こんにちは、服部(@FACTDEAL)です。
一般的に、社交的、前向き、明るい、クヨクヨしない、楽観的、といったいわゆる「ポジティブ思考」は”善”とされ、内向的、暗い、心配性、悲観的、といった「ネガティブ思考」は”悪”とされます。
書店に行けば、明るく前向きな言葉で背中を押している”フリ”をしている自己啓発本が並んでいます。
「あなたはできる」
「あなたは変われる」
「好きなことをして生きていこう」
「あなたらしく生きる方法」
「ポジティブ人間になる方法」
みたいな本は山ほどありますし、何十万部といったベストセラーになる本は、だいたいそういったポジティブ思考の焼き増し本です。
いまだに売れ続けている「嫌われる勇気」も、タイトルこそ多少毒っ気はあるものの、人間関係に悩む人にとってはかなり前向きな内容です。
ところが、社会は一向に良くなりませんし、ポジティブ思考になって、自由に生きていくためのメソッドが書かれている自己啓発本が毎日飛ぶように売れているのに、世の中は常に病んだ人だらけです。
実はこれ当たり前の話なんですよ。
なぜなら、ポジティブ思考の自己啓発は、残念なくらい日本人には向いていないからです。
日本人にベタな自己啓発はマッチしない
自己啓発本の潮流は、ほぼ欧米からのもので、心理学や哲学を基にしたマインドセットの話なわけですが、そもそもこれが日本人には向いていないんですね。
アメリカン・ドリームという言葉があるように、
・他人の目を気にせず、何があってもくじけずにポジティブにがんばれば夢を掴める
・一度や二度の失敗なんか気にせず、何度でもやり直せる
的な概念がある欧米に対して、日本は
・協調性を重視され人と違うことをすることは許されない
・何かあれば連帯責任を取らなければならない
といった風習があり、何かとリスクを負わされたり、犠牲を払うことが求められます。
昔でいえば切腹、ピンチの時にはお国のために特攻、長の責任として自害、今でいえば、不適切な発言で辞職する政治家や引退や自粛に追いやれれる芸能人など。
小さいことは気にせずワクワクしながらどんどん前に進む欧米と比べて、幼少の頃から常に何かを心配したり不安を抱えたり、人の顔色を伺いながら石橋を叩いて渡る日本とでは、体に染み付いているものがそもそも違うんですよ。
別に欧米推しだということではなく、こういったデータもあるわけで。
日本人のほとんどはもともとSS型の超ネガティブ人間なのに、無理やりLL型のポジティブ人間になろうとするから、逆にストレスがたまり疲れて病んでいくんです。
何でもそうですが、無理をするとその反動は必ず起きます。
イジメとかもそうじゃないですか。
子ども社会も大人社会も根暗でネガティブなことがダメだとされ、社交的でポジティブなことが正しいという意味不明な構図があるから一向になくならないわけで。
心配かけまいと、大事な人にまでポジティブな姿を見せようとして、どんどん疲弊していき、最後は、、、ということです。
ホリエモンの本を読むな
もちろん、日本人の中にも超ポジティブ思考の人はいます。
・心底外野の声とかはどうでも良い
・何が起きても関係ない
・死なない限りはどうにでもなる
を地でいっている、ホリエモンや西野亮廣、本田圭佑みたいな人はいますが、それ自体がもう才能なので、そんな人たちの本を読んでも名言をメモっても敵わないんですよ。
それで成功できる人は、同じ才能を持った人だけ、つまりLL型人間だけです。
超ポジティブを地で行っている人の表層だけを真似ても、そもそもの遺伝子レベルが違うのでどうにもならないんですよ。
自己啓発では逃げの言葉として扱われがちですが、
「彼らだから成功できた」
というのはまさに本質で、基本がネガティブ思考の凡人がその領域に到達するのは到底無理で、ポジティブな自己啓発本を読めば読むほど泥沼にハマっていきます。
ネガティブ人間にはネガティブ人間の生き方がある
ここまでお伝えしている通り、超ポジティブ思考を地で行っているLL型の人、つまり、「最高の未来を思い描いて行動に移せる日本人」というのは、ごくわずかで、それこそ、それがすんなりできてしまう人はそれ自体がスバラシイ才能なので、そういう人はとっくに社会的に強い影響力を持つ人になっているはずなんです。
ただ、残念ながらほとんどの日本人は「最悪の未来を思い描くこと」の方が得意なんです。
じゃぁ、ネガティブ思考で凡人という典型的なSS型の日本人は、成功したりお金持ちになったりできないのかというと、決してそういうわけではなく。
実は、「自分はネガティブ思考で凡人のSS型人間だ」ということ素直に認めて、とことんネガティブに振り切れることで未来は変わります。
これができると、無理にポジティブになろうとがんばるよりよほど成功率は高くなるでしょう。
どういうことかというと、自分はネガティブな人間だと認識している人は多いと思いますし、人前ではポジティブ人間を振る舞っている人ほどその認識は強いと思います。
ポジティブ人間を振る舞うということは、「ネガティブであってはならない」という表れですからね。
ただ、ほとんどの人のネガティブは「広くて浅い」んですよ。
要は、いろんな心配事や不安ごとを浅く広く考えすぎてしまっていて、「最悪な未来をリアルに描く」までいってないんですよ。
これではダメです。
何となく心配なこと、何となく不安なことに対して人間は真剣に考えませんし、動きませんから。
そんな生半可なネガティブ思考じゃ何も変わりません。
あなたにとって最悪の未来とは?
そろそろ答えにいきましょうか。
ワクワクするような最高の未来を思い描いて動ける人はなかなかいません。
日本の洗脳教育を受けているとはいえ、好奇心旺盛な子どもならともかく、大人になればなるほど動機としては難しくなるでしょう。
かといって、何となく不安なことや何となく心配なことでも動こうとはしません。
となると、ネガティブ思考のSS型人間が最も動けるのは「最悪な未来をリアルにイメージできた時」しかないんです。
で、この最悪な未来をイメージするためには、とことんネガティブ思考に振り切って、心配ごとや不安ごとを地の底まで掘り下げる必要があります。
・今何となく抱えている不安ごとや心配ごとはこれから現実のものとなるのか?
・現実となった場合それらが引き起こすさらなる問題は何なのか?
・それらを放置しておくと最終的にどうなってしまうのか?
・最終段階では自分や家族にどんな苦しみ悲しみが待ち受けているのか?
・自分や家族の苦しみや悲しみの果てにあるものは何なのか?
といったような、かなりダークな内容ですが、これくらいとことんネガティブになって最悪な未来をイメージします。
では、最悪の未来イメージをイメージできたらどうなるか?
普通は気分が沈んで暗くなるだけですが、ここからが大事なんです。
とことん最悪な未来をイメージすることで、「何がどうなってどう最悪な未来になるのか」という道筋が明確にわかるようになるんですね。
限界まで恐怖や不安、心配を炙り出し、しかも何をすべきかがわかるわけですから、行動できないわけがないですよ。
さらに言うと、ここまで掘り下げることにはもう1つメリットがあって、それは何かというと、最悪な未来が明確にイメージできると、
「そんな最悪な状況に比べれば、今からやろうとしていることなんか全然大したことないな」
「上手くいったら最高の未来になるけど、失敗しても最悪な未来は最悪のままだな」
みたいに、今までハードルが高いと思っていたことが楽観視できるようになり、「どうせ●●ならとりあえずやってみた方が良いよね」みたいな感じで、けっこう論理的な動機が生まれるんです。
例えば、尖ったブログを書くことやSNSで辛辣な発信をすることを恐れる人は多いですが、
「普通のことを書くことで誰にも読まれなくなって、何百記事と書いてきた時間が全て無駄になる。それどころか書きたいことを素直に書いていればブログで月収30万円は稼げていたのにそれも取りこぼすことになる。その結果、本来やる必要のなかった肉体労働をしなければならなくなる」
という最悪の未来を考えた時、尖ったことを発信することで誰かに批判されたり友達を失ったりすることって、、、全然大したことないですよね?
まとめ
以上のように、中途半端で浅く広いネガティブ思考は最悪ですが、とことん振り切ったネガティブ思考は、すぐさま行動を起こすための最強の武器になります。
それでもあなたは、「人としてポジティブであるべき」という洗脳に従って、今日も一歩も近づくことのない最高の未来を描いて夢の中に生きますか?
もしあなたがLL型人間なのであれば、すでに最高の未来を手に入れているはずなので、この記事を読んでいることはないでしょう。
が、この記事を読んでいるということは、「ポジティブこそ正義」という自分の体質には合わない考え方はそろそろ捨てるべき時なのかもしれません。
最悪の未来を避けることができれば、日々やってくる未来はただそれだけで最高だということに気づくことができます。
そうなると、その最高の未来をずっと守るために、収入や時間を手に入れることに貪欲になるので、ネガティブ、ポジティブ関係なく、強い動機もなく行動することができるようになります。