貧乏

マーケティング

人間は貧乏から先に死んでいく

こんにちは、服部(@FACTDEAL)です。

やや抽象的で過激なタイトルですが、がっつりマーケティングの話になります。

天災、事故、政治、経済の状況に関わらず、お金持ちは安全に守られて長生きし、貧乏な人は危険やリスクにさらされて、死んでいく可能性が高いということです。
 

普通に考えれば当然で、お金持ちが裕福だとか贅沢ができるとか、そんな次元の低い話ではなくて、お金があれば安全を確保できるという話です。

不幸を回避できる可能性が高いということです。
 

それがわかる最たる例が、連日のニュースで目にしない日はない長野県で起きたスキーツアーバスの転落事故です。

まぁ、今回の事故に限らず、長距離バスの死亡事故のニュースは、ずっと伝えられていることはご存知だと思いますが、あなたはこの事故をどのように見ていますか?

もし「このバス(ツアー)会社は酷い会社だな」と思っているなら危険信号です。
 

この事故の本質的な原因は、「安さを求めたアホなお客さんの自業自得」ということに尽きます。
 

今回の事件や業界だけではなく、外食、自動車、航空などあらゆる業界において共通していることで、安さを求め続ける消費者が招いた結果なんです。
 

当然のことながら、僕も消費者なので、僕も含めて消費者はアホだということです。

もちろん、亡くなられた方や遺族の方を批難や冒涜するつもりとかはまったくありませんし「娘をこんな会社の格安ツアーに参加させた私がバカだった」と仰られていた遺族の方もいたので、むしろそれは素晴らしい思考だと思ったくらいです。

僕が遺族の方と同じ立場であれば遺憾ですし、このバス会社を恨むでしょうから。
 

ただ、バス会社を責めたところで亡くなった方は帰ってくることはありませんし、時間と労力をかけて訴訟を起こしても遺族にわずかな賠償金が支払われるだけです。

で、賠償金を支払った会社はどうなるのかというと、当たり前ですがキャッシュも減りますし、そもそも業界では生きていけないでしょうね。

なので、表では「改善」するとは謳っていても、経営が苦しくなる上で改善はほぼ不可能です。
 

また、不祥事を起こした会社が潰れたところで、また別の格安会社が頭角を現すだけの話です。

つまり、自分ではなく外部のせいにした時点で、それは「関心の輪」の範疇になり、その業界の産業構造や風潮を変えることは、現実的に不可能ですしムダだということです。
 

じゃぁ、どうすればいいのか?

それは「事故に遭いたくなければ、危険やリスクのあるものには関与しない」という、小学生でもわかるようなことを理解して考えて行動すればいいだけの話です。
 

が、事故のニュースがずっと絶えないのに、なぜリスクを冒してまで利用するのかというと「他よりも価格が安いから」ですよね。

つまり、お金がないか、使いたくないからです。

なので、消費者は消費者ではなく、リスクを回避したりクオリティを確保するための“投資者”にならなければ、人生を豊かには過ごせないということです。

そして、そのためには収入を底上げしていかなければならないのです。
 

さて、ここまでである矛盾が生じていることに、あなたは気づいているでしょうか?

そうです、外部のせいにした時点で、それは「関心の輪」の範疇になり、自分がコントロールできないことに対してフォーカスするのは時間のムダだと言いました。

が、僕は、僕も含め「消費者がアホ」だと言って、消費者のせいしてしまってるわけですよね。

これでは筋が通りませんし、そもそも販売者側にも大きな原因があることに、フォーカスしなければならないのです。
 

商売をしていると、

お客さんを無視して単価を上げるな
お客さんが欲しいと思う価格で売れ
お客さんが買える価格で売れ
自分の財布の中身だけを考えるな
単価を上げたら売れなくなる

と指導するコンサルタントがいますが、これは完全に真逆です。

こんなアホなことを教えるコンサタントがいるから、アホの経営者やアホな販売者が増えていって命を落とすことになる消費者が出てくるんです。
 

突発的、表面的に見れば、安売りすることで、お客さんにも喜んでもらえるし、多売することで売上や利益も膨らみますが、そんなことはいつまでも継続できません。
 
安く売るための工夫は、どんどんクオリティの低下につながっていったり、手抜きや不正につながっていったりしますし、だから不祥事や事故が相次いでるわけです。
 

販売者側がすることは、ライバルと価格競争することではなく「お客さんから主導権を奪い取ること」です何ですよね。

要は「私があなたに提供する商品やサービスは、これだけの安全やクオリティが確保できますだからこれだけの金額を払ってください」と、胸を張ってしっかりと伝えることです。
 
決して石ころをダイヤモンドのように見せて、高価格で売れというわけではありません。

ダイヤモンドに磨き上げて、さらにライバルとは違う付加価値を追加して、できるかぎり高価格で売るということです。

そしてそこで得た利益で、さらに商品のクオリティを上げていくんです。
 

消費者は安全とクオリティを確保するために、また、そういった商品を購入できるように、収入レベルを上げていかなければなりません。

そして、販売者側は、消費者を“投資者”に昇華させるために、商品やサービスのクオリティを上げ続けて、販売単価も上げ続けていかなければなりません。

できるだけ安くで買ってもらうために売り手が不毛な価格競争をするのではなく、より良い商品やサービスを購入するために買い手が少しでも高いお金払って買うという本来あるべきスパイラルに戻すべきなんです。
 

安倍政権のデフレ対策によって、一定数、買い手は増えていくかもしれませんが、収入が変わらない層に関しては今まで以上に格安を求めていくでしょうから。

格安価格が“適正価格”と錯覚されることほど危険なものはないので「安全とクオリティを確保するためには、最低これだけの投資をしなくてはいけない」という状態にお客さんを教育することが、これからのマーケティングコンサルタントの使命だと僕は思ってます。
 

お金を失うリスクと命を失うリスクだったら、どちらを優先しますかという話です。

もちろん、他人の死を目の当たりにしたり過去に命を落としかけたような経験がなければ、命を失うというリスクはイメージできません。

だからといって、命ではなく、まずお金を守ることを優先するのは正しい選択なのでしょうか?

変わりましょう、消費者から”投資者”へ。


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