自分に自信を持つことと「自分には向いていない」とあきらめることは矛盾してるわけですが、どちらが大事かと言われると僕は「あきらめること」の方が大事だと思う派です。
もちろん、ちゃんと根拠もあるので今回はこのテーマで解説していきます。
ちょっとコラムっぽくなってしまうかもしれませんが、めちゃくちゃ大事なことなので、ぜひ最後まで読んでいただければ。
ちなみに、なぜこのテーマで書こうと思ったかというと、粟田さんのこのツイートが目に入ったからです。
自分にはビジネスの才が無いってのはとっくに気付いてて、それは悔しいことではあるんだけど、反面、才のある人の言うことを素直に聞く耳を持てるので、肝心なのは、自身の才能よりも、人を見極める力と流されない心だと思う。
— 栗田裕史(染み抜きの伝統工芸士) (@naoshiya) May 20, 2021
僕も引用RTしたんですが、僕なりに言うとこういうことなのかなと。
これめちゃくちゃ大事。
自分に足りないものにいち早く気づいて、それを補うためのアクションを取れる人は強い。
自分を信じることも大事なんだけど、自分より優秀な人たちに囲まれて「この部分に関しては自分は大したことない」って気づくことで前に進めるし世界も広がる。 https://t.co/oJGAnNzyTq
— ハットリシンヤ (@FACTDEAL) May 20, 2021
マーケティングでは「自信」が仇となる
マーケティングに限らず、ビジネスに関して、特にスタートアップの段階では「自信」などどうでも良くて、むしろそういった思い込みは足枷とになり自滅へと導きます。
なぜなら、ほとんどの人がどこまでが「自信」でどこからが「過信」かのボーダーがあやふやだからです。
あと「自分は何ができるか」よりも「どんな悩みを抱えている人をどのように幸せにできるか」を考えることがビジネスなのに「自分には〇〇ができる」を優先してしまっているからです。
ニーズを知った上で「じゃぁ、自分には何ができるか」を考えるのがマーケティングでありビジネスなのに。
何か資格を手に入れたからといって、何か知識を手に入れたからといって、何かスキルを手に入れたからといって「よし、これでいける!」と自信を持ったところで、それでビジネスができるかというと全く別の話なんですね。
お客さんに何かができると思ったら、まずは過信せずに提供します。
当然、最初からお客さんを100%満足させることは不可能であり、すぐに自分に足りないものが見えてくるので、それを補うアクションを取ると。
過信をしていると足りないものに気づかないので「何で売れないの?」と思ったり、ひどい場合は「オレの商品の価値がわからないとはバカな客だ」という稚拙な考え方しかできず、さらに堕ちていきます。
まずはお客さんとコミュニケーションを取り、己のことを謙虚に理解する。
マーケティングやビジネスで「座学ばかりやっていないでまずは行動しろ」と言われるのはこのためです。
あきらめると世界が広がる
じゃぁ、自分に足りないものに気づいたら、どういったアクションを取れば良いのかという話なんですが、これは「自分よりも優秀な人に学ぶ」です。
というのも、自分のショボさに気づいたところで、何をどのくらいまでがんばれば良いのかわからないので「オレはできる」という根拠のない自信を突き通してしまいがちなんですね。
自分のスペックやポテンシャルを過信しているとそうなります。
そうならないためにも、同ジャンルの優秀な人とコミュニケーションを取って自分のレベルを知ることが大事で。
その際は「あなたならできる」と根拠のない応援をする人ではなく「この部分に関しては話にならない」「この部分に関してはセンスがある」と正直に言ってくれる人を選びましょう。
そうすると、大抵の場合「これに関しては今のレベルでは話にならないな…」ということに気づくことができます。
それでも、時間や資金が潤沢にあって、なおかつ一定期間努力しトッププレイヤーのレベルに追いつけることがイメージできるのであれば、自分を信じて突き進むのもありです。
が、それが明確にイメージできない場合は、サクッとあきらめて別の道(センスがあると言われたこと)に進んでしまいましょう。
そうすることによって視野を広げることができるので、掛け合わせによるオリジナリティなどが生まれやすくなるんですね。
あきらめる=プライドを捨てて学ぶこと
ちなみに、向いていないことは全部外注しようというわけではありません。
作業レベルのことであれば外注に出すというのもありですが、ビジネスの核となるもの、例えばマーケティングなどは「絶対に必要なことなのに自分は得意ではないもの」と受け入れて学び続けてください。
マーケティングに限らず、経営や法律、税務、ITなんかもそうですね。
なぜなら、安易に外注に出して丸投げしてしまうと、知識や経験が広がらず情弱になるからです。
僕はクライアントに「それ向いてないのであきらめましょう」とか普通に言うんですが、あきめるというのは捨て去ることでもなく外注することでもないんですね。
あきらめるというのはそんなネガティブな意味ではなく「プライドを捨てて自分よりも優秀な人から学び続ける」ということです。
捨て去ったり安易に外注したりすると、今まで積み重ねてきたことが全てムダになりますし、新しい知識や経験も得られなくなるので今後の世界が広がらなくなりますからね。
結果的に矛盾しません
自信を持つこととあきらめることは矛盾すると思いきや、あきらめることによって新たな世界を知ることになり知識や経験も増えるので、結果的に確固たる自信につながるということです。
根拠のない自信を持って走り続けるよりも、自分の能力やスキルを疑い、向上心を持って他者から学び続けることによって、お客さんや仕事仲間から喜ばれることは間違いですからね。
子どもを教育する上では、僕も「あきらめず自信を持ってやり続けよう」と言いますが、そんな猶予もなく自立しなければならない大人の世界はまた話が違います。
まぁ、独身なら全然良いと思いますけどね。
しかも、大人になると多くの人が子どもの頃の集中力や熱中力を失うので、強制的に成長する環境が必要になるのです。
自信はあるし周りの人からも褒められるのに成果につながっていないとしたら、ダメ出ししてくれる人がおらず、過信によってずっと成長が止まっているのかもしれません。
正しいあきらめ方を教えてくれる先生にダメ出しをしてもらってください。