どうも、服部(@FACTDEAL)です。
個人のブランディング戦略として、自分が成果を出すまでのプロセス(や努力)を見せるか否かという議題があります。
分かりやすいのが、よく見ると思いますが「〇〇だった私が△△するだけで□□に!」といったいわゆるヒーローストーリーですね。
で、「ストーリーで共感させる」というのもよく聞くと思いますが、プロセスを見せるということはストーリーと見せるということでもあるので、同じような境遇の人に「私にもできそう」と共感してもらうという目的があります。
人生を重ね合わせてもらうということですね。
また、プロセスを見せることで、共感だけではなく同時に権威性も示すことができます。
圧倒的努力を見せつけることで「この人には敵わない」「この人に少しでも近づきたい」といった憧れ性がイコール権威性につながるということですね。
共感性、権威性、いずれにしてもブランディングには有効ではあります。
ただ、こういったエピック(過去の産物)によるブランディングというのは瞬発力はありますが継続性は低いんですね。
なぜなら、お客さんにはいずれもあなたというロールモデルに沿ってもらうことになるので、依存性が高く再現性も低くなるからです。
私にもあの人同じようにできるかも
私もあの人のようになりたい
ということがメインの軸になり、「自分はどうありたいかのか」という自分の軸を持たずにスタートしてしまうことになるわけですから、そりゃ挫折の可能性も高くなります。
なので、民度の低いお客さんばかりが集まってしまうこのブランディングは悪手です。
とはいえ、先ほども言ったように手法そのものは有効ですし、工夫して戦略的に取り組めば求心力を高めるためには持ってこいの方法です。
ということから、この狭間で揺れ動き、結局このブランディングに走ってしまい「民度の低い人に囲まれている人」というイメージを持たれている人をよく見かけるようになりました。
時間差でマイナスブランディングに陥るパターンでですね。
誰とは言わなくてもTwitterには無限にいると思いますし、そうなってしまってはもう手遅れになり、レベルの高い人とレベルの高い仕事ができなくなってしまうんです。
要は、ずっと低単価でアタマ数を集めなければ成り立たない、底辺のビジネスをずっと続けなければならなくなってしまうということです。
そうならないための事前対策、そしてそのあとの注意点までを今回はお伝えしようかなと。
エピックを見せるブランディング手法は使いたいけど、ビジネスを狭めてしまう状況には陥りたくない、ましてやマイナズブランディングは…という人は読んでいただければ。
3つに分けてポイントをお伝えします。
Point1:エピックとビジョンは必ずセットで
基本中の基本から言うと、エピックとビジョンはセットにして準備しておくということです。
世の中のコンテンツは「こんな努力をしてこうなった!その方法を教えます!」というエピックだけで終わっているものがほとんどです。
いろんな人のTwitterやブログのプロフィールを見てみるとわかると思いますが、自分の過去のことや現在のことは書いていても、その先にあるビジョンを書いている人は少ないんですよ。
これが依存性の高いお客さんを呼び込む原因になるんですね。
なぜなら、メンタルが弱っていて依存度が強い人ほど「今の私に寄り添ってほしい」と考えるからです。
で、共感にもいろいろあって、時間軸で見ると
① 過去に共感する
② 現在に共感する
③ 未来に共感する
という感じになり、自分に置き換えて想像してみてほしいんですが、誰かの過去に共感しているときは「この人にもこういうときがあったんだ…」という安心感を得たいときです。
次に、誰かの現在に共感しているときは「自分もこうなれるかもしれない」という希望を得たいときです。
そして、誰かの未来に共感しているときは「自分には何ができるだろう」という自立を目指しているときです。
誰かの過去に共感しているときは「この人にもこういうときがあったんだ…」という安心感を得たいとき。
誰かの現在に共感しているときは「自分もこうなれるかもしれない」という希望を得たいときです。
誰かの未来に共感しているときは「自分には何ができるだろう」という自立を目指しているとき。
— 服部慎也|マーケとカメラとイロイロ (@FACTDEAL) January 15, 2023
もうお分かりかと思いますが、安心を与えて、次に希望を与えて、最後には自立してもらわないと、良いお客さんと良いビジネスはできないんですよ。
だからこそ、最終的にはエピックではなくビジョンに共感をしてもらわなければならないですし、そのビジョンも良いタイミングで掲げなければならないわけです。
最初は、エピックで求心してもかまいません。
ただし、「安心 ➡︎ 希望 ➡︎ 自立」というルートを辿ってもらうために、ビジョンもセットで伝えていきましょうということです。
Point2:切り替えのタイミング
存在を知ってもらうきっかけやインパクトを残すために、自分の過去を語ること、つまりエピックをアピールすることは有効です。
いきなり「全世界の人を笑顔にしたい!」というビジョンをかましても「え、誰?」「どうやって?」となるわけですから、そのビジョンに共感してもらうために「実は私こういうものです」と伝える必要があると。
ただ、認知度が上がってきたら、エピックとビジョンのアピールの優先度は、少しずつ逆にしていった方が良いです。
両方伝えるけど比率を変えていくということですね。
アピールの優先度を逆にするタイミングは自分次第ではあるんですが、数字の部分で言うと、収益が安定してきたら、肌感覚で言うと「もっとレベルの高いお客さんと商売がしたいな」と感じてきたら。
もちろん、フォロワー数でも良いと思いますよ。
数千人のフォロワーがいれば、フォロワー数自体が「〇〇したらこんなにフォローしてもらえた」というエピックのアピールにもなるので、エピックを控えめにしてビジョンをアピールしても良いタイミングとも言えます。
当然、エピックが必要ではないという意味ではないので、ビジョンに共感した人が「この人ってどういう人?」「信用できる人?」と興味を持って訪れるたときに見てもらえるエピックコンテンツは用意しておきましょう。
このタイミングを逃すと後々けっこうきつくなりますよ。
認知度や影響力が上がってきているということは、エピック押しのまま放置していると、民度の低いお客さんばかりが大量に流れ込んでくるということでもあるので。
Point3:ビジョンを塗り替える
優先度をエピックからビジョンに切り替えたあとの話になるんですが、求心力を保つためには、ビジョンをエピックに変えていかなければなりません。
要は、掲げたビジョンを実現してどんどん過去のものにしていくということです。
お客さんに対して変化や成長をアピールするためには、掲げるビジョンは大きすぎてもダメ(大ゴールとして設定しておくのはOK)で、基本的には達成可能なものにしましょうということですね。
なぜなら、達成するのに数年かかるような大きなビジョンなんて、フォロワーやお客さんは誰も覚えていてくれないからです。
それなりのビジョンがどんどん実現していっている状況の方が求心力を持ちますし、それを積み重ねることによって大きなビジョンが実現するということにもつながりますからね。
で、もっと言うと、実現できなかったビジョンもお客さんはいちいち覚えていません。
なので、余裕で実現できるものではなく、ちょっと危ういものやスベりそうなもの(企画や商品、サービス)でもリリースしていけば良いんです。
その方がインパクトを残せますからね。
インパクトが残せれば、なおさら過去の実現できなかったビジョンなんてすっぱり忘れ去られるで、どんどん宣言してチャレンジしていきましょう。
いかがだったでしょうか。
まずはあなたのプロフィーや発信内容を見つめ直してみましょう。
まだ認知されていないのに大きなビジョンをアピールしてしまっていないか、あるいは認知度や影響力が上がってきているタイミングにもかかわらず過去や現在の自慢に終始していないか。
ここを把握して、取るべきアクションを取ってみてください。