタッフの負担を減らし満足度を高めることの工夫がお客さんとの良いコミュニケーションを生み、それがお客さんの満足度につながるからですよね。
ブログのカスタマイズもそう、YouTubeの動画制作もそう、Twitterの運営もそう、全ては「お客さんにとってどうか」というところが重要なわけです。
それがお客さんにとって良いものであれば、勝手に集客や売上につながっていくわけですからね。
なので、もし何かしらの情報商材を買おうと考えている人がいるなら、次のポイントをチェクしてみてください。
① その情報商材はハウツー型かノウハウ型か
② ハウツー型の場合わかりやすさは十分か
③ ノウハウ型の場合活用できる経験や能力はあるか
④ 境遇に依存せずに再現できる要素は複数あるか
④ お客さんの満足や幸せにつながるノウハウか
ちなみに、100%絶対に成果を出せるノウハウというのは確かに存在しますが、それはあくまで自分が生み出したノウハウのみです。
誰かが販売しているノウハウ、その中で書かれている成功事例というのはあくまで他人のものであって、自分にとってそれが価値あるものかどうかというのはわからないということはお忘れなく。
そこさえ押さえておけば情報商材でお金をドブに捨てるような失敗をすることもないでしょうし、思考停止的に「情報商材=悪、詐欺」とレッテルを貼る必要もなくなるでしょう。